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 6月22日公示が想定される参院選まで2カ月を切った。新型コロナウイルス対策やロシアのウクライナ侵攻、円安に物価高と課題が山積する中、通常国会は与党ペースで推移し、低調なまま終盤を迎えた。

 過去最大規模の当初予算は、野党の国民民主党が賛成に転じ、早々に成立した。岸田政権が重視する経済安全保障推進法案は、野党第1党の立憲民主党も賛成して衆院を通過し、「無風」ぶりを象徴する。

 参院選を前に政府、与党は対決法案の提出を避けた。加えて「聞く力」をアピールする岸田文雄首相が、朝令暮改と批判されかねない柔軟対応で野党の機先を制してきた面はある。

 しかし、最大の要因は野党側の足並みの乱れである。昨年の衆院選で敗れた立民は、泉健太代表の就任後、「政策提案型路線」にかじを切った。だが、国会論戦での迫力不足は否めず、支持率が上向く気配はない。

 与党に接近する国民の動きが有権者をさらに戸惑わせた。当初予算への賛成は政権の方針を丸のみするのと同じである。賛成の理由としたガソリン税軽減の「トリガー条項」の凍結解除は先送りされ、多くの問題点が指摘される予備費を使った補助金の拡充で決着した。

 玉木雄一郎代表は「われわれは野党」と繰り返すが、これで政権監視の役割を果たせるのかは大いに疑問だ。

 参院選は、野党にとっても正念場である。全国32の1人区で、自公政権と一騎打ちの構図を生み出せるかが鍵となる。

 2016、19年の参院選で、主な野党は全1人区で候補を一本化し、一定の成果を上げた。今回も立民は野党一本化を目指すが、国民は距離を置き、日本維新の会、共産も独自候補を擁立する乱立の様相を見せる。

 一方、自民党は国民が候補を立てる山形選挙区での擁立見送りを検討するほか、立民と国民の支持団体である連合の芳野友子会長を党の会合に招くなど、野党の分断を図っている。

 巨大与党に対抗するには野党の連携が欠かせない。目指す社会像を国民に示し、国会に緊張感を取り戻す。野党の責任を果たすため、ぎりぎりまで候補者調整の努力を重ねるべきだ。

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