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 次期首相を事実上選ぶ自民党総裁選に注目が集まる中、埋没を懸念する野党が、迫る衆院選に向けた動きを活発化させている。

 立憲民主、共産、社民、れいわ新選組の4党が、消費税減税や原発のない脱炭素社会の追求などを盛り込んだ「共通政策」に合意した。

 安全保障関連法の廃止を訴える団体「市民連合」が仲介し、衆院選への事実上の政策協定となる。

 共通政策は、科学的知見に基づく新型コロナ対策の強化▽森友・加計学園問題や桜を見る会疑惑の真相究明▽米軍普天間飛行場の辺野古移設中止-など6項目を掲げる。これまで開きがあった消費税減税や原発政策について、一定の合意にこぎ着けたことは評価できる。財源の裏付けなど政策に説得力を持たせ、具体化への道筋を示さねばならない。

 衆院選に向け、各党は共通政策を土台に、競合する小選挙区での候補者一本化を加速させる意向だ。ただ今回の合意には、原発政策などの違いから国民民主党は参加せず、足並みがそろっていない。

 コロナ対策の遅れで内閣支持率が低迷する菅義偉政権に対し、野党は4月の衆参3選挙で全勝、8月の横浜市長選挙でも勝利した。だが菅首相の退陣表明で、野党は衆院選の戦略の見直しを迫られた。

 政権批判や不満の受け皿になるだけの「敵失」頼みでは限界がある。9月上旬の共同通信の世論調査によると、国民民主を足しても野党5党の支持率は計18%で、自民党の46%に大きく水をあけられている。

 野党への有権者の関心や期待は高いとは言い難い。支持拡大には、対立軸となる政策をより明確にし、政権の選択肢を示す必要がある。

 野党結集を主導すべき、立憲民主党の責任は重い。その立民は、次期衆院選に掲げる公約を相次いで公表している。政権交代の実現後直ちに着手するとして、コロナ対策での30兆円規模の補正予算編成やコロナ対応の司令塔新設、菅首相が拒否した日本学術会議の会員候補6人の任命など7項目を挙げた。

 選択的夫婦別姓制度の早期実現やLGBT平等法の制定など、多様性の推進も掲げる。安倍前政権の経済政策「アベノミクス」も検証し、格差や貧困の改善にはつながらず「失敗」と断じた。自民との違いが鮮明な分野を中心に主張するが、思惑通り争点化できるかは見通せない。

 衆院選では野党の政権構想も焦点となる。立民は共産との連立を否定している。本気で政権交代を目指すなら、あるべき政治や社会の姿、連立の枠組みを事前に整理し、具体的で実現可能な政策とともに有権者に明示しなければならない。

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