社説

  • 印刷

 日本初のサッカー女子プロリーグ「WEリーグ」で、INAC神戸が初代女王の座に輝いた。兵庫は国内女子サッカーの草創期から競技、普及の両面で先陣を切ってきた。地元チームが記念すべきタイトルを獲得した栄誉をたたえたい。

 WEリーグは、女性活躍を意味する「Women Empowerment」の頭文字から名付けられた。リーグは社会貢献としてジェンダーの課題解決に力を入れ、多様性に満ちた社会の実現を理念に掲げる。昨季、前身のなでしこリーグ5連覇を達成した強豪の日テレや浦和など全国の11チームが参加し、昨年9月の開幕から覇を競ってきた。

 INAC神戸は、リーグの開幕試合となった大宮戦を5対0で快勝したのを皮切りに、引き分けを挟み16戦無敗と圧倒的な強さを見せた。優勝に王手を懸けた広島戦で初黒星を喫したが、次戦で相模原を下し、2位以下に大差をつけて戴冠した。

 シーズンを通じて安定した戦いを見せたのは、ベテラン、若手選手がかみ合い、星川敬監督らの指導も奏功したことが大きい。補強などチームづくりを支えるフロントも運営能力の高さを発揮した。来季もチーム力を向上させ、女子サッカー界全体を盛り上げる礎を築いてほしい。

 日本代表「なでしこジャパン」が2011年にワールドカップ(W杯)ドイツ大会で初優勝を果たした後には、空前のブームが起きた。澤穂希(ほまれ)選手ら多くの代表を抱えるINAC神戸の試合にも、2万人を超えるファンが詰めかけた。

 WEリーグの開幕は、人気再来のチャンスと期待された。リーグは今季、1試合平均の観客数5千人を目標に掲げる。ただ現時点では1430人台と、なでしこリーグ時代と同様に厳しい状況だ。INAC神戸も2100人台と苦戦している。

 新型コロナウイルス感染拡大などの影響で、PRの機会などを縮小せざるを得なかったという。このまま女子サッカー人気が下火になってしまう事態は避けなければならない。

 リーグの運営を安定させるには、人気と実力を兼ね備えたクラブを多く育てる必要がある。各クラブが地域に密着して魅力を浸透させていく努力も欠かせない。多くの市民がスタジアムに足を運び、応援することが選手の力にもなる。将来を見据え、集客だけでなく、低年齢層への普及や選手育成にも力を注ぐべきだ。

 リーグは参入基準に、女性指導者の在籍を義務づけ、スタッフの半数を女性にする-などを盛り込んでいる。国民の注目が集まるスポーツ界がジェンダー平等を進める意義は大きい。神戸には理念の実現に向けた先頭にも立ってもらいたい。

社説の最新
もっと見る
 

天気(7月5日)

  • 29℃
  • ---℃
  • 70%

  • 32℃
  • ---℃
  • 50%

  • 29℃
  • ---℃
  • 70%

  • 30℃
  • ---℃
  • 70%

お知らせ