「新聞感想文コンクール」  

前向きに考えよう

泉ひのわ (いずみ・ひのわ) 神戸市立布引中学校 1年

私の誕生日は八月二十六日だ。

 しかし、私の母子手帳には「予定日・十月二十三日。妊娠六ケ月時、胎盤後血腫で入院。八月二十四日、自宅にて前期破水。加古川市民病院NICUへ救急搬送。八月二十六日、三十一週で帝王切開。千三百二十グラム。」と書かれている。

 つまり私は、三十七週未満で生まれて、体重が千五百グラム未満だったので、早産児で極低出生体重児と言われる赤ちゃんだったそうだ。

 生まれてすぐ体の水分が出てしまうので、体重は九百グラムまで減って、黄疸という症状も出て、未熟児網膜症の危険があるので目に保護パッドを貼り、二ケ月間保育器に入れられてずっと入院していたそうだ。

 だから、両親や祖父母や親せきはすごく心配したらしいし、私の兄の時は、何も問題なく普通に安産だったそうなので、身内の中には「なぜこの子はこんなに早く小さく生まれたのか。妊娠中に無理したんじゃないのか。」などと母に言ってくる人もいたそうだ。

 母は、お医者さんからは「よくあることだし、お母さんが悪いわけじゃないから気にしないで。赤ちゃんは小さくても元気だから大丈夫ですよ。」と言ってもらっていたけど、病院へ面会に来て、保育器から出られず、色んな管に繋がれて、なかなか体重も増えない私を見ると、どうしても「自分のせいで苦しい思いをさせて申し訳ない。」と感じてしまって、涙がこぼれたと言っていた。

 無事退院してからも、周りからは「小さいから体が弱いんじゃないの?」とか「これから大きく成長できるの?」などと言われることが多く、母は私を連れて外出するのが辛かったそうだ。

 けれど、私が退院して半年ぐらいした時に、母の親友が出産のお祝いに会いに来てくれて、その人に「赤ちゃんが小さいなんて、誰のせいでもないんだから気にしちゃだめ。小さくて軽い赤ちゃんだと、大きくなっても長い間ずっと抱っこできるじゃない。ゆっくり大きくなってくれるから、可愛い赤ちゃん時代をたっぷり楽しめてうらやましいよ。」と言われたそうだ。

 母は、私のことでずっとネガティブなことを言われてきたから、この人の「小さいから良いこともある。」という考えやことばにすごくはげまされたと言っていた。

 今も私は、平均よりずっと小さいけど、両親は「あと五年は抱っこできる。」と楽しそうに話していて、私も自分が小さいことをネガティブに考えないようになったので、母の親友の人の温かい言葉に今も感謝している。


(3月13日付 神戸新聞から)
「前向きに考えよう」

 

※作品の題名をクリックすると神戸新聞社賞と県知事賞の作品を読むことができます。

審査委員長 秋田久子教授 講評 「気付き」、自分の言葉で残す  
部門 受賞者(敬称略)
学校名・学年
作品の題名
神戸新聞社賞 小学校 1・2年 羽田 晨之介
(はねだ しんのすけ)
神戸市立白川小学校2年
「がんばれ小さないのち」
小学校 3・4年 志比田 麗
加古川市立氷丘小学校3年
「しあわせ運ぶ宅急便」
小学校 5・6年 武田 紅葉
淡路市立学習小学校5年
「生き生き社員食堂」
中学 田尻 雅土
加東市立東条中学校1年
「姉の涙と甲子園」
高校 西尾 愛衣
関西学院高等部2年
「もう一度やりたい」
兵庫県知事賞 小学校 1・2年 矢本 杏璃
三田市立すずかけ台小学校2年
「おぼれたときのあいことばは『ういてまて』」
小学校3・4年 川上 紗季
豊岡市立日高小学校4年
「出産出来る病院がへっている」
小学校5・6年 谷口 向日葵
愛徳学園小学校6年
「傘に思いをのせて」
中学 泉 ひのわ
神戸市立布引中学校1年
「前向きに考えよう」
高校 柴田  華 
兵庫県立神戸高等学校1年
「今 私にできることは」

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