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 政府は、兵庫、大阪、京都、東京の4都府県を対象に、3度目となる新型コロナウイルス緊急事態宣言の発令を決めた。期間はあすから5月11日までとなる。大型連休を含む期間に強い対策を打つことで、人の流れを抑え、急増する感染者数を減らすのが狙いだ。

 感染力の強い変異株の拡大で流行の「第4波」が到来し、人々が不安を募らせている。高齢者へのワクチン接種は始まったが、少ない供給量に申し込みが殺到している。

 私権を制限する緊急事態宣言は本来、慎重な適用が求められる。まん延防止等重点措置は効果を上げず、感染は拡大した。度重なる宣言に政治の責任が厳しく問われる。

 宣言が繰り返されて多くの事業者が疲弊を深めている。宣言を出す以上、十分な経済支援が不可欠だ。政府は協力金などの拡充を検討すべきだ。医療体制の強化も着実に進めねばならない。

 菅義偉首相は「強力な対策を短期集中的に実施し、ウイルスの勢いを抑え込む」と述べた。宣言の再々発令については「心からおわび申し上げる」と陳謝したが、自らの責任には言及しなかった。「総理としてできること全てに全力を尽くす」との言葉の重みを肝に銘じるべきだ。

 兵庫を含む関西の医療は危機的状況にある。変異株が猛威を振るい、病床不足は深刻だ。自宅待機中の患者の死亡も相次ぐ。さらなる感染拡大は、救える多くの命を失うことにつながりかねない。

 政府はコロナ対策の基本的対処方針を改めた。酒類を提供する飲食店や百貨店など大型店舗の休業▽イベントの無観客開催▽鉄道やバスなどの平日の終電繰り上げや休日の減便-などの要請を盛り込んだ。一方、一律の臨時休校は求めなかった。

 兵庫県は全域で酒類を提供する飲食店への休業要請などを実施する。過去2回の宣言を上回る強力な措置と言える。ただ、新規感染の主流となった変異株は不明な点が多い。効果がないと分かれば、対策を強化する臨機応変な対応が必要だろう。

 一方、解除の目安について、政府の専門家分科会の尾身茂会長は「最低でもステージ3(感染急増)、ステージ2(漸増)に向かう見込みがあるのが条件」と述べた。これまでの2回の宣言とも解除を急ぐ余り、感染再拡大を招いた。過去の失敗を繰り返してはならない。

 わずか3カ月余りで2度の宣言となり、「またか」との思いを抱く人も多いだろう。だが、医療を守ることは社会を守ることにもつながる。不要不急の外出の自粛やテレワークの推進は欠かせない。一人一人ができる感染対策を徹底したい。

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