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 新型コロナウイルスワクチンの先行接種が兵庫県内でも始まった。感染を抑え込み、日常生活を取り戻す一歩となることを期待したい。

 対象は同意した医療従事者4万人で、うち半数で健康状態を記録してもらう安全性調査が実施される。

 効果だけでなく、副反応などの有害事象も詳しく公表し、信頼向上につなげる必要がある。新たな課題も見えてくるだろう。そうした情報の共有にも努めてほしい。

 接種は強制ではなく、受けるかどうかは個人がメリットとデメリットを踏まえて判断する。収束を目指すにはより多くの人に自主的に受けてもらうことが不可欠だ。

 誰もが知りたいのが安全性に関する情報だろう。国内で使われ始めた米ファイザー製のワクチン接種を巡って欧米では、発熱や頭痛のほか、急激なアレルギー反応などが報告されているが、今のところ深刻な副反応はごくまれのようだ。

 ただ、日本人ではまとまったデータがなく、副反応の特徴や頻度などよく分かっていないことも多い。

 共同通信社が今月上旬に実施した世論調査によると、ワクチンについて「接種したい」と答えた人は63・1%、「接種したくない」は27・4%だった。

 健康への影響はないか、自分の順番はいつか、効果はどうか。異例のスピードで開発されたこともあって、不安や疑問を覚える人は少なくない。政府は国民の理解を深める努力を重ねなくてはならない。

 何より十分な情報公開と丁寧な説明が求められる。10代後半から高齢者まで幅広い年代が対象となり、伝え方に知恵を絞る必要もあるだろう。国内に住む外国人にも目配りし、できるだけ多くの言語で発信するなどきめ細かな対応も欠かせない。

 国内での接種が本格化するのは高齢者への優先接種が始まる4月以降になる。多くの自治体では、集団接種と診療所などでの個別接種を組み合わせた計画を策定しており、先行接種のデータも参考にしながら、行政の規模や地域に合った形で準備を進めてもらいたい。

 一方、需要に供給が追いつかず、日本にいつどのくらいの量が届くのか見通せない状況が続く。国内で用意された注射器では1容器での接種回数が想定から1回減るという問題も明らかになった。

 供給スケジュールや1容器当たりの接種回数は、実務を担う各自治体が進める医師や看護師の確保、会場設営など全ての準備作業の前提になる。貴重なワクチンを無駄にしてはならない。政府は国際社会や産業界などとも連携し、一つ一つの課題を着実に解決していかねばならない。

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