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 政府は、新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」の感染急拡大を受け、きょうから首都圏を含む13都県にまん延防止等重点措置を適用する。期間は2月13日までで、既に適用中の沖縄など3県と合わせ、対象は16都県に拡大する。

 一方、兵庫県はきょう、重点措置の適用を、大阪府、京都府とともに政府に要請する方針だ。迅速な判断を求めたい。

 国内で1日当たりの新規感染者数が4万人を超え、「第6波」の拡大に歯止めがかからない。オミクロン株は重症化しにくいとの見方があるが、感染者がこの勢いで増えれば、重症者も増加する恐れがある。このままでは医療体制の逼迫(ひっぱく)を招き、介護、交通など社会基盤の維持が難しくなる。政府や自治体は、病床確保や検査体制の大幅な拡充などの対策を躊躇(ちゅうちょ)なく講じる必要がある。

 兵庫県内でも、影響が広がっている。県内の新規感染者はきのう2483人が確認され、2日続けて2千人台となった。病床使用率は41・6%と大阪府を上回り、自宅療養者は5245人に達している。

 保健所には既に過度の負担がかかっており、自宅療養者の健康観察に支障が生じている。若者や子どもの感染が急増し、小中高校で学級・学年閉鎖が相次ぐ。家庭内感染の広がりに伴う自宅療養者のさらなる増加に備えねばならない。

 昨年の「第4波」では、入院できずに自宅療養中に亡くなる事例が相次いだ。保健所の健康観察が追いつかなかったことが一因とされ、応援職員の増員や、地域医療との連携強化を急ぐべきだ。

 岸田文雄首相は、「最悪の状態」を想定して先手の対応を進めると強調してきた。だが、新変異株の感染力が上回っているのが実態だ。

 政府は、行動制限の緩和に活用してきた「ワクチン・検査パッケージ」を原則一時停止するが、知事が認めれば継続もできる。重点措置では、知事の判断で飲食店の酒類提供停止や営業時間短縮の要請が可能だが、対応は分かれている。

 政府の専門家分科会の尾身茂会長は「人流抑制でなく人数制限だ」と述べた。だが強い感染力に何が有効な対策なのかはまだ明確でない。検証を怠らず、社会経済活動との両立を慎重に進める姿勢が欠かせない。

 行動制限に頼らない対策も早急に進めたい。政府はワクチンの3回目接種の前倒しを表明してきたが、第6波に間に合わなかった。必要な量の確保に全力を挙げ、自治体に確実な供給計画を示す必要がある。医療や介護、福祉など現場で働く人々を守り、社会全体が混乱に陥る事態を何としても避けなければならない。

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