社説

  • 印刷

 新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」が急拡大する中、入試シーズンが本格化した。

 きょうから2日間の日程で大学入学共通テストが行われる。全国で約53万人が出願し、兵庫県内では2万3400人が臨む予定だ。県内の私立中学の入試も始まっている。受験生たちは感染予防に気を使いながら、勉強に励んできただろう。本番で持てる力を発揮してほしい。

 コロナ下の共通テストは昨年に続き2回目となる。文部科学省は、感染者らへの対応策を練り上げる時間が十分あったにもかかわらず、直前になって方針を二転三転させるなどした。受験生と大学の双方に混乱を招いた責任は重い。

 昨年末、文科省はオミクロン株感染者の濃厚接触者に対して、共通テストも国公私立大学の個別入試も一律に受けさせないと決めた。受験生への配慮を欠いた決定に、反発が広がったのは当然である。

 岸田文雄首相の指示でわずか3日後に撤回し、新たな指針を出した。オミクロン株を含めたコロナ感染者の濃厚接触者は、無症状であれば条件付きで受験可能とした。条件は、PCR検査で陰性、公共交通機関を使わない、別室受験-などで、これは妥当な判断だろう。

 共通テストの本番まで1週間を切った今月11日には、従来より踏み込んだ受験生の救済策を全国の国公私立大学に要請した。

 具体的には、コロナの影響で共通テストを受けられなくても、2次試験などの個別試験で合否を判定できるようにする。さらにそれらの試験や追試も受けられなかった場合は、面接や書類選考が中心の追試を再度設け、4月以降の入学も認める。

 大学に限らず、中学や高校の入試でも、追試や書類のみの選考を検討するよう都道府県教育委員会に要請する方針という。

 受験機会を保障する観点から、柔軟な対応策が取られること自体は望ましい。ただ、決定があまりにも急なため、準備が間に合わないと困惑する大学は多い。文科省はもっと早く救済の指針を示すべきだった。

 救済策の大きな課題となるのは、入試の根幹である公平性の確保である。共通テストを受けた人と個別試験のみの人の合否を、どう公平に判定するのか。受験生が安心して試験に臨めるよう、各大学は早期に対応策を固め、合否判定の基準を明らかにする必要がある。文科省はそのための支援策を講じてもらいたい。

 元々インフルエンザや風邪が流行しやすく、雪などの影響を受けやすい今の時期に一斉入試を行うのが妥当なのか。根本的な検討課題も議論していかねばならない。

社説の最新
もっと見る
 

天気(5月22日)

  • 26℃
  • ---℃
  • 20%

  • 28℃
  • ---℃
  • 20%

  • 26℃
  • ---℃
  • 10%

  • 29℃
  • ---℃
  • 20%

お知らせ