「新聞感想文コンクール」

地方紙の魅力

高司暖子(たかじ・ひなこ) 雲雀丘学園高2年

 暮らしをリセットする。そんな経験をしたことはありますか。初めての土地で見知らぬ人びとと、ゼロからスタートするような。

 わたしたち家族は、父の転勤のため、全国のいろいろな町で暮らしてきました。引っ越しするとすぐ、これから住む地域の新聞、地方紙の配達をお願いします。地方紙を読みながら、その土地の風を自分のペースで感じ、日常生活の知恵を借ります。

 新しい暮らしを始めたころは、人の話しやテレビなどから聞こえてくる知らない単語に、ハッとすることがあります。例えば兵庫県のしそう、すもと、などの地名。「どう書くのだろう」。新聞の活字で、宍粟、洲本、と見つけたときはうれしくて、家族に報告しました。地域ならではの発見を求め、家族で地方紙を囲むのは、わが家独特の習慣でしょう。

 ここ兵庫で、一人ひとり、心の寄せかたは違っても、それぞれに思う阪神・淡路大震災のこと。あの日からの20年を、いっぱいにつづった紙面に出合いました。その中に、地震の被害を受け、新聞の発行が困難になった神戸新聞社が、「災害時協定」を結んでいた京都の地方紙、京都新聞社の協力を得て、一日も休まず、震災当日の夕刊を発行した、とありました。兵庫のみんなのために駆け回る、記者さんや印刷担当さん、新聞を出そうとする人たちを想像すると、記事を読む目に、じわりと力が入りました。地域の人びとが、早く実情を知りたい瞬間に即応する、地方紙の底力を感じました。

 この震災を機に、「災害時協定」を結ぶ、地方紙の新聞社が増えたそうです。新潟で起きた中越地震や東日本の震災では、その効果を発揮。地域に根ざした販売店網を生かして集めた、地元被災者の安否情報や、細かな災害情報を満載し、地方紙は人びとに争って読まれたそうです。心強いです。ふだんはもの静かで、暮らしの中に溶け込んでいる印象の新聞ですが、何か起きたときには、ひときわ大きな力をみせてくれます。

 地元の旬を取り入れた、バランス良い読み物。決まったスペースに、話題がいくつも詰まっている。地方紙はまるで、愛情のこもった手作り弁当のようだとは思いませんか。とはいえ、誰しも多少は好き嫌いがあるので、食べ慣れない食材や、堅い食材は敬遠しがち。慣れない食材、経済面。ご当地風の味付けで読みやすくなっています。堅い食材、政治面。なじみやすい表現法で、柔らかく仕上がっています。さらに身近な地域欄では、地元産のとれたての素材が使われ、格別に読みたい気持ちをそそります。地域のみなさんの快適な暮らしをイメージして、心をこめて、手作りされています。これが、地方紙の魅力です。

 みなさんそろって、新鮮なうちに、ぜひお読みになってください。

(1月17日付 神戸新聞から)
「地方紙の魅力」



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 審査委員長講評 「読む。豊かな未来のために」


部門 受賞者(敬称略)
学校名・学年
作品の題名
神戸新聞社賞 小学校 1・2年 有本 理玖
関西学院初等部1年
「いっしょうのともだち」
小学校 3・4年 小西  舞
神戸市立高丸小学校4年
「平和をつくるって?」
小学校 5・6年 大牧 義生
小野市立市場小学校6年
「がんばれ播州そろばん」
中学 上山 翔悟
高砂市立高砂中学校1年
「生き物との共生」
高校 黒石 莉央
兵庫県立西宮甲山高等学校2年
「生きるということ」
兵庫県知事賞 小学校 1・2年 金澤 瑞輝
姫路市立香呂小学校2年
「ひょうごに新しゅの化石出げん!!」
小学校3・4年 藤原 菜杏
神戸海星女子学院小学校3年
「日本発祥 母子手帳」
小学校5・6年 谷口 加奈子
神戸市立池田小学校5年
「少子化について」
中学 桾本 紫月
加東市立東条中学校3年
「将来のために」
高校 高司 暖子
雲雀丘学園高等学校2年
「地方紙の魅力」

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