社説

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 参院選で与野党の舌戦が激しくなっている。ロシアによるウクライナ侵攻や急激な円安による物価高、厳しさを増す安全保障環境への対応など国の将来や生活に関わるテーマが争点だ。

 政権選択に直結する選挙ではないが、自民、公明の与党が勝てば、岸田文雄首相は長期政権への足掛かりをつかむ。野党各党は政権の問題点と政策課題を明らかにし、政治の緊張感を取り戻せるかどうかが問われる。

 野党は先の国会で、与党との対立軸を示せたとは言い難い。

 立憲民主党は、泉健太代表が「政策提案型路線」にかじを切った。だが、安全運転に終始する岸田首相を前に独自色を出せなかった。終盤ようやく、物価高や円安への対応を理由に内閣不信任決議案を提出し、対決型に回帰した。公約でも「物価高と戦う」と金融政策の見直しと消費税の時限的減税を訴える。

 野党間の選挙協力でも立民はリーダーシップを十分に発揮できず、共闘は一部にとどまる。

 「自民党をピリッとさせる」と主張する日本維新の会は、安倍、菅両政権時代から一転、岸田政権では対決姿勢を強める。

 国会議員として1日しか仕事をしていない新人にも月額100万円が支給される旧文書通信交通滞在費の矛盾を突き、法改正の契機をつくった。公約には「核共有を含む拡大抑止議論の開始」を明記し、自民より保守色の強い主張も盛り込んだ。

 国民民主党は当初、補正の両予算に賛成した。賛成は政権の方針の丸のみに等しい。その後も自公と協議を重ね、金融緩和の維持や原発再稼働などで、与党に近い公約を掲げる。「政策実現」が目的とはいえ政権監視の役割が果たせるのか。野党としての正念場と自覚すべきだ。

 共産党、れいわ新選組、社民党などの各党は、消費税減税や護憲などの立場から、それぞれ政権とは距離を置く。

 参院選公示後に共同通信社が行った世論調査では、「望ましい選挙結果」について46・4%が「与野党の勢力が伯仲」と答え、「与党が野党を上回る」の36・6%を超えた。野党各党は岸田政権とどう対峙(たいじ)するのか。自らが目指す国家像とともに、その立ち位置を明確にし、有権者の審判を仰ぐべきだ。

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