社説

  • 印刷

 新型コロナウイルスの国内の新規感染者がきのう、6千人を超えた。緊急事態宣言が発令されていた昨年9月中旬の水準まで戻った形だ。年末年始を挟んで、人の移動が活発化した影響も大きい。懸念された感染「第6波」に入ったと認識し、政府や自治体は、検査の拡充や医療体制の確保などの対策に万全を期さなければならない。

 政府はあすから今月末まで、沖縄、広島、山口の3県にまん延防止等重点措置の適用を決めた。適用は昨年9月以来となる。岸田文雄首相は「3県の感染拡大に早急に対応する必要があると判断した」と述べた。

 沖縄、山口両県は在日米軍基地を抱え、広島県は隣接している。地元自治体は基地でのクラスター(感染者集団)の発生を機に、市中感染が広がったとの見方を強めている。政府の水際対策に「抜け穴」があったと言わざるを得ない。

 これまでにないペースでの感染拡大の要因となっているとみられるのが、新変異株「オミクロン株」の広がりだ。デルタ株などの従来株と比べ重症化リスクは低いとする知見がある一方で、感染力は格段に強い。

 感染者が急増すれば、必然的に重症者も増加し、再び医療体制が逼迫(ひっぱく)する恐れがある。重症化リスクが高い高齢者らへのワクチンの3回目接種を急ぐ必要がある。

 沖縄では医療従事者の感染などで人手不足に伴う医療機関の診療制限が生じており、応援派遣は急務だ。

 東京や大阪など他の地域でも市中感染が拡大している。感染者の爆発的な増加に備え、医療体制の強化、無料検査の拡充、飲み薬の確保などを迅速に進めてもらいたい。

 厚生労働省は、限られた病床を有効利用するため、オミクロン株の感染者を全員入院させる方針を見直した。感染が急拡大する地域では、医師の判断で宿泊施設や自宅での療養を認める。

 昨夏の「第5波」では、病床が足りず大量の自宅待機者が出た。容体が急変しても入院できないまま亡くなる人が相次いだ。同じ轍(てつ)を踏んではならない。地域の医師会と連携し、自宅療養中も確実に健康観察が受けられる体制を整えるべきだ。

 兵庫県でも新規感染者が2日連続で100人を超えた。昨年末以降、オミクロン株の市中感染が相次いで判明し、さらなる増加が懸念される。感染力の強さを念頭に、重点措置の適用要請の時期などを見極めねばならない。病床逼迫に至らないよう、先手先手の対応が求められる。

 職場や家庭での感染防止対策も改めて徹底したい。マスクの着用や3密を避ける努力を続け、急拡大を最小限に抑えなければならない。

社説の最新
もっと見る
 

天気(5月22日)

  • 26℃
  • ---℃
  • 20%

  • 28℃
  • ---℃
  • 20%

  • 26℃
  • ---℃
  • 10%

  • 29℃
  • ---℃
  • 20%

お知らせ