社説

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 兵庫県内でも日差しが強くなり、真夏日になる地点が出てきた。暑さへの警戒が必要な季節となった。

 暑さによる救急搬送も増加している。先週、尼崎市内の高校で体育の授業中に生徒が相次いで体調不良を訴え、9人が病院に運ばれた。いずれも熱中症とみられるという。

 総務省消防庁によると昨年6~9月、熱中症の救急搬送は全国で6万4869人で、2018年、19年に続き過去3番目だった。

 年間の死者数も18年から千人を超え続けている。

 昨年の発生場所では、庭などを含む「住居」の割合が最多の4割超だった。新型コロナウイルス感染拡大の中で迎える初めての夏だったが、屋内での熱中症が多かったことに外出自粛の影響が見て取れる。

 今年も緊急事態宣言下にあって、昨年と同様に出掛ける機会が少なくなっている。体内の水分を蓄える筋肉が減少しているとも指摘される。例年以上の注意を払いたい。

 梅雨入りが早かった今年は、厳しい暑さの日がある一方で比較的涼しい日もあり、体が暑さに順応できていない可能性がある。まだ6月だからとためらわず、エアコンを積極的に活用することが大切だ。こまめな水分補給の習慣化も望まれる。

 環境省と気象庁は本年度、熱中症の危険を地域ごとに知らせる「熱中症警戒アラート」の全国運用を始めた。ホームページなどで確認できるので、予防行動の目安にしたい。

 とりわけ心配されるのが高齢者である。体温の調節機能が低下しており、一日を通じて声掛けするなど家族や周囲の配慮が欠かせない。コロナのワクチン接種会場に向かう際にも気をつけなければならない。

 世代を問わず懸念されるのは感染防止で長引くマスクの着用だ。マスクをすると体に熱がこもりやすい。口の中が湿って喉の渇きを感じにくくなるという危険性もある。

 今年2月、大阪府高槻市の小学校で、当時小学5年の男子児童が体育の授業で倒れ、亡くなった。死亡との因果関係は不明だが、授業開始時にマスクを着けていたという。

 スポーツ庁は昨年、体育でのマスク着用は不要との通知を、全国の教育委員会に出した。だが知らない子どもや保護者もいる。暑さが本格化するまでに周知を徹底すべきだ。

 民間気象会社のウェザーニューズは今夏、近畿地方の気温が平年よりやや高くなる見通しを発表した。

 熱中症の症状は発熱などコロナと似たところがあり、熱中症の患者が増加すると、コロナ対応で疲弊が続く医療現場の負担を高める恐れもある。一人一人が暑さ対策への正しい知識を持ち、予防に努めたい。

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