社説

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 あす5月1日はメーデーである。兵庫県では昨年に続き緊急事態宣言下で迎えることになった。

 新型コロナウイルスの影響で解雇や雇い止めに遭った人は全国で10万人を超えた。製造業や小売業、飲食業、宿泊業が多い。雇われていても仕事がなかったり、収入が激減したりする「実質的失業者」も増えている。雇用不安は収まりそうにない。

 政府は今こそ、公助を拡充するべきだ。苦境にある人の暮らしを立て直す支援策を急がねばならない。コロナ後を見据え、デジタル化や働き方改革を加速させる思い切った施策も求められる。

 他方、働く人たちが職場の枠を超えて連帯し、声を上げることの重要性を改めて共有したい。労働組合の存在意義が一層問われている。

 連合兵庫や兵庫労連などは感染拡大防止のためにメーデーの大規模集会を自粛し、動画を配信する。制約がある中でも活動手法に工夫を凝らし、役割を果たしてほしい。

 コロナ不況は、特に女性の非正規労働者を直撃した。世界共通の課題であり、「シーセッション」とも呼ばれる。英語の「彼女(シー)」と「景気後退(リセッション)」を合わせた造語である。

 日本は他の主要国と比べて飲食や宿泊などの対人サービス業の就業人口割合が大きく、それらの業種は非正規雇用の女性が多い。結果、コロナの影響による雇用調整は女性をさらに窮状に追い込んだ。

 雇用ルールを軽視し、女性や非正規労働者を解雇の狙い撃ちにしたような企業もあり、見過ごせない。

 昨年来、政府は雇用を維持するためのさまざまな対策を打ち出してきた。しかし、周知不足や手続きの煩雑さなどから非正規労働者が保護の網からこぼれ落ちるケースが相次いだ。休業手当の一部を補〓(U+5861)(ほてん)する雇用調整助成金がその一例だろう。

 パートやアルバイトで家計を支える人も増えている。非常時の臨時措置を使いやすくするのはもちろん、普段から非正規雇用の所得を補償する仕組みを整える必要がある。

 コロナ後を考えたとき、女性が働きやすい環境整備や職場のジェンダー平等はますます重要になる。人口減少が続く日本では、働き手の多様化を図らなければ社会の活力は失われる。テレワークの導入など業務のデジタル化も欠かせない。

 次代を担う若者にもしっかりと目を向けたい。2月時点で大学卒業予定者の就職内定率は兵庫県で5年ぶりに80%を割り込んだ。第2の就職氷河期世代をつくらないために、国を挙げた取り組みが要る。

 コロナ禍が広げた格差や不平等の是正へ、丁寧な議論を重ねたい。

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