「新聞感想文コンクール」  

姉の涙と甲子園

田尻雅土(たじり・まさと) 加東市立東条中学校 1年

「わぁ!ホンマに姉ちゃんや!」
神戸新聞の記事を読んで僕は声をあげた。新聞に載る前から僕の姉が休日も関係なく朝早く
から学校へ行っていることは知っていたし、度々大会や練習で兵庫県内の各地へ行ったり、今
年の夏休みも東京や広島などへ行っていたことも知っていた。ただ「放送部」の部員ということだけで、姉がどんな活動をしているのか詳しくは知らなかった。
 「姉ちゃん、新聞に載ってすごいな!姉ちゃん、おめでとう!」
と僕が言うと姉はうれしそうだった。

 「選手へのエールを込めて元気に明るく。」
と記事が載った二日後、全国高校野球選手権大会の開会式をみに阪神甲子園球場へ向かった。

 僕は小学一年生から野球を始め、中学校でも野球部で頑張っている。高校球児への応援で
はなく、開会式の司会進行を務める姉への応援は不思議な気持ちだったけど、あの大きな球場
中に姉の優しい聞きなれた声が響きわたった時に、暑さを忘れて感動した。きれいなアナウン
スだった。野球をしている僕にとって甲子園出場はあこがれであり夢でもある。甲子園球場のグラウンドに高校の制服姿で白い帽子をかぶって立つ姉の姿を応援スタンドからみた時、姉がものすごく遠い人に感じた。

 「新聞は不思議だ。」
と僕は思った。姉が残した成績や結果だけを伝えてくれるだけではなく、家族でさえ知らなかった姉の一面をこの記事は伝えてくれた。どんな結果であっても普段は泣かなかったこと。良きライバルがいたこと。しかも同じ学年に、同じ部活動に、同じアナウンス部門に。姉にそのライバルに負けたくないという思いがあったこと。また、そのライバルと日本一をかけて全国決勝の場であるNHKホールで競ったこと。日本一になったライバルの表彰を見て最後に泣いてしまったこと。いつも一緒に生活している姉のことなのに、僕は何ひとつ知らなかった。家での姉は、いつも優しくてよく笑い競争心などまるで感じさせない。僕と姉は今まで一度もケンカなどしたことがない仲良しだ。

新聞は事実を伝えるだけでなく、その事実にまつわる人の内面までも上手く伝えてくれるものだとわかった。新聞の不思議ですごいところだと感じた。それは、人の手で作られているからだと思った。そう思ったのは、
「記者の吉田さんに感謝やわ。」
とこの記事を読んで涙目になりながらつぶやいていた姉を見たからだ。僕もいつか僕の実力で姉のように記者の方から取材してもらえるよう、毎日の学校生活や部活動をしっかりと頑張っていきたい。


(8月5日付 神戸新聞から)
「姉の涙と甲子園」

 

※作品の題名をクリックすると神戸新聞社賞と県知事賞の作品を読むことができます。

審査委員長 秋田久子教授 講評 「気付き」、自分の言葉で残す  
部門 受賞者(敬称略)
学校名・学年
作品の題名
神戸新聞社賞 小学校 1・2年 羽田 晨之介
(はねだ しんのすけ)
神戸市立白川小学校2年
「がんばれ小さないのち」
小学校 3・4年 志比田 麗
加古川市立氷丘小学校3年
「しあわせ運ぶ宅急便」
小学校 5・6年 武田 紅葉
淡路市立学習小学校5年
「生き生き社員食堂」
中学 田尻 雅土
加東市立東条中学校1年
「姉の涙と甲子園」
高校 西尾 愛衣
関西学院高等部2年
「もう一度やりたい」
兵庫県知事賞 小学校 1・2年 矢本 杏璃
三田市立すずかけ台小学校2年
「おぼれたときのあいことばは『ういてまて』」
小学校3・4年 川上 紗季
豊岡市立日高小学校4年
「出産出来る病院がへっている」
小学校5・6年 谷口 向日葵
愛徳学園小学校6年
「傘に思いをのせて」
中学 泉 ひのわ
神戸市立布引中学校1年
「前向きに考えよう」
高校 柴田  華 
兵庫県立神戸高等学校1年
「今 私にできることは」

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