社説

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 梅雨前線が北上し、兵庫県は1951年の統計開始以来、最も早く梅雨入りした。だが梅雨明けが早まるわけではなく、水害のリスクが高まる期間が長期化する恐れがある。土砂災害や浸水、河川の増水などへの警戒を怠らないようにしたい。

 気象庁は今季から、短時間で集中的な豪雨をもたらす「線状降水帯」が発生したとみられる場合に、注意情報の提供を始める。

 各地で線状降水帯による豪雨災害が相次いでいる状況を踏まえ、危機意識を高めるのが狙いだ。

 線状降水帯は、積乱雲が列をなして次々と発生し、同じ場所で長時間激しい雨を降らせる現象である。2017年の九州北部豪雨、18年の西日本豪雨、20年の熊本豪雨など大規模災害の要因となった。

 こうした豪雨の増加には、地球温暖化による気温と海水温の上昇が影響しているとされる。ただ、線状降水帯の形成には気象や地形、海上から流れ込む水蒸気など多くの条件が絡んでおり、最新の技術でも発生前の正確な予測は難しいとされる。

 気象庁は「3時間の積算雨量100ミリ以上の面積が500平方キロメートル」などの観測情報を基に、注意情報を発表する。勢力が衰え、危険性が低くなった場合の「解除情報」は出さない。過度に安心感が広がるのを防ぐためだという。

 注意情報は、最も危険な「警戒レベル5」(大雨特別警報など)の一つ手前の「レベル4」(土砂災害警戒情報など)に相当する。事前予測ではないため既に大雨になっている可能性があるが、氾濫などが起きる前に、自治体が住民に避難などの災害対応を求めることができる。

 災害対策基本法の改正で、「避難勧告」と「避難指示」は、きのうから「避難指示」に一本化された。

 両者の違いが十分に理解されず、住民の逃げ遅れが多発した教訓を生かした対応だ。今後、気象庁の情報などを基に、市町村は災害発生の恐れが高い場合に「避難指示」、さらに切迫したときなどには「緊急安全確保」を発令する。

 度重なる防災情報の追加や変更によって、住民らが混乱しないかが懸念される。気象庁は「注意情報だけでなく、自治体の避難情報なども踏まえて活用してほしい」と呼びかける。周知徹底とともに、情報が有効に機能するように、住民も参加する訓練などを重ねる必要がある。

 毎年のように豪雨などで多くの犠牲者が出ている。しかし、避難情報が出てすぐに行動に移す住民はまだまだ少ない。防災情報を理解した上で、一人一人がどの時点でどう動くかを考えておくことが重要となる。改めて胸に刻み、備えたい。

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