社説

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 任期満了に伴う神戸市長選はあす告示され、衆院選と同じ31日に投開票される。新型コロナウイルス対策をはじめ、人口減少、都市再整備など課題は多い。市政を検証し、150万都市の将来を見据えた活発な政策論争を期待したい。

 今回は、3選を目指す現職の久元喜造氏と、兵庫労連事務局次長の岡崎史典氏▽空手道場代表の酒谷敏生氏▽弁護士の鴇田(ときた)香織氏▽元加西市長の中川暢三氏-の新人4人による選挙戦となる見通しだ。

 喫緊の課題はコロナ対策である。神戸市は早くから変異株の検査を手がけ、全国で初めて重症者専用の臨時病棟を建設した。ワクチン接種の大規模会場も開設するなど、独自の対応にも注力してきた。

 一方、医療や保健、福祉、地域経済などの現場の疲弊は深刻だ。苦境にある事業者や、生活困窮者らへの目配りを欠かしてはならない。

 企業業績の悪化などで市税収入は減少し、中小企業の事業継続支援など市単独の施策が財政を圧迫する。その結果、特例債の発行や、市の貯金に当たる財政調整基金(約115億円)から約30億円を取り崩すなど10年ぶりに財源対策を施した。

 コロナ禍が長引けば、高齢化で社会保障費が膨らむ中、財政状況はより厳しさを増す。市政のかじ取り役としてどう導いていくのか。財源確保や行財政改革の具体的な道筋を議論すべきだ。

 街づくりの在り方も争点となる。神戸市は阪神・淡路大震災で失われた都市機能の回復に要した借金の返済を終え、都心・三宮に加え、市西北部の駅前再整備なども本格化させている。財政悪化への懸念から、市会などから見直しを求める声も上がるが、現市政はコロナ後も見据え、投資の手を緩める気配はない。

 コロナを機に顕在化した社会や産業構造の変化を捉え、住みやすく、働きやすい街をどうつくるのか。激甚化する自然災害への備えは万全なのか。中長期的な視点に立った都市像を巡る議論も深めてもらいたい。

 神戸市の人口は2011年をピークに減少に転じ、9年間で約2万8千人減った。特に深刻なのが、20代後半から30代前半の流出だ。

 都市間競争も激しさを増す中で、現市政は子育て支援策の拡充を図ってきた。だが人口増加という成果には結び付いていない。雇用創出や観光振興などを含めた、都市に人を呼び込み、税収増につなげる戦略についても建設的な論戦を望みたい。

 前回に続いて衆院選との同日選となり、投票率は上昇が期待される。有権者は訴えの違いに耳を澄ませ、次の4年を託すべきリーダーを見極めて1票を投じてほしい。

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