社説

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 衆院選敗北で引責辞任した枝野幸男前代表の後任を決める立憲民主党の代表選はきのう投開票され、泉健太政調会長が決選投票の末に逢坂誠二元首相補佐官を破り、新代表に選ばれた。

 代表選では、党の立て直しについて小川淳也元総務政務官、西村智奈美元厚生労働副大臣を含めた4氏が討論会などで論戦を交わしてきた。それぞれが語る政策や政治理念に大きな違いは見えず、金融所得課税強化など「分配」の重視でも足並みはほぼそろっていた。党を変えるという熱意や危機感が伝わってきたとは言い難い。

 「分配」に重きを置く政策の問題は、その内容自体というよりも、政権交代を訴えた衆院選で多くの有権者に届かなかったことにある。

 野党第1党のリーダーに求められるのは、新たな選択肢を打ち出す発信力とともに、与党の政策からこぼれ落ちる多様な声に耳を傾ける姿勢ではないか。代表選後、泉氏は「国民目線で国民中心の政治をする」と述べ、「執行役員の半数を女性に」と多様性の尊重も掲げた。政治に期待しない有権者の関心をいかに引き付けるかが喫緊の課題となる。

 枝野氏が主導した共産党などとの野党共闘の是非も論点となった。

 衆院選で立民は小選挙区で議席を増やしたものの、比例代表は大幅に減らした。党内には、安全保障などの基本政策で隔たりがある共産と候補者一本化を進めたことの検証を求める声があるが、代表選では4氏とも「間違いではなかった」として踏み込まなかった。党の政権構想に関わる議論を避けたことで、今後の路線対立を招く火種になりかねない。

 来年夏の参院選に向け、共産と距離を置く国民民主党や、支持団体の連合との関係を再構築できるのか。国民と、野党共闘とは一線を画した日本維新の会は国会対応で連携する姿勢を示す。新代表は早速、難しいかじ取りを迫られる。

 政党支持率が低迷する中、無党派層を中心にいかに支持を広げるかも課題だ。泉氏は脱「批判政党」を掲げ、「政策立案型」の党運営への転換を訴える。ただ、与党と政策が似通う結果、かえって埋没しかねないという危険もはらむ。

 何よりも、どのような国や社会をつくりたいのか、党として明確なビジョンをより具体的に示す。それが国民の信頼を得る道だろう。

 6日には臨時国会が召集され、泉氏は岸田文雄首相との初の本格論戦に臨む。大規模な経済対策を盛り込んだ2021年度補正予算案などが焦点だ。対抗軸となる政策に磨きをかけ、多様で分かりやすい選択肢を国民に示さねばならない。

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