可能性高める人物教育
甲南大学

可能性高める人物教育

 約9千人の学生が人文・自然・社会科学の8学部14学科に収まり、キャンパスの中で自然と多様性を実感できるミディアムサイズの総合大学。それが甲南大学。各学問分野のプロフェッショナルとしての深い専門知識と思考力を身に付ける専門教育と並行して、専門教育で身に付けた知識を社会で活用する能力を養うための幅広い知的基礎力を学ぶ共通教育により、学生一人一人の無限の可能性を引き出す人物教育を大切にしている。

リサーチフェスタ 高校生が探究成果を発表、議論

17年から実施 学生・院生と共に

高校生の部・学長賞 山下昂太さん(甲南高校)  高校生が大学生、大学院生と交じり合って自分たちの研究や活動について発表、議論する文理融合のイベント「リサーチフェスタ」を2017年から毎年開いている。高校3年間で進める探究活動の総仕上げを発表する場はさまざまある中、完成前でも発表でき、午前、午後のワーク、発表、審査を通じて参加者が1日で成長する育成型の場となっている。オンラインで行われた昨年12月20日のフェスタには兵庫、大阪、奈良、岡山の1府3県から35校、701人の高校生が参加した。
 一昨年までは、創立100周年に建てられた複合施設「iCommons」を会場に対面形式で行われていたが、昨年は新型コロナウイルスの感染状況をふまえオンライン形式で開催し、高校生197件、大学生・大学院生44件の発表が行われた。
 午前中は、午後の本発表に向けた練習を兼ねた前発表が行われ、Zoomを活用してそれぞれ個人、グループが発表。他校の研究発表を聞く時間を設け、まとめ方や伝え方について気付いたことをノートにまとめる作業を行う。午後の本発表では、審査に参加した大学教員や他校の生徒から質問やアドバイスをもらうほか、審査にも参加し、他者の発表をどのような視点で評価するかを学ぶことで今後の研究へのさらなる気付きを得る機会となる。
大学生・大学院生の部審査員特別賞 フロンティアサイエンス学部生命化学科 川手菜奈さん 澤田志穂さん 湯淺文也さん 吉信尚洋さん  審査の結果、高校生を対象にした学長賞には甲南高校の山下昂太さんの「鳥獣被害が現代社会に及ぼす影響と対策~三重県伊賀市が『若者と企業の拠点』となるために~」が選ばれた。
 また、大学生・大学院生を対象にした学長賞には、甲南大学フロンティアサイエンス学部生命化学科の山之内沙綾さんの「水に分散する多孔質材料」が、審査員特別賞には同学科の川手菜奈さん、澤田志穂さん、湯淺文也さん、吉信尚洋さんの「ハイドロゲルを用いた再生医療」と、木下菜月さんの「DNA構造から新型コロナウイルス感染の謎に迫る」など3点が選ばれた。
 オンラインでの開催を実現できたことにより、地理的な制約がなくなるため、今年からは物理的に距離のある高校からの参加も募り、高校生と大学生の交流の規模をさらに広げて開催する。(生徒・学生の所属は、昨年のリサーチフェスタ開催当時) 大学生・大学院生の部 審査員特別賞 フロンティアサイエンス学部生命化学科 木下菜月さん

高校、大学の学びを社会での実践につなげる 共通教育

 所属する学部、学科の専門教育と並行して、高校までの学びと大学からの学びを円滑につなぎ、さらに大学での学びを社会での実践につないでいくための基礎力や応用力を鍛える共通教育が用意されている。他学部の学生や社会人と共に学ぶ機会を通じて、幅広い視野と発想力を身に付けながら将来のキャリアを見定め、そのときどきに必要な科目を選択できる。
 共通教育は、高校までの受け身の学びから、大学からの主体的な学びへとつないでいくための土台となる「基礎共通教育」と、専門の学びを社会に出てからの実践につなげる「キャリア創生共通教育」などからなる。

受け身から主体的な学びへ 基礎共通教育

「基礎共通教育」の柱となる科目「共通基礎演習」。グループワークや議論などを通じてコミュニケーション能力の向上を目指す  「基礎共通教育」の中で柱となる科目の一つが全学部の1年次を対象に開講する「共通基礎演習」だ。各クラスは学部を超えた約20人の学生で編成され、ノートの取り方やプレゼンテーションの技法を学ぶほか、グループワークや議論などを通じてコミュニケーション能力の向上を目指す。
 その上で、昨年度は「甲南大学のオープンキャンパスを企画する」というテーマで、4、5人ずつのグループに分かれて議論や調査を経て具体的な提案にまとめた。最後は学長をはじめ教職員がみまもる中、グループごとに発表し、学生間の投票でアイデアの優劣を競った。共通教育センターの千葉美保子講師は「プロジェクト型の演習を通じて、コミュニケーション能力、課題発見・問題解決能力、情報発信力を身に付けていく。他学部の学生との協働作業によって幅広い視野を得ることができ、何より学部を超えた友人をつくる機会にもなる」と語る。

将来を見据えた7科目群 キャリア創生共通教育

 一方、年次を経るにつれてその比重が大きくなっていく「キャリア創生共通教育」の中心となるのが「キャリア創生共通科目」。各年次で将来のキャリアについて考え、実践を重ねていくキャリアデザイン系のほか、ビジネス系、政策・法務系、情報系、国際系、ボランティア・地域連携系、福祉・スポーツ健康科学系の7科目群に分かれ、資格が取得できる科目もある。
 「ベーシックキャリアデザイン」では、100人を超える大規模授業ながら、グループワークを通じて自己理解・他者理解を深め、社会で求められるコミュニケーション能力や創造性を高めていく。また社会人ゲスト講師による講演を通じて、卒業後も見据えたキャリア意識の醸成を目指す。ミディアムサイズの総合大学だからこそ可能な共通教育は、学生一人一人の個性と人間力を磨き、それぞれが成長を実感できる機会となっている。

コロナ禍に対応 授業料減免で学業継続支援

 新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、経済的理由で修学が困難となった学生(学部、大学院)に対し、昨年度前期より、授業料から30万円を減免する制度を大学独自で設けている。
 本年度は2020年所得が19年所得に比べ30%以上減少▽21年4、5月の平均月収が19年の平均月収に比べ30%以上減少―のいずれかの条件を満たし、21年度前期において国の高等教育の修学支援新制度(授業料等減免・給付型奨学金)や、ほかの給付奨学金を利用することができない学生が対象となる。

学長に聞く

個性伸ばし人間力養う

中井伊都子学長
―どんな大学を目指す。

 甲南学園の創立者である平生釟三郎(ひらおはちさぶろう)が掲げた建学の理念に「人格の修養と健康の増進を重んじ、個性を尊重して各人の天賦の特性を啓発する人物教育の率先」とあるように、本学では学びを通して人物を育む教育を目指しています。学び、追求し、議論をし、時に挫折し立ち直っていく自分との闘いから人物は育っていきます。その土壌としての大学でありたいと願っています。

―どのような教育でそれを実現するのか。

 高校までの主に教えを受ける教育から大学では自ら学び取る教育へと変わります。8学部14学科約9千人の学生が入り交じって学ぶミディアムサイズの総合大学であることが特長です。初年次の基礎共通科目の一つ、共通基礎演習では学部の枠を超えて学生がゼミを構成し、多様性の中で刺激し合います。全学で推進する共通教育では、4回生までの成長段階に合わせ、所属学部に関係なく、社会で活躍するために必要な学びを用意しています。4年間の専門教育とともに重層的な教育で学生の成長を支援しています。
 また、高校と大学の学びを接続する場として、高校生が学生らとともに自分たちの研究や活動について発表、議論するリサーチフェスタを実施しています。昨年はコロナ禍においてオンライン開催となりましたが、探究型の学びを行う高校生と甲南大生が共に成長する場になっています。

―どのような学生に学んでほしいか。

 自分は何者で、どこを目指していくべきなのか、そしてどのような選択肢があるのだろうと将来に不安を持っている学生にこそ本学に来ていただき、自身の伸びしろを実感してほしいと考えています。

在学生からのメッセージ

社会に役立つ技術習得

フロンティアサイエンス研究科 生命化学専攻修士1年 山之内沙綾さん

 1年次から専門的な講義や実験を学べることに魅力を感じ、フロンティアサイエンス学部を選びました。ナノからバイオまでさまざまな分野を学ぶことができ、それらが将来、人や社会に役立つ知識や技術につながると考えたことも理由の一つです。1年次から多く受講できる実験科目は少人数で行われ、分からないことを先生や先輩方に気軽に質問することができました。
 また、バイオ、ナノバイオ、ナノなど多様な分野にわたって学習することで視野も広がりました。将来、モノを研究・開発する仕事に携わりたいと考え、修士課程に進学しました。実験の技術や、それに関連する知識などを、より多く身に付けることが今の目標です。卒業後も研究・開発に取り組む仕事で、新しいことにチャレンジしていきたいと考えています。

掲示板

大学からのお知らせ

オープンキャンパス
7月11日(日)
9:30~12:30
14:00~17:00
8月1日(日)
9:30~12:30
14:00~17:00
9月26日(日)
9:30~12:30
14:00~17:00

いずれも3キャンパス同時開催、事前申込制

リサーチフェスタ

12月19日(日)10:00~16:20
 高校生と大学生、大学院生が研究活動を発表し議論する。

問い合わせ=アドミッションセンターTEL078・435・2319
詳細は本学HP「甲南Ch.」でご確認ください。

大学概要

住所 岡本キャンパス=神戸市東灘区岡本8の9の1
西宮キャンパス=西宮市高松町8の33
ポートアイランドキャンパス=神戸市中央区港島南町7の1の20
アクセス 岡本=阪急岡本駅徒歩10分
西宮=阪急西宮北口駅徒歩3分
ポートアイランド=ポートライナー京コンピュータ前駅(6月19日から計算科学センター駅に変更)徒歩4分
学部(本年度定員) 文学部(405人)、理工学部(155人)、経済学部(345人)、法学部(345人)、経営学部(345人)、知能情報学部(120人)、マネジメント創造学部(180人)、フロンティアサイエンス学部(45人)
教員 教授175人、准教授57人、講師7人、助教1人
在学生 8562人(5月1日現在)
ホームページ https://www.konan-u.ac.jp/

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