「新聞感想文コンクール」

生き物との共生

上山翔悟(うえやま・しょうご) 高砂市立高砂中1年

 「ムクドリ大群音波で一掃」。国宝姫路城へつながる大手前通りが、これでやっときれいになるんだ。この見出しを見た時、僕はとてもうれしかった。歴史が好きな僕は、いろいろな城を巡っている。今まで訪れた城の中でも、姫路城は一位、二位を争うほど好きな城だ。その姫路城への道が、ムクドリのフンで汚れていることを以前からとても残念に思っていた。だから、「よしっ」という思いで一気に記事を読んだ。

 読み終わった時、一つの言葉が僕の心にひっかかった。「共生の道」。ムクドリをどうやって一掃するかではなく、いかにムクドリと「共生」していくか。いったいどういうことなんだろう。そもそもムクドリのフンや鳴き声に悩んでいるのが三十年来であるならば、それ以前はどうだったのだろうか。そこで僕はムクドリについて、調べてみることにした。

 ムクドリは、かつては河原の広葉樹や大きな農家、農耕地など、人があまり通らない場所に生息していたが、開発によるすみかの減少で、近年では都市部の街路樹などにねぐらをとるようになってきた。もともとは、農作物に害を及ぼす虫を食べる、「益鳥」とされており、害虫駆除にかかる費用面での国家にもたらす利益の大きさから「農林鳥」とたたえられたほどであった。

 僕は驚いた。今まで、迷惑だと思っていたムクドリは、昔は「益鳥」として歓迎されていた鳥だったのだ。そして何よりショックだったのは、ムクドリが駅前のロータリーや街路樹などに集まるようになった原因が、人間による生息環境の破壊だということだ。日中は農耕地でえさ(人間にとっての害虫)をとり、夜は森や竹やぶで集団ねぐらをつくるという人間にとってもムクドリにとっても好ましい環境を破壊してしまったのが人間だったなんて。僕は、今まで「いやだな。どこか森にでも行けばいいのに」と思っていたことを謝りたい気持ちになった。それと同時に、人間にとって便利で住みよくなる開発が、他の生き物にとっては今までのすみかを奪ってしまうような環境破壊につながってしまうんだということに気がついた。

 僕は、この新聞記事を読んで、ムクドリによるフン害や騒音は確かに悩ましい事だけれど、人間によってすみかを奪われたムクドリを一掃することだけを考えるのは人間の勝手だと思った。すみかのないムクドリが違う場所にすみかを求めるのは当然のことだ。人間にとってもムクドリにとっても住みよいねぐらを考えていく、「共生」が必要だと思う。人間とムクドリが「共生」できる環境が整えばこんなに素晴らしいことはない。そして、今後、人間は自分たちにとって便利だからという理由だけで、開発を進めていってはいけないと思った。地球は、生き物すべてのものであり、人間だけのものではない。人間とすべての生き物が「共生」できる地球を守っていかなければならないと強く思った。


(6月19日付 神戸新聞から)
「生き物との共生」



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 審査委員長講評 「読む。豊かな未来のために」


部門 受賞者(敬称略)
学校名・学年
作品の題名
神戸新聞社賞 小学校 1・2年 有本 理玖
関西学院初等部1年
「いっしょうのともだち」
小学校 3・4年 小西  舞
神戸市立高丸小学校4年
「平和をつくるって?」
小学校 5・6年 大牧 義生
小野市立市場小学校6年
「がんばれ播州そろばん」
中学 上山 翔悟
高砂市立高砂中学校1年
「生き物との共生」
高校 黒石 莉央
兵庫県立西宮甲山高等学校2年
「生きるということ」
兵庫県知事賞 小学校 1・2年 金澤 瑞輝
姫路市立香呂小学校2年
「ひょうごに新しゅの化石出げん!!」
小学校3・4年 藤原 菜杏
神戸海星女子学院小学校3年
「日本発祥 母子手帳」
小学校5・6年 谷口 加奈子
神戸市立池田小学校5年
「少子化について」
中学 桾本 紫月
加東市立東条中学校3年
「将来のために」
高校 高司 暖子
雲雀丘学園高等学校2年
「地方紙の魅力」

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