社説

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 参院選がきのう公示され、7月10日の投開票日に向けて18日間の論戦が始まった。

 定数は今回3増えて計248となる。うち半数の124議席と、非改選の神奈川選挙区の欠員1を補う「合併選挙」を合わせた計125議席を争い、545人が立候補を届け出た。兵庫選挙区では改選3議席に過去最多の13人が立候補した。

 ウクライナ危機や急速な円安が拍車をかける物価高対策や外交・安全保障など、国と暮らしの将来に関わる重要政策が争点となる。与野党を問わず、財政健全化や人口減少など中長期的な課題についても、明確な処方箋を示す責任がある。

 岸田文雄首相は、自民、公明の与党で非改選を含めた過半数確保を「勝敗ライン」と位置付ける。昨秋の衆院選に続く勝利で政権の安定を確実にできるのか、野党が勢力を伸ばして政治に緊張感を生み出すのか。日本維新の会、国民民主党を加えた「改憲勢力」が憲法改正の国会発議に必要な3分の2以上の議席を改選後も維持するかどうかも焦点だ。

 今後の国政を大きく左右する選択となる。有権者は各党、候補者の主張や政治姿勢を慎重に見極めたい。

 国民の関心が高まる物価高対策では、与野党が激しく火花を散らす。

 首相は21日の党首討論会で、物価高騰を招く円安の背景にある日銀の金融緩和策について「(引き締めれば)住宅ローン金利上昇などで景気に悪影響がある」と現状維持の考えを示した。立憲民主党の泉健太代表は政府を「無策」と断じ、アベノミクス以来の「異次元の金融緩和」が主な要因だと路線転換を迫った。

 一方、国民の玉木雄一郎代表は「(政府は)緩和策を継続すべきだ」と首相に賛同し、野党の立ち位置の違いが浮き彫りになった。

 消費税減税など家計負担軽減策は立民、維新、共産、国民、れいわ新選組、社民、NHKの野党が公約に盛り込む。与党は反対の立場だ。

 安全保障や憲法、子育て・社会保障、原発・エネルギーなどの主要政策でも党によって違いがある。どの主張が自身の考え方に近いのかを吟味し、1票を投じよう。

 参院の存在意義自体が揺らいでいることも指摘しておきたい。

 解散がない参院は大局的に政策を議論し、衆院の行き過ぎを正す「良識の府」として、多様な民意を反映するのが本来の役割だ。だが実際には「衆院のカーボンコピー」とやゆされるように同じような審議が繰り返される。選挙制度改革も進まず、二院制の機能低下を招いている。

 選挙戦を通じて、望ましい参院の具体像を提示することも政党に課せられた責務である。

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