「新聞感想文コンクール」

がんばれ播州そろばん

大牧義生(おおまき・よしき) 小野市立市場小6年

「そろばんと言えば小野市」。ぼくの住む小野市の伝統産業の一つそろばんは、生産量日本一。全国シェアの70%を占めている。

 新聞で「そろばん」の記事を見つけたときに不思議に思った。そろばんの組み立てを何人かの外国人が見ていたのだ。最初は何かと思ったが、すぐにそろばんのことを勉強しに来たと分かった。

 記事を読むと、小野市で生産されるそろばんは「播州そろばん」と言い、世界に輸出されている。レバノンと南アフリカから今回そろばんの組み立て工場を見学に来たらしい。

 南アフリカは何となく分かるが、レバノンっていったいどこだろう。地図帳で見ると日本から8700キロメートルもはなれていた。南アフリカはさらに遠い。そんな遠い国の人たちが、そろばんの組み立てを勉強しに来ているのだ。さらにびっくりしたのが、レバノンから来た元数学教師のハムザさんは、13カ国で188のそろばん教室を開いていることだ。つまりそれだけ多くの国で、そろばんを使って学習している人がいる。何となく使っていたそろばんがすごい道具に思えてきた。

 ぼくは3年生の時、学校の授業でそろばんを組み立てた。はじめは難しそうだなと思ったが、職人さんが丁ねいに教えてくれたので楽しく作ることができた。特に楽しかったのは、そろばんの玉を入れる作業だ。枠にひごをさしたまま、そろばん玉がたくさん入っている箱に入れる。左右にガサガサふると四つの玉が一気に入る。作業は、いそがしかったけどとても楽しかった。そして自分の作ったそろばんで練習もした。

 小野市には、市内の3・4年生が使うそろばんテキストがある。大変だけど3年生の冬には、市内の3年生全員が参加するそろばん大会があるので一生けん命練習をした。初めてのそろばんだったが、スラスラと問題が解けたのでうれしかった。世界中にも、そろばんを使って学習している人がいると思うと不思議な気分だ。新聞の中に「播州そろばんを残すため、今後も海外に販路を開拓していきたい」とあったのも気になった。そう言えば、ぼくはそろばん教室に通って計算がさらにできるようになったけど、ずっとそろばんを使っている人は少ないのかもしれない。

 昭和35年の最盛期には年間360万丁を製造していた小野市は、現在年間53万丁で、約7分の1の生産になっている。そろばんの組み立てをしている工場も減っているそうだ。

 少し不安になることばかりだが、よいこともある。最近ではそろばんで脳トレが期待され、判断力や記おく力が向上するというものだ。習い事では、今でも人気が高い。江戸時代から現代まで続く工芸品なのに、世界からも注目され、そろばんを学ぶ人が増えているのはこのためかもしれない。そう考えると、そろばんは古い道具ではなく、最新の脳科学を実証できる道具なのかもしれない。だとすると、播州そろばんの未来も広がるはずだ。


(8月25日付 神戸新聞から)
「がんばれ播州そろばん」



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 審査委員長講評 「読む。豊かな未来のために」


部門 受賞者(敬称略)
学校名・学年
作品の題名
神戸新聞社賞 小学校 1・2年 有本 理玖
関西学院初等部1年
「いっしょうのともだち」
小学校 3・4年 小西  舞
神戸市立高丸小学校4年
「平和をつくるって?」
小学校 5・6年 大牧 義生
小野市立市場小学校6年
「がんばれ播州そろばん」
中学 上山 翔悟
高砂市立高砂中学校1年
「生き物との共生」
高校 黒石 莉央
兵庫県立西宮甲山高等学校2年
「生きるということ」
兵庫県知事賞 小学校 1・2年 金澤 瑞輝
姫路市立香呂小学校2年
「ひょうごに新しゅの化石出げん!!」
小学校3・4年 藤原 菜杏
神戸海星女子学院小学校3年
「日本発祥 母子手帳」
小学校5・6年 谷口 加奈子
神戸市立池田小学校5年
「少子化について」
中学 桾本 紫月
加東市立東条中学校3年
「将来のために」
高校 高司 暖子
雲雀丘学園高等学校2年
「地方紙の魅力」

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