「新聞感想文コンクール」

アフガン政権崩壊とぼくの国際支援

河野克彦(かわの・かつひこ) 蒼開中1年

 今年の4月、ぼくは6年間使っていたランドセルをアフガニスタンに送った。父から、「アフガニスタンは、イスラム原理主義のタリバンの影響や内戦のため、子どもたちや女性がきちんと学校に通えず、支援が必要な状況だ」と聞いたからだ。
 しかし、8月16日、ガニ大統領が首都カブールから脱出し、タリバンが国土全体の征服を宣言した。これからのアフガニスタンがどうなるか気になっている。
 新聞やニュースで調べてみると、タリバンが侵攻していく速さと、市民の表情や行動が気になった。アメリカが撤退を進め後ろだてがなくなり、いっきに崩れた政府軍の意識の低さともろさもあるが、タリバンを支援する側の勢いを感じた。また、タリバンが侵攻した町の市民の表情はうれしそうに見えるが、脱出しようと空港におしよせたり、制圧されてすぐのカブールで、タリバンの旗を売り出した商人の様子などを注意深くみてみると、タリバンを歓迎しているのではなく、殺されないようにと取り繕っているだけのように感じている。タリバンの極端な差別や弾圧といった過去の悲劇が忘れられていない証だろう。
 今後、アフガニスタンからアメリカが撤退し、タリバンが支配するということは、その国に自由や民主主義は存在せず、独裁が進み、宗教と弾圧に基づく中国・ロシアよりの支配が続いていくことになる。そうなると、世界のパワーバランスがますます崩れ、20年以上続いてきた日本とアフガニスタンの関係も悪くなってしまうのが心配だ。
 東京外国語大学大学院教授の伊勢崎賢治氏は、「アフガン政府とタリバンがどのように国家を造っていくかを見守らず、駐留軍の撤退だけを急いだのは、あまりにも無責任だ」と紙面に投稿していた意見に納得している。しかし、日本政府もアフガニスタンでの戦争で、海上自衛隊を派遣し、米海軍への給油活動を行っていたことを知った。そのため、日本にも責任があるのかもしれない。国同士のつながりは減るかもしれないが、民間での人と人の交流を続けていくべきだと思う。
 ぼくの送ったランドセルがどうなったか気になって調べてみると、5月中旬にはイスラム教に配慮した検品と梱包作業が終了し、6月下旬に横浜港を出発したそうである。予定では7月にパキスタンのカラチに到着し、荷揚げが行われ、陸路でアフガニスタンのナンガハール州に運ばれることがわかった。現地の小学校には新学期以降の10月ごろから順次配付される予定と記されていた。
 アフガニスタンは日本から6千キロも離れた国だが、おたがいの状況が変わろうとも、身近な取り組みで未来へつなげることができると思っている。これからも少しでも多くの子ども達が安心して暮らしていくための協力や支援があればしていきたい。


(8月17日付の神戸新聞・朝刊から)
「アフガン政権崩壊とぼくの国際支援」「アフガン政権崩壊とぼくの国際支援」

※題名をクリックすると講評と神戸新聞社賞・県知事賞の作品を読むことができます。

<審査委員長> 兵庫県NIE推進協議会 秋田久子会長 講評

コロナ禍通じ 社会への関心高く
部門 受賞者(敬称略)
学校名・学年
作品の題名
神戸新聞社賞 小学校1・2年 遠藤 実穂
西脇市立重春小学校・1年
「わくわくのみずたまいっぱい」
小学校3・4年 宮崎 りの
たつの市立揖保小学校・3年
「土用の丑とSDGs」
小学校5・6年 小柳 暖乃
神戸市立井吹の丘小学校・5年
「サル社会 初の『女性トップ』」
中学生 河野 克彦
蒼開中学校・1年
「アフガン政権崩壊とぼくの国際支援」
高校生 桑野 葵
神戸山手女子高等学校・3年
「思いをつなぐ使命」
兵庫県知事賞 小学校1・2年 有本 眞麻
関西学院初等部・2年
「わたしもやくに立てるかな」
小学校3・4年 前中 愛美
神戸海星女子学院小・4年
「障がいがある子もない子も遊べる『インクルーシブ遊具』広がる」
小学校5・6年 原田 京珠
神戸市立舞多聞小学校・6年
「『あの日を背負って』を読んで」
中学生 志賀 〓音 (注)〓は「伶」のつくりの下が「マ」
賢明女子学院中・3年
「シンコと共に生きる」
高校生 片瀬 奏磨
報徳学園高・2年
「長崎を最後の被爆地に」
 

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