社説

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 発足1カ月のデジタル庁で、早くも不祥事が発覚した。

 NTTから3回にわたり計約12万円の接待を受けたとして、次官級の赤石浩一審議官が減給1カ月の懲戒処分となった。同庁は、NTTは利害関係者ではないが社会通念上の範囲を超える接待を禁じる国家公務員倫理規定に違反すると判断した。

 接待は、同庁創設を目玉政策とする菅内閣の発足から間もない昨年9月から12月にあった。うち2回は平井卓也デジタル相と同庁参与が同席していたが、閣僚は特別職のため対象外とされ、参与は今年9月でいったん退職したため処分を免れた。

 解せないのは、平井氏の対応だ。NTT側によると「デジタル化について意見を聞きたい」と会食を持ちかけたのは平井氏側だったという。にもかかわらず、懲戒処分を公表した際、自身が同席していたかどうかは明言を避けた。

 同庁が同席を認めた後も平井氏は、費用は「割り勘」だったと説明し、国民の疑念を招く接待を禁じる「大臣規範」には抵触しないと主張した。

 だが会費を払ったのが会食から約半年後、問題を最初に報じた週刊文春から取材があった日となれば話は別だ。取材がなくても払っていたのか。同じ接待で懲戒処分の官僚との不公平はないのか。疑問は尽きない。

 平井氏は「一定の責任」はあるとして、閣僚給与1カ月分を自主返納する一方、赤石氏は続投させた。処分は形ばかり、と認めたようなものではないか。

 今年に入り、総務省や農水省への高額接待が発覚し、「官業癒着」への批判が高まった。他山の石として襟を正す局面で、範を示すべき大臣が不誠実な説明に終始する。これではデジタル庁が掲げる「オープン・透明」は看板倒れになりかねない。

 同庁は職員約600人の3分の1を民間出身者が占め、国民の大事な個人情報を扱う。特定企業との癒着を許さない意識が他省庁以上に求められていると肝に銘じるべきだ。

 政権が代わっても疑念が解消されるわけではない。デジタル改革を進めるには国民の信頼が不可欠だ。政府は徹底的な調査と厳正な処分によって信頼回復に努めねばならない。

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