社説

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 神戸空港は開港15年を迎えた。かつてない逆風下での節目である。

 新型コロナウイルスの感染拡大で航空需要は世界的に大きく落ち込んでいる。神戸空港でも2020年の旅客数は過去最少の約159万3700人となった。搭乗率も過去最低の52・4%にとどまった。

 18年4月から神戸空港を運営する関西エアポート神戸は、20年度に1億4千万円の営業損失を見込む。

 先進国を中心にワクチンの接種が始まったが、現時点でコロナ禍の収束は見通せない。航空需要の低迷はしばらく続く。

 苦境への対応に加え、コロナ後を見据えた中長期の戦略が不可欠だ。

 19年には官民でつくる「関西3空港懇談会」が神戸空港の規制緩和で合意し、発着枠が1日60便から80便に増えた。国際化の検討を始めることも決まった。

 決して十分とはいえないが、「浮揚」への環境整備は進みつつある。存分に生かしてほしい。

 空港を所有する神戸市は、空港活性化の支援策をアップデート(更新)するべきだ。中でも空港アクセスの強化は優先課題といえる。

 関西エアポート神戸は、コロナの影響を織り込んだ21~25年度の中期計画を新たに策定した。

 従来の旅客数見込みを下方修正し、21年度は289万人、22年度に376万人、大阪・関西万博の開催が予定される25年度は395万人としている。コロナ前の計画では21年度に394万人を予測していた。

 パンデミック(世界的大流行)の収束状況によるが、国際線より国内線の回復が先行することが予想される。ただし、テレワークの広がりなどで国内のビジネス需要はコロナ前の水準に及ばない可能性がある。

 観光に軸足を置いた国内需要の掘り起こしが一層重要になる。

 利用者の視点に立ち、官民連携で関西、大阪(伊丹)、神戸の3空港の補完関係のあり方をさらに検討し、関西全体の競争力の向上を図らねばならない。国際線の需要回復が待たれるとはいえ、インバウンド(訪日外国人)に過度に依存しない体制づくりが求められる。

 神戸空港の空港島は今も造成工事が続く。計約85ヘクタールの産業用地のうち完成しているのは半分で、これまでに分譲、賃貸した用地は全体の約2割にすぎない。

 神戸市は「優良資産であり、売り急ぐ必要はない」としている。巨額の公費を投じた土地を、神戸市がいかに戦略的に有効活用するかが厳しく問われている。そのことを市当局は改めて肝に銘じるべきだ。

 海上空港を持つ街として、新たな価値を創造する必要がある。

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