社説

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 東京証券取引所は2022年4月4日、四つある株式市場を再編する。最上位の「プライム」、中堅企業を含む「スタンダード」、新興企業向けの「グロース」の3市場とする。東証は株式市場の信頼性や魅力を高める再編となるよう、円滑な移行に万全を期してほしい。

 再編の背景には、現在の「1部」「2部」「ジャスダック」「マザーズ」のそれぞれの特徴や役割が曖昧になってきた点が挙げられる。

 特に業界を代表する企業が集まるはずの1部は2千社を超える。東証に上場する全企業数の6割を占め、肥大化との批判を招いている。再編を通じて優良銘柄に集約し、世界から投資マネーを呼び込んで市場間の国際競争で優位に立つ狙いがある。

 企業にとって東証1部への上場は資金調達の面だけでなく、信用力や知名度が上がる、いわばステータス(地位)の象徴である。その株式は東証株価指数(TOPIX)に採用されている。同指数連動型の上場投資信託(ETF)は、日銀も金融緩和策の一環で購入しており、その是非はともかく、株価の下支え効果があるとされる。

 トヨタ自動車やソニーといった世界に名だたる企業が上場する一方、比較的小規模な企業があるのも事実だ。1部からの移行市場となるプライムでは、市場で売買できる流通株式の数や比率、株価を掛け合わせた流通時価総額など上場基準を厳しくする。独立社外取締役の比率を一定以上にするなど、コーポレートガバナンス(企業統治)の強化も求める。

 東証の発表によると、1部上場企業のうち約30%に当たる664社がプライムへの移行基準を満たしていない。3新市場のいずれかの基準を下回る企業も約25%に当たる965社に上る。東証は基準を下回っていても改善計画の開示などを前提に、暫定的に移行が認められる経過措置を設けるとしている。

 今回の市場再編は、企業側が経営戦略を見つめ直す機会でもある。看板の掛け替えにとどめず、企業価値を高める改革につなげねばならない。東証は新市場の詳細について丁寧に情報公開し、各市場の位置づけを明確にする必要がある。

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