社説

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 兵庫県は新型コロナウイルスの感染急拡大を受け、3度目となる緊急事態宣言の発令を要請した。政府は週内にも決定し、大阪府、東京都などとともに宣言を出す方針だ。兵庫では前回の宣言解除からわずか約2カ月での再発令となる。

 感染力が強く、重症化のスピードも速い変異株の拡大で「第4波」が到来している。地域の医療を守るため、強いブレーキを踏むのはやむを得ない判断といえる。

 しかし宣言の発令は、飲食店など多くの事業者に影響を及ぼす。資金面での十分な支援と、これまで以上の丁寧な説明が欠かせない。

 兵庫県ではきのう、過去最多を更新する563人の新規感染者が確認された。入院中の患者は20日時点で700人近くに上り、入院調整のための自宅待機者も千人を上回っている。神戸市では重症者でもすぐに入院できない状況が続き、在宅での死亡者が出ている。

 井戸敏三知事は「患者数に減少の兆しがなく、医療状況も大変逼迫(ひっぱく)している。一段厳しい対応が迫られている」と危機感を示した。新規感染者が千人を超える大阪府での医療危機が目立つが、兵庫ももはや限界に達していると言っていい。

 不足する医療従事者を全国から関西に派遣するなどの踏み込んだ措置を、政府主導で進めてもらいたい。

 飲食店の営業時間短縮要請が対策の中心となる「まん延防止等重点措置」が適用されて2週間余りが経過した。ところが感染者増加の歯止めはかからず、効果が出ていないのは明らかだ。宣言発令によって、厳しさを増す感染状況を何としても改善させることが求められる。

 重点措置ではなぜ感染者数が減らないのか。新たに対策の網をかけるポイントはないのか。想定されていた変異株を拡大させてしまったのはなぜか。兵庫県は政府などと連携して早急に分析し、一刻も早く実効性のある対策を講じる必要がある。

 変異株については「まったく違うウイルスとして対応すべき」と指摘する専門家もいる。これまでの延長線上にない対策が重要となる。

 宣言に向け、井戸知事は、飲食店での酒類提供自粛や、大型商業施設の営業時間短縮などの要請を検討中とし、エリアや時間などの具体的な中身は調整中とした。京都府も合わせ、同一生活圏にある関西3府県は足並みをそろえるべきだ。

 自粛が長引き、市民には「コロナ疲れ」が広がっている。今ほどリーダーのメッセージが重要なときはない。大型連休も来週に迫る。菅義偉首相は対応の遅れが危機を招いた責任を自覚し、強い覚悟で国民に協力を呼びかけねばならない。

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