社説

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 2022年春卒業の大学生採用に向けた会社説明会が今月、解禁された。新型コロナウイルスの影響下で2年目となる。

 兵庫県内の今春入社の内定率は、2月1日現在で80%を下回っている。コロナ禍の収束が見通せず、先行きの不透明感は色濃い。再び就職氷河期に陥らないよう、政府の支援や大手企業の積極採用を求めたい。

 採用数を左右する企業業績は「K」の字と称されるように、好不調の二極化が広がっている。日本航空やANAホールディングスといった学生に人気の航空会社が採用縮小を発表し、JR西日本も前年比7割以上減の約200人採用と表明した。

 コロナ禍は航空や鉄道、観光をはじめとする企業の採用方針にくっきりと表れている。近年の売り手市場は一変した。

 しかし、採用抑制がおしなべて広がっている状況ではない。製造業など業績が回復基調の企業はあり、昨春に大きく落ち込んだ景気は緩やかながら上昇してきた。デジタル・トランスフォーメーション(DX)に踏み出す企業はIT人材の不足感を感じており、コロナ禍でその傾向が強まっている。

 中堅・中小企業は、優秀な人材獲得の機と捉え、オンライン化などの手を打つべきだろう。地元の自治体や経済団体は、知名度やアピール手段に乏しい点をカバーする方策や機会を提供してほしい。

 経団連に代わって政府が日程ルールを主導して2年目でもある。会社説明会が始まり、6月1日からは面接などの選考活動、10月1日に内定解禁と定めている。既に選考を進め、6月までに事実上の内定を出す企業も多いとされ、ルールの形骸化が指摘されて久しい。

 短期決戦の様相だけに、学生が焦りや孤立感を深めることになりはしないか懸念される。

 ウェブ面接など新しい就活スタイルにも慣れなければならない。学生同士の情報交換や、合同説明会の機会も減っている。大学は学生らを丁寧にフォローしてもらいたい。

 在宅勤務やテレワークなど働き方がこの1年で大きく変わり、副業を認める企業も増え始めている。新卒一括採用の是非についても議論を深めたい。

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