「新聞感想文コンクール」

将来のために

桾本紫月(くぬぎもと・しづき) 加東市立東条中3年

 今年の日本国内のニュースで、おそらく上位にランクインすると思われる「安保法案」。連日、これだけテレビや新聞で大きく取り上げられると、私たち中学生にもこの国の行方が気になるところです。戦後70年という節目の年を迎え、二度と過ちを繰り返さぬようにとの誓いを新たにする一方で、専守防衛の自衛隊を海外にまで送り出すことを可能とするこの内容は、どう考えても矛盾しているのではないでしょうか。「できれば戦争のない時代に生まれたかった」と口をそろえて話される戦争体験者の目に、この法案はどのように映っているのでしょうか。

 日本は幸いにも島国なので、陸続きの国々が抱えるような国境をめぐる争いはありませんが、それでも北は北方領土、西は竹島、南は尖閣諸島と、領土をめぐる争いは確かに存在します。特に最近の中国は、南シナ海での埋め立てや日中中間線付近でのガス田開発など、強引な海洋進出が目立つので、考えたくはないですが、どうしても「戦争」という最悪のシナリオが浮かんでしまいます。

 国会で安倍総理は、この法案が「戦争法案」ではないことを強調されます。確かに好んで戦争をしたい人は、世界中どこを探してもいないでしょうし、日本のリーダーとして、あえて国民を危険にさらすことが目的ではないことも理解できます。しかし、なぜ今こんな議論が必要なのでしょうか。ノーベル平和賞にノミネートする動きがあったほどの「平和憲法」を、あえて改正しようとする意図がどこにあるのか理解できません。多くの憲法学者も違憲だと言い切るこの法案に何の意味があるのでしょうか。それこそ、このような国の存亡に関わるような重大な法案は、大阪市が「大阪都構想」をめぐって住民投票をしたように、国民投票に判断を委ねてほしいものです。

 国会では国民の理解が必ず得られるというような強気の発言もありますが、国民の理解を求めようとする動きは感じられないし、国会で形式だけの討論を済ませ、あとは民主主義の名を借りた多数決しか見えてきません。私には沖縄の航空自衛隊に伯父がいるので、なおさら心配になります。自衛隊が本来の目的である「自衛活動」に徹するうちはいいですが、いつでも武力行使可能な「自衛隊」になれば、周辺国の対応も変わり、リスクを抱えることになります。

 人にはそれぞれ考え方があります。法案に賛成の方もいるでしょうから、全ての国民が納得できる形にすることは不可能だと思いますが、どうか討論を尽くしてほしいと、一国民として思います。もうすぐ私にも選挙権が与えられます。無関心でいても法律は期限がくれば施行されます。だからこそ、これからの少子高齢化社会を支える私たち若者が、無関心でいてはいけない、と強く感じます。


(7月16日付 神戸新聞から)
「将来のために」



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 審査委員長講評 「読む。豊かな未来のために」


部門 受賞者(敬称略)
学校名・学年
作品の題名
神戸新聞社賞 小学校 1・2年 有本 理玖
関西学院初等部1年
「いっしょうのともだち」
小学校 3・4年 小西  舞
神戸市立高丸小学校4年
「平和をつくるって?」
小学校 5・6年 大牧 義生
小野市立市場小学校6年
「がんばれ播州そろばん」
中学 上山 翔悟
高砂市立高砂中学校1年
「生き物との共生」
高校 黒石 莉央
兵庫県立西宮甲山高等学校2年
「生きるということ」
兵庫県知事賞 小学校 1・2年 金澤 瑞輝
姫路市立香呂小学校2年
「ひょうごに新しゅの化石出げん!!」
小学校3・4年 藤原 菜杏
神戸海星女子学院小学校3年
「日本発祥 母子手帳」
小学校5・6年 谷口 加奈子
神戸市立池田小学校5年
「少子化について」
中学 桾本 紫月
加東市立東条中学校3年
「将来のために」
高校 高司 暖子
雲雀丘学園高等学校2年
「地方紙の魅力」

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