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 上場企業の2021年9月中間決算(21年4~9月期)発表が終了した。昨年来の新型コロナウイルス禍からの業績回復が焦点だった。最終的なもうけを示す純損益の合計が前年同期から増益もしくは黒字転換したのは、全33業種のうち8割近い26業種に上った。業績の回復傾向は鮮明になってきた。

 詳しく見ると、海外経済の回復を背景に、電機や自動車など製造業が堅調に推移した。鉄鋼や繊維も黒字転換を果たした。一方、「巣ごもり消費」やその後の需要の急回復で、荷動きが活発化した海運大手3社が過去最高益となるなど、非製造業にも光が差してきた。

 ただ、これまでと同様、業績の二極化を表す「K字」型回復の傾向は続いている。航空や鉄道は赤字幅が縮小したものの、外出の手控えなどで回復の遅れが目立つ。観光、飲食も含め「Go To トラベル」事業の再開に期待がかかるが、政府は迷走した過去の反省を生かし、制度の見直しを進めるべきだ。宿泊施設の業務が過重にならない仕組みなどが欠かせない。

 兵庫県内の企業にも回復傾向が見て取れる。中間決算を発表した73社のうち純損益が増益、黒字転換したのは43社で59%にあたり、前年同期から28ポイント増えた。赤字を計上したのは11社(15%)で、19ポイント減った。

 神戸製鋼所と川崎重工業がともに黒字転換を果たした。自動車や建設機械の生産回復、アウトドアブームに乗った二輪車や、半導体製造用のロボットなど需要の盛り上がりを的確に捉えたといえる。医療用検査機器・試薬大手のシスメックスや、電子部品の大真空などは過去最高益を更新した。

 通年では原油価格の高騰をはじめ原材料費の上昇が懸念される。コロナの「第6波」も油断ならない。半導体不足などサプライチェーン(供給網)の混乱に見られるように、コロナ禍の影響は国内外で続いている。商品の値上げが相次ぐことで、個人消費の抑制を招きかねない。賃上げの検討が必要だ。

 業績回復の道筋を確実にするよう、各企業には、これまでに取り組んだコスト削減やサプライチェーンの見直しなど経営課題への挑戦を期待したい。

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