NISA,メリット,デメリット,特徴
(画像=PIXTA)

近年は老後不安が話題となり、将来のための預金や投資など、自身で資産形成する方法を考えている人が増えています。その中でもよく耳にするのが「NISA」です。NISAは個人の安定的な資産形成を促進するために、国が定めたお得な非課税制度で、仕組みを理解して、ぜひ活用したいところです。

名前は知っているけれど内容をあまりよく理解していないという方に向けて、NISA制度の概要やメリット・デメリット、そして今日から始められる口座開設の方法までわかりやすく解説していきます。

目次

  1. NISA(ニーサ)ってなに?どんな制度?
  2. NISAの3つのメリットとは?
  3. NISAのデメリットとは
  4. NISAのタイプは3種類
  5. NISAで確認しておきたい注意が必要なポイントは?課税の負担も?
  6. 5年間の非課税期間が間近の時の3つの選択肢とは?
  7. 2024年から始まる新NISA制度とは?
  8. NISAの利用をおすすめできる人
  9. NISAを始めてみよう!手続きの流れ
  10. NISA口座におすすめのネット証券徹底比較
  11. NISAのメリットを理解して少額から始めてみよう
  12. NISAに関するよくあるQ&A

NISA(ニーサ)ってなに?どんな制度?

「NISA」とは、株式投資を行う際にかかる税金が非課税になるという制度です。年間での投資金額の上限や非課税となる期間に制限がありますが、広く国民が利用できるような制度を国が定めました。投資によって得られる利益に対して、他の投資では課税される利益への税金が非課税となるため、資産形成にたいへん有利で、多くの人が利用しています。

この「NISA」には「一般NISA」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」といった3種類があり、自分に合った方法を選べる点も、投資初心者にはありがたい制度です。3種類のNISAの違いについては後述します。

まず「NISA」とは何か、解説していきたいと思います。

NISAとは期間限定の少額投資優遇制度

「NISA」、正式には「少額投資非課税制度」といい、投資による利益にかかる税金の優遇制度です。通常の投資では、売買益や配当に対しては、20.315%の税金がかかりますが、「NISA」では条件を満たしている場合は、税金がかかりません。

▽投資における税金の例
【通常の場合】 利益100万円×20.315%=税金203,150円
【NISAなら】 利益100万円×0%=税金0円

NISAは、期間と投資金額に上限はあるものの、投資による利益を非課税で受け取ることができます。運用において非課税となる期間には期限があるので、十分にポイントをおさえておくことも重要です。

NISAの3つのメリットとは?

ここからは「NISA」のメリットについて詳しく解説します。「NISA」を始めるにあたり、大きく3つの点について、ぜひ確認しておきましょう。

NISAのメリット
  1. 投資で得た利益や配当金・分配金がすべて非課税となる
  2. 非課税期間内に売却すれば税金はかからない
  3. 少額から購入できる

1.投資で得た利益や配当金・分配金がすべて非課税となる

「NISA」では投資で得た利益や配当金・分配金はすべて非課税になります。「NISA」で利益を得る方法は簡単に言うと、「株式を売却して得る利益」と「株式を保有することで得る利益」の2つです。

譲渡益(売却で得る利益)
購入した株式や投資信託等が値上がりし、その後、それらの株式や投資信託を売却し、差額によって得られる利益です。「NISA」は購入より5年間の非課税期間がありますので、購入した年から最長で5年間、利益に対して税金がかかりません。

配当金や分配金による利益(保有による利益)
購入した株式や投資信託等を保有する期間に配当金や分配金を受け取った場合の利益です。

NISA以外で投資を行い、売買の差額(譲渡益)が10万円の時、そのうちの20.315%、つまり約2万円が税金として差し引かれ、手元に残る金額は8万円ほどになってしまいます。

当然、利益が多くなればなるほど、支払う税金額は大きくなるので、「NISA」はより多く利益を手元に残すことができ、効率よく取引できる賢い方法の1つです。資産を増やすためには、このようなコストをできるだけ抑えることも重要なポイントになります。

利益に対して税金がかからないので、税金分を資産にできることが「NISA」の一番の強みです。

2.非課税期間内に売却すれば税金はかからない

非課税で利益を受け取る方法
  1. 商品を売却する
  2. 翌年の非課税投資枠へ移す(ロールオーバー)
  3. 課税口座に移す

「NISA」の非課税期間は購入より5年間です。商品を購入した年より5年間は利益に対して税金はかかりません。購入より5年経過した後は、次の3つの中から選択できます。

商品を売却する
資産を現金化したいと考える方は、商品の売却を考えるとよいでしょう。十分な差額(譲渡益)が得られている時や購入した商品にこれ以上の利益が見込めない場合も売却をするタイミングかもしれません。

翌年の非課税投資枠へ移す(ロールオーバー)
非課税期間が終了したけれど、まだ投資や運用を継続したいと思う人は、ロールオーバーがおすすめです。これは購入から5年経過したら、翌年の新規非課税投資枠へ乗り換え(ロールオーバー)れば、さらに5年間非課税期間が延長されることになります。

※後述しますが、「つみたてNISA」は元々の設定が20年と長いため、ロールオーバーはできません。

・課税口座に移す
期間終了後に何もせずに上記にある2つの手続きを行わない場合は、自動的に特定口座などの課税口座へ移行される仕組みになっています。

このとき適用されるのは、NISA口座で取得したときの価格ではなく、移管時の価格です。そのため、非課税期間が終わる際に保有している商品が、値上がりしているのか、値下がりしているのかによって、課税口座への移管後に支払う税金が変わります(詳しくは後述)。

購入時より売却時に値段が下がった場合には注意が必要です。この場合、損失が出ているので課税されることはないのですが、通常の投資の際に利用できる、損益通算が「NISA」ではできないことも念頭に入れておかなければなりません。

また、その後に運用で利益が出れば、NISA口座時の取得価格以下であっても利益が出たとみなされ、課税されることになります。

3.少額から購入できる

「NISA」、正式には「少額投資非課税制度」です。その名の通り少額から投資を始められる、初心者にとっては、投資を始めるきっかけにもなる、お得な制度になっています。

少額といっても、金融機関によって始められる額は異なりますが、「つみたてNISA」では最低の投資金額は100円からです。

「NISA」では、複数の商品の購入が可能です。非課税枠の範囲内の投資であれば、購入回数に制限はありません。そのため、自分が「これだ!」と感じた商品を複数回にわたって購入することも可能です。さらに、リスク回避のために、少しずつさまざまな複数の商品を購入することもできます。

自分の思い通りの方法で購入することができるので、損失を最小限に抑えつつ、リスクの分散もできるのが特徴です。

NISAのデメリットとは

ここからは、実際に「NISA」を始めるために知っておくべきデメリットについて解説していきます。デメリットを知ることで、通常の投資と「NISA」の違い、自分がどのような投資方法が向いているか見えてくるでしょう。

NISAのデメリット
  1. 他の口座の利益と損益通算ができない
  2. 損失の繰越控除ができない
  3. 非課税枠の再利用や繰越ができない
  4. 担保(=代用有価証券)にできない

1.他の口座の利益と損益通算ができない

「NISA」での損益は、他の特定口座や一般口座で相殺できそうな損益が発生しても、それらを合算し、損益通算することができません

損益通算とは、複数口座で運用している場合に一定期間内で出た利益と損失を相殺することを言います。通常の投資の場合、2つの投資用口座の一方で利益が出て、もう一方で損失が出た場合、この2つの利益と損失を相殺して、最終損益に税金がかけられます。

例えば、口座Aでは100万円の譲渡益が得られた一方で、口座Bでは50万円の損失が出てしまいました。この場合、口座Aの譲渡益100万円から口座Bの損失50万円を差し引いた額、つまり50万円の利益に税金がかけられるということになります。

100万円(利益)×20.315%=203,150円の税額とはならず、相殺後の50万円×20.315%=101,575円の税金となるのです。

NISA口座の損益は、他の投資口座で相殺できそうな損益が発生しても、合算することができません。簡単に例を上げると、「NISA口座で50万円の損失」と「特定口座で50万円の利益」があっても、特定口座の50万円(利益)に対し20.315%の税金がかけられることになります。

2.損失の繰越控除ができない

「NISA」では損失の繰越控除ができません。「NISA」では損失に対してのリカバリーが乏しい点が大きなデメリットと言えるでしょう。通常の投資では、投資により損失が発生してしまった場合に、確定申告をすることで、その年の損失を3年間繰越控除することができます。

この繰り越した損失は、翌年以降の利益と相殺可能です。利益を減らすことで、課税される税金を少なくすることができます。

株で損失が出てしまった時は、少し面倒ですが確定申告をして繰越控除を受ければ、課税額を減らすことができるのです。繰り越した年と以降3年間は株の取引の有無に関わらず確定申告が必要になりますが、このような細かいケアが後の利益につながるでしょう。

3.非課税枠の再利用や繰越ができない

「NISA」では、非課税枠の再利用・繰り越しができません。「NISA」の非課税枠の条件として設定された年間120万円の非課税投資枠は、新規での投資が条件となりますので、非課税枠の再利用はできないことになっています。

例えば、2022年の1年間に120万円の限度額で4つの金融商品A:30万円 / B:30万円 / C:30万円 / D:30万円をそれぞれ購入したとします。

購入した年つまり2022年の間に、AとB(60万円分)を売却しました。すると120万円-60万円分=60万円分の枠が空になります。しかし、この空枠60万円分の枠を再利用して新たに60万円分の投資を行うことはできないのです。

また、年間に120万円に満たない非課税枠での投資を行った場合にも、残りの枠を翌年に繰り越すこともできません。

具体的には、2022年に100万円分の投資を行い、残りの20万円分は何も購入しなかったとします。この場合、余った20万円分の非課税枠を翌年に繰り越し非課税枠を140万円(翌年の非課税枠120万円+余った20万円)にすることはできないので注意が必要です。

4.担保(=代用有価証券)にできない

「NISA」で購入した金融商品は、担保にできないことになっています。一般的に代用有価証券とは、信用取引などで担保として用いられる株式などの有価証券を指します。信用取引とは、担保を証券会社に預けてお金を借りて行う取引のことです。

担保または委託保証金などとも言われ、現金のほか株式なども代用して使用することもあります。しかし、NISA口座で購入した株式は、信用取引で代用有価証券として使用することはできません。

NISAのタイプは3種類

「NISA」には「一般NISA」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」といった3種類のNISAがあり、それぞれ非課税になる期間や購入金額の上限が定められています。それでは、各「NISA」の特徴や条件などを解説していきます。

3種類のNISA
  1. 一般NISA
  2. つみたてNISA
  3. ジュニアNISA

1.一般NISA

「一般NISA」は、投資可能期限が2023年まで、非課税期間は購入後5年、年間の非課税投資額は120万円で、保有できる投資総額は最大で600万円までとなっています。

「一般NISA」で取引可能な金融商品は、株式投資信託や国内/海外株式、国内/海外ETF、ETN(上場投資証券)、国内REIT(J-REIT)、海外REIT、新株予約権付社債(ワラント債)で、投資できる金融商品の種類が豊富なことも大きなメリットです。

※「新NISA」では投資可能期限は2023年から2028年までに延長されています。詳しくは後述します。

「一般NISA」の口座を利用することで、これらの金融商品に対しての利益や配当、分配金などは5年間、非課税で受け取ることができます。

さらに、「一般NISA」では、売却や資金の引き出しは自由にいつでも行うことが可能です。一般の定期預金や年金保険などとは違い、いつでも引き出すことができるので、いざお金が必要になった場合にも安心して利用できます。そのため、自身で運用資金をコントロールしたい投資経験者の人にも利用しやすい制度です。

つまり、投資のタイミングや商品などがよくわからないと言った、いわゆる投資初心者の方には「つみたてNISA」の方がおすすめでしょう。

つみたてNISA

「つみたてNISA」とは、2018年より開始された制度です。少額で長期間、積み立てによる分散投資ができるため、投資初心者に向いています。2014年に開始された「一般NISA」では、金融商品の豊富さゆえに、どの商品を購入すればよいかわからない人が多く、金融知識の少ない初心者には手を出しづらいものになっていました。

そのため「つみたてNISA」では、投資できる金融商品を厳選し、年間の上限投資額も小さく設定しています。長期での資産形成に向く制度です

「つみたてNISA」は、投資可能期限が2042年(以前は2037年)までで、非課税期間は最大20年間、年間の非課税投資額は40万円で、保有できる投資総額は最大で800万円までとなっています。

「つみたてNISA」で取引可能な金融商品は、公募株式投資信託と上場株式投資信託(ETF)に限られており、商品は長期的な投資に向いているものが厳選されているので、投資初心者でも安心して始められることもメリットです。

また、資金をいつでも引き出すことは可能ですが、投資を行うタイミングや商品は一般NISAと異なります。

「つみたてNISA」では、その名の通り「積立投資」により、決められたタイミングで自動的に投資を行うことに限定されているのが原則です。長期間にわたり定期的に一定の金額で金融商品を購入することで、購入価格を平準化でき、最も高い値段で金融商品を購入してしまう高値掴みをすることを防ぐことができます。

市場は長期的に成長する傾向があるので、長い目で見ると利益が期待しやすく、投資初心者にはおすすめの制度です。

ジュニアNISA

前述した2種類のNISAは20歳以上を対象とした制度ですが、この「ジュニアNISA」は「未成年者少額投資非課税制度」といい、未成年を対象とした非課税制度です。2023年で制度の廃止が予定されていますが、2023年までは口座を開設することができます。

投資可能期限も2023年までで、非課税期間は最大5年間、年間の非課税投資額は80万円で、保有できる投資総額は最大で400万円までです。

「ジュニアNISA」では、株式投資信託、国内/海外株式、国内/海外ETF、ETN(上場投資証券)、国内REIT(J-REIT)、海外REIT、新株予約権付社債(ワラント債)が取引できます

投資目的として、子どもの教育資金のために、資産運用を考えている人にはおすすめできる制度です。ただし、教育用の資金運用を目的とした制度のため、「ジュニアNISA」はいつでも自由に引き出すことはできません。

口座の開設者、つまり未成年者が18歳になるまでは、払い戻しができないような仕組みです。途中で払い戻しを行ってしまうと、過去に非課税であった利益に対しても課税されてしまいます。また、口座開設後の金融機関の変更もできません。

ジュニアNISA口座を開設した本人が成人を迎えると、自動的に成人用のNISA口座を開設されます。また実際の資金運用は、親権者や祖父母などが代理で行うことが可能です。

さらに、新規投資可能期限の2023年までに18歳になっていない場合は、継続管理勘定といって、金融商品を18歳になるまで非課税で保有することができます。

なお、2023年でジュニアNISAは廃止となるため、既存のジュニアNISA口座は口座を廃止することで、全額を引き出すことが可能となります。

それぞれのNISAの違いについて

3種類の「NISA」にはそれぞれ特徴があるため、まずは、自分に合ったNISAを見極めることが大切です。各「NISA」の特徴をよく理解することで、自分に合った方法が必ず見つかるはずです。以下に簡単にまとめましたので、ご参考にしてみてください。

・「一般NISA」 : 投資経験があり、短期間で利益を出したい人やあらゆる商品の中から自分で見極めたい人、まとまった資金をお持ちの人。

・「つみたてNISA」 : 少しずつ積み立てをしたい人や長期的な資産運用を目的とした人、リスクを最小限にしたい人、投資初心者の人。

・「ジュニアNISA」 : 子どもの将来の教育資金を貯めたい人、子どもに資産運用を学ばせたい人。

NISAの6つの特徴とは?

「NISA」は条件額の範囲の投資で出た利益に対する税金が、一定の期間非課税になるという制度です。それぞれの「それぞれの「NISA」の特徴を簡単に説明しましたが、ここで、「NISA」をさらに詳しく、6つの特徴とともに、ご紹介します。

NISAの6つの特徴
  1. 日本在住の20歳以上が対象となる
  2. 1人1口座しか所有できない
  3. 非課税期間は最長5年間
  4. 上限投資額は120万円まで
  5. 非課税の対象は新規に購入した商品のみ
  6. 確定申告をする必要はない

1.日本在住の20歳以上が対象となる

「NISA」は日本にお住いの20歳以上の人が利用できる制度です。口座を開設する時点(その年の1月1日時点)で20歳以上の人を対象としています。

また、「一般NISA」は成人年齢引き下げによって2023年より、20歳以上ではなく、18歳以上からの利用が可能になり、「ジュニアNISA」で利用できるのは、0歳~17歳です。

2.1人1口座しか所有できない

「一般NISA」の口座は1人1口座の開設できます。また、「つみたてNISA」との併用はできず、年単位での切り替えしかできません。ご利用可能な金融機関も1つとなっています。各機関によって商品ラインナップも異なるので、注意が必要です。

開設後は1年に1回のみ、金融機関の変更が可能ですが、取引手数料も異なるため、慎重に行いましょう。また、すでに保有している株式などの商品を、NISAの口座に移すことはできません。1年に1度、口座の変更は可能ですが、面倒な手続きを行わなければいけないので、NISA初心者は、十分に調べてから口座を開設してください。

3.非課税期間は最長5年間

「一般NISA」の非課税期間は最長で5年間です。例えば、2022年に120万円の金融商品を購入した場合、5年後の2027年までは非課税で利益を受け取ることができます。2027年になった時点で商品を保有している場合、課税口座へ自動的に移行される仕組みです。

この時、もし課税口座に移されたくない場合には、ロールオーバーによって、翌年以降の非課税枠への乗り換えが可能となっています。

※「ロールオーバー」については後述しています。

4.上限投資額は120万円まで

「一般NISA」の投資可能額は年間で120万円までで、非課税投資額は最大で600万円のため、少額の商品から年間最大で120万円の商品を購入することが可能です。投資初心者であれば、少額の商品から購入し、運用に慣れていくことができる投資可能額といえるでしょう。

ただし未使用分の非課税投資額は翌年に繰越すことはできません。例えば、年間100万円の金融商品を購入した場合、その年の非課税投資額は20万円残っていますが、この20万円を翌年の非課税投資額へプラスし、非課税投資枠を140万円にすることはできないルールです。

なお「新NISA」ではこの投資可能額が変更になっています。詳しくは後述するので確認してください。

5.非課税の対象は新規に購入した商品のみ

NISAで非課税対象となるのは、開設したNISA口座を通して、新規で購入した金融商品からの利益です。

投資経験者の人は、すでに特定口座や一般口座から金融商品を買い、保有している人もいるでしょう。それらの金融商品(投資信託や株式)をNISA口座へ移動させることはできません。すでに投資を行っている人でも、初めて投資する人と同様に、新たに金融商品を購入することが必要です。

6.確定申告をする必要はない

「NISA」は非課税のため、売却益や配当などで得た利益が発生したとしても、確定申告をする必要はありません。一般口座や特定口座で出た利益は、確定申告が必要な場合もありますが、前述した通り、NISAは非課税のため、確定申告は不要です。

扶養控除の所得対象になるか気になる人もいると思いますが、NISAでの利益は非課税なため、いわゆる「年間控除所得額」に含まれませんのでご安心ください。NISAによる利益が出ていても基本的には所得控除を受けることが可能です。

NISAとiDeCoの3つの違い

投資の利益に対して非課税になる制度として「iDeCo」があります。NISAとの違いは何でしょうか。iDeCoとは「個人型確定拠出年金」といい、個人が自分の年金を作るための制度です。どちらも個人の資産形成に有利な制度ではあるものの、「NISA」と「iDeCo」では大きく異なる部分が3つありますので解説していきます。

NISAの6つの特徴
  1. 目的が違う
  2. 「iDeCo」は毎月掛け金をかける必要がある
  3. 商品が異なる

1.目的が違う
「NISA」は資産運用や教育資金の運用などさまざまな目的で使える制度ですが、「iDeCo」は将来の年金を自分で作っていく制度です。引き出しが自由な「NISA」に対して、「iDeCo」は原則として60歳まで引き出しはできません。

2.「iDeCo」は毎月掛け金をかける必要がある
「NISA」では最低運用金額の設定はありませんが、「iDeCo」は最低毎月5,000円の掛け金が必要です。掛け金は人によって異なるため一概には言えませんが、最低掛け金は5,000円となっています。

3.商品が異なる
「NISA」では前述した金融商品を買うことができますが、「iDeCo」では投資信託、定期預金、保険商品などです。「iDeCo」は「NISA」と同じく、運用利益は非課税になります。さらに、掛け金は所得控除されるので所得税や住民税が減ることになります。

「NISA」との併用も可能ですので、「NISA」と「iDeCo」の2つでご自身の資産運用を始めてみるのもおすすめです。

NISAで確認しておきたい注意が必要なポイントは?課税の負担も?

「NISA」で得た利益は非課税であることが最大のメリットですが、 実は配当金での利益に関しては注意が必要です。「NISA」で得た配当金や分配金には課税されるパターンがあるのです。解説します。

NISAで確認しておきたい注意が必要なポイント
  1. 配当金は「株式比例配分方式」で受け取る必要がある
  2. 値下がりしたNISA株を課税口座に移すと利益なしで課税されることも
  3. NISA口座で購入した株は別の金融機関に移管できない

配当金は「株式比例配分方式」で受け取る必要がある

「NISA」では、たとえばETFの取引において得た分配金などは「株式数比配分方式」で受け取る必要です。株式数比例配分方式以外の「配当金領収証方式」などを選択してしまうと課税されてしまいます。

株式数比例配分方式は、上場株式やETF、REITによる配当金または分配金を証券会社の口座を通して受け取る方法です。

株式数比例配分方式を選択しないと、せっかく非課税で受け取れる利益に課税されます。ただし、ここで注意しておきたいのが、NISAの口座以外の口座つまり、一般口座や特定口座で購入し、保有している金融商品の配当金や分配金も、自動的に「株式数比例配分方式」となってしまう点です。

また、「配当金領収証方式」のほか、「登録配当金受領口座方式」や「個別銘柄指定方式」なども課税対象となります。そのため「NISA」の最大メリットである非課税の恩恵を受けたいならば「株式数比例配分方式」を選択することが必須です。

値下がりしたNISA株を課税口座に移すと利益なしで課税されることも

非課税期間が終了する際に注意しておきたいのが、期間終了時の保有株などの価格です。NISA終了時に保有している株などが、値上がりか値下がりかによって、課税口座へ移管後にかかる税金が変わってきます。特に注意したいのは、値下がりした場合です。

NISA口座で保有する株などは、5年後の非課税期間終了時に課税口座へ自動的に移る場合があります。移管される時、期間終了時の価格が購入価格として設定されるので、確認すべきポイントです。

例えば、「NISA」で120万円の株を購入し、期間終了の5年後には100万円に値下がりした時、課税口座へ移管される時には、100万円で購入した株として設定されてしまいます。

移管後にこの株が150万円に値上がりした場合、100万円から150万円を引いた、50万円の利益として課税対象となります。120万円から150万円であれば、30万円の利益に対する税金となりますが、そのような計算にはならないので気をつけなければなりません。

例:120万円(NISAで購入)→100万円(値下がり、課税口座へ移管)→150万円(移管後に値上がり)→ 利益の50万円に20.315%が課税される

NISA口座で購入した株は別の金融機関に移管できない

NISA口座で購入した株式や投資信託は、他の金融機関へ移管させることはできません。NISA口座自体は、1人1つの金融機関での口座開設しかできませんが、金融機関の変更は可能です。

しかし、NISA口座で購入した株式や投資信託などは移すことはできません。新しく別の金融機関に移管することはできないので、保有していた株式や投資信託などは、前の金融機関で管理することになり、売却などの動きも前の金融機関で行います。

NISA口座で保有する株式などを他の金融機関に移動させたい場合は、特定口座や一般口座などの課税口座に一度振替を行うことが必要です。この場合には課税されることになります。つまり、非課税のまま移管させることはできないということです。

5年間の非課税期間が間近の時の3つの選択肢とは?

「NISA」は、最長で5年間、利益に対して課税されません。この期間が終了する時に確認しておきたいのが、終了時に保有する株式などを今後どのように運用していくか、ということです。投資であるため、値上がりしていることも値下がりしていることもありますが、状況に応じた3つの選択肢について理解し、適切に選択できるようにしましょう。

非課税期間が間近の時の3つの選択肢
  1. 期間終了前に株を売却する
  2. ロールオーバーする
  3. NISA以外の口座に移管する

1.期間終了前に株を売却する

一番はじめに検討するべきは、「売却」です。保有している株などが値上がりをしている場合には売却をしてその「譲渡益」を利益として得ることができます。

投資初心者でもわかりやすい利益の出し方であり、最初に検討される選択です。値下がりをしている場合でも、以下に紹介する2つの方法があるので、慎重に状況を見極めていきましょう。

また、値下がりした場合には、デメリットの部分でも紹介したとおり、「NISA」は損益通算ができないので、損失が出てしまうと一般口座や特定口座との利益の相殺ができません。そのような部分も考慮して選択していくことも大切です。

2.ロールオーバーする

ロールオーバーとは、期間終了時に翌年の非課税投資枠へ移管し、そのまま非課税枠にて資産運用を行うことです。ロールオーバーに上限金額はないので、値上がりして非課税投資枠を超えてしまっている場合にも使えます。

しかし、ロールオーバーした金額は翌年の非課税投資枠を使用することになりますので、翌年、投資する際には非課税投資可能額を超えないように気をつけましょう。

例えば、今年100万円分ロールオーバーしたとしたら、翌年の非課税投資可能額は残りの20万円ということになります。

ロールオーバーすることで期間を延長できるので、5年の期間が終了した後も、そこからさらに5年間非課税期間が延長されるということです。ロールオーバーする際には以下の2つの条件を満たす必要があります。

・ロールオーバーを行う際には、翌年のNISA口座を、同じ金融機関で開設しなければならない<
・決まった期限に必ず手続きを行わなければならない

以上の条件を満たせば、引き続き非課税投資枠で金融商品の運用を行うことができます。手続きを忘れてしまうこともあるので、もしロールオーバーをする時は早めに行動しましょう。また、値下がりして売却すると結局、利益に課税されてしまうため注意が必要です。

3.NISA以外の口座に移管する

期間終了時にNISA口座から一般口座や特定口座へ移管するという選択です。これは、期間終了時に何も手続きをしなければ、自動的に移管される仕組みになっています。一般口座や特定口座は課税対象のため、注意が必要です。

さらに移管時には、期間終了時の株や投資信託の値段が購入した価格として設定されるので、値上がりや値下がりを十分に確認した後に検討していきましょう。

2024年から始まる新NISA制度とは?

2020年の税制改正でNISAの見直しも行われました。改正によって「NISA」は2024年から「新NISA」として新たに生まれかわることになり、現在の「NISA」との変更点がいくつかあります。すでに「NISA」で資産運用している人やこれから「NISA」を始めたい人もよく理解していきましょう。

非課税期間が間近の時の3つの選択肢
  1. 現行NISAと新NISAとの違いについて
  2. つみたてNISAは2042年までに延長される
  3. ジュニアNISAは2023年で終了する

現行NISAと新NISAとの違いについて

現行の「一般NISA」は2023年に新規投資可能期間が終了します。そして2024年からは新たに「新NISA」が誕生し、2024年から2028年まで新規投資可能期間が延長されました。さっそく、変更点や注意点を詳しく解説していきます。

新NISAについて
  1. 新NISAは「2階建て」となる
  2. 2階部分の投資対象が一部変更される
  3. 一般NISAから新NISAへのロールオーバーは要注意
  4. 届け出をすれば2階部分にのみ投資ができる
  5. 1階部分はつみたてNISAへ移行可能

新NISAは「2階建て」となる

現行の「NISA」では年間投資可能枠が120万円でしたが、「新NISA」では122万円です。「新NISA」では、2階建てになり、1階部分の新規投資可能額が20万円、2階部分が102万円とそれぞれ分けられています。

1階部分は積立投資限定です。1階部分の積立投資を行うことで、次に2階部分への投資が可能になる仕組みに変更となりました。1階部分の積立投資で購入可能な商品は、「つみたてNISA」と同様で、厳選された商品のみです。

このように「新NISA」は「一般NISA」と「つみたてNISA」の要素が合わさったような作りになっています。現状の一般NISAから大きく変更された点なのでよく理解しておくことが必要です。

2階部分の投資対象が一部変更される

「新NISA」では2階部分の投資可能対象商品が一部変更され、高いレバレッジを効かせた投資信託や上場株式の監理銘柄や整理銘柄が対象外となりました。 現在の「一般NISA」と同じく、上場株式や投資信託、ETF、REITは引き続き購入可能です。

積み立てで購入することもでき、1階部分の積立投資と2階部分の投資でそれぞれ違うものを購入することもできます。また、1階部分で積み立てることで2階へ進むことができますが、1階部分で枠内すべての投資を行わなければならないわけではありません。

「新NISA」は少し複雑に変更されたように感じますが、実際は投資の自由度は維持しつつ、より投資の安全性を高める内容となっているといえそうです。2024年から「新NISA」となり、以上のように、投資対象も変わるので、2024年になる前に確認しておきましょう。

一般NISAから新NISAへのロールオーバーは要注意

新NISAに移行しても、従来のNISA口座で保有している商品は、非課税期間終了後のロールオーバーが可能です。

ただし、「一般NISA」から「新NISA」へロールオーバーする際は、2階部分から埋まっていくことを覚えておきましょう。また、2階部分の非課税枠よりも大きい額の資産をロールオーバーする場合、1階部分の非課税枠を使用することになります。

例:資産額が2階部分の非課税枠内の場合
「一般NISA」で資産が50万円のときに「新NISA」へ移管すると、まず、2階部分から埋まり(2階の非課税枠は102万円、102万円-50万円)、非課税枠の残りは52万円となります。

例:資産額が2階部分の非課税枠を超過した場合
「一般NISA」にて資産110万円を「新NISA」へ移管すると、まず2階部分が埋まり(102万円-資産110万円)超過分の8万円は、1階部分から引かれることになります(1階部分の非課税枠20万円-8万円)。この2階部分から使っていくという順番が重要です。残りの非課税枠は1階部分の12万円になります。

このように、現行のロールオーバーとは少し異なっているため、事前に知っておくと便利です。

届け出をすれば2階部分にのみ投資ができる

2024年以降で、これから新NISAで投資を考えている投資初心者は、1階部分で積立投資を行う必要がありますが、投資経験者やNISA口座を持っている方は2階部分からの投資もできます。事前申請を行うことで2階部分の投資からスタートすることができますが、この場合は、2階部分のみの投資となり、非課税投資可能額も102万円で、対象も上場株式のみです。

投資信託やETF、REITも購入したいという人は、1階部分のつみたて投資を併用するとよいでしょう。1階から投資を始めることで、投資可能額も122万円と満額の利用できるので、経験者でも2階からにするのではなく、1階から投資した方がよいことも押さえるべきポイントです。

「新NISA」に移行することで変更点は多々ありますが、利益に対して非課税という最大のメリットに変わりはありません。そのメリットを最大限に生かすことは、資産運用において大切です。

1階部分はつみたてNISAへ移行可能

「新NISA」での1階部分で積立投資した金融商品については、5年の非課税期間が終了した後、「つみたてNISA」にロールオーバーすることができます。また、1階部分の「新NISA」で購入した当時の価格でロールオーバーすることになるので、5年終了時に値上がりしていても、つみたてNISAの非課税投資可能枠40万円のうち費消するのは最大で20万円です。

仮に1階部分で合計20万円積み立て、期間終了時に50万円になっていたとします。

この場合、「新NISA」から「つみたてNISA」へのロールオーバーを行うと、積み立てた金額である20万円が非課税可能枠から引かれることになります。つみたてNISAの非課税投資可能40万円からロールオーバー分20万円を引くと、非課税で投資できる枠の残りは20万円です。その年は、つみたてNISAであと20万円分を非課税枠で投資できることになります。

またこの時、50万円に値上がりしていますが、50万円全額を20万円の非課税投資枠を使ってロールオーバーすることになるため、つみたてNISAの非課税投資可能枠40万円全額を費消してしまうことはありません。

つみたてNISAは2042年までに延長される

2018年に「つみたてNISA」が登場した時は、新規投資ができるのは2037年までとされていましたが、2020年度の税制改正により、これが2042年までに延長されました。これによって「つみたてNISA」では最長で2061年まで非課税で利益を受け取ることが可能です。

また、税制改正により期間の延長はありましたが、年間の40万円の非課税投資枠に変更はありません。

例を挙げると、2022年に「つみたてNISA」で商品を購入したとすると、非課税で利益を受け取れるのは、2041年末までとなります。前述した1階部分の積み立てからのロールオーバーを利用すれば、これにプラス5年(厳密には4年)非課税の恩恵を受けることが可能です。

ジュニアNISAは2023年で終了する

2016年からスタートした「ジュニアNISA」ですが、2023年に終了することが決定しています。終了に伴い、2024年以降に新規での購入はできません。これまでは、原則18歳にならないと払出しができませんでしたが、2024年以降は口座を廃止、解約することで払出し可能となります。

また、非課税期間の終了を迎えても、20歳になるまでは保有している株式などはそのまま非課税で保有することが可能です。

NISAの利用をおすすめできる人

ここまでで「一般NISA」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」さらには「新NISA」について詳細に解説しましたが、それでは一体どのような人が「NISA」に向いているのでしょうか?「NISAを始めたいけど自分が投資に向いているのかわからない」といった人も多いと思います。

そういった人のためにも、「NISA」の利用をおすすめする人を紹介しますので、特にこれから始めたい人は「自分が当てはまっているのか」など、確認してみてください。

また、各項目で、3種類の「NISA」のうち、どの「NISA」がおすすめかも紹介します。

NISAの利用がおすすめできる人
  1. 投資の経験者
  2. 余剰資金が用意できる人
  3. 短期間の株運用が目的の人

投資の経験者

すでに「NISA」以外での投資で資産運用を行っている人にも「NISA」はおすすめです。これまでにも述べた通り、通常の投資では利益に対し20.315%の税金がかかります。これは投資経験者なら思っているより大きな出費になっていることを実感していることでしょう。

仮に、売却で得られた譲渡益が10万円だとしたら、そのうちの20.315%つまり、20,315円を税金として支払わなければなりません。投資経験があるのなら、すぐにでも「NISA」を始めることをおすすめします。

向いている「NISA」は「一般NISA」(新NISAを含め)または「つみたてNISA」です。

余剰資金が用意できる人

これは「NISA」に限らず、投資による資産運用を考えている人には当てはまることかもしれません。余剰資産を準備できる人は、「一般NISA」がおすすめです。「一般NISA」では資産運用を自身でコントロールすることができるので、自由に投資をすることができます。

「投資初心者だが投資には興味がある」と言った人には特に「NISA」はおすすめです。少額から投資できて、いつでも引き出せるので、安心です。

向いている「NISA」は、「一般NISA」または「つみたてNISA」です。

※「つみたてNISA」は「一般NISA」に比べて自由度は下がりますが、「iDeCo」などの確定拠出型年金と違い、途中で引き出すことができるメリットがあります。

短期間の株運用が目的の人

「一般NISA」の非課税投資期間は購入より5年で、新規投資可能額が年間で120万円です。そして、ロールオーバーにより最長で10年間、非課税で運用を続けることができます。

短期間での株の運用を目的とした人の場合、購入した株などを値上がり後に売却することで利益を出すことに狙いを定めています。しかし、投資なので値上がりすることが約束されているわけではありません。もし、5年の運用で損失が出たときにも、ロールオーバーして10年間非課税で運用すれば、利益を上げることも狙えるのが「NISA」の最大のメリットなのです。

NISAを始めてみよう!手続きの流れ

ここからは、NISAを始めるときの手続きについて解説します。

まずはNISA口座選びから

NISAを始めるにあたり、金融機関で専用口座(NISA口座)を開設しなければいけません。金融機関によって取り扱う金融商品が異なるので、自分のお気に入りの投資先がある人やすでに投資先を検討している人も情報を収集することが必要です。

また、金融機関の変更は年に1度だけできますが、手続きの時間やわずらわしさを考えると、口座開設時にしっかりと考えて、自分に合った金融機関を選ぶとよいでしょう。非課税期間が終わった時に自動的に移管される先、つまり、「特定口座」や「一般口座」もあわせて開設する必要がありますので注意してください。

NISA口座の開設ができる機関は以下の9つあります。

NISA口座取の扱い機関
  1. 証券会社
  2. 銀行・信託銀行
  3. 投信会社
  4. 信用金庫
  5. 労働金庫
  6. 郵便局
  7. 生命保険会社
  8. 農協
  9. 信用組合

NISA口座を選ぶときに確認すべき5つのポイント

NISA口座の開設時に考慮すべきポイントが5つあります。

NISA口座の開設時の5つのポイント
  1. 取引手数料
  2. 金融機関が近くあるかどうか
  3. 今後、通常の投資を行うかどうか
  4. 金融商品のラインナップ
  5. ポイント付与などのキャンペーンなど

1.取引手数料
せっかく投資で得た利益を非課税で受け取ることができるのに、取引手数料が高くては利益が目減りします。同じ商品でも金融機関によって手数料が違うこともあるので、確認しておきたいポイントです。

2.金融機関が近くあるかどうか
転居などで口座開設時の住居と遠く離れてしまうことも視野に入れておきましょう。引っ越しが想定される人は、ネットでの対応がある金融機関またはネット証券を選ぶのがおすすめです。

3.今後、通常の投資を行うかどうか
もし「NISA」を通して投資に興味が出てきて株式を買いたいと思ったら、銀行などの金融機関ではなく、証券会社の口座が必要になります。 

4.金融商品のラインナップ
金融商品は各機関によって取り扱う商品が異なるため、特に初めて口座を開設する人は事前によく調べておきましょう。

5.ポイント付与などのキャンペーンなど
考慮すべきこととしての優先順位は低いのですが、金融機関によっては、時期によりキャンペーンを行っていることがあります。口座開設をするとポイントがもらえるなど、それぞれキャンペーン内容はさまざまですが、特典があるならもらっておくのも賢い方法のひとつです。

NISA口座開設に必要なもの

NISA口座の開設にはいくつかの書類や申請書が必要です。以下の必要書類を提出した後に、各金融機関が税務署へ申請を行ってくれます。

NISA口座の開設に必要な書類
  1. 本人確認書類
  2. マイナンバーカード
  3. NISA申請書

・本人確認書類
運転免許証や健康保険証など

・マイナンバーカード
マイナンバーが確認できる書類(通知カードなど)

・NISA申請書
非課税適用確認書類や非課税口座開設届書類
※金融機関から送られる書類です。

それぞれの金融機関や時期によって変わる場合がありますが、申請から約2~3週間ほどで審査結果が届き、NISA口座の開設が完了します。  

NISA口座開設の簡単な流れ

実際の口座開設の流れを順番に紹介します。まずは、一般的な銀行などの各種金融機関での口座開設の流れを解説していきます。

<一般的な口座開設の場合>
自分に合った金融機関を調べます。
金融機関に必要書類を提出します。
NISA口座の開設が完了します。
NISA口座での取引ができるようになります。
複数のNISA口座を開設していないか、税務署などで確認します。

以前は、口座開設の前に税務署での確認が入っており、口座開設までに2~3週間、時間がかかっていました。しかし、2019年1月から税務署での確認より先に口座を開設し、取引が可能になっています。この方法なら、申し込み当日から取引を開始可能です。

ただし、NISAでの取引開始後に二重口座であることが分かった場合は、買付日にさかのぼって一般口座に移されることになります。

次に紹介するのが、ネット証券での口座開設の流れです。

ネット証券などでNISA口座の開設
 ※一例としてSBI証券の口座開設の流れになります。
自分に合った金融機関を調べます。
WEB上でNISA口座の開設の申し込みをします。
各必要書類を受け取ります。受け取り後は各種必要書類を郵送にて提出します。
仮開設が完了し、NISA口座での取引が可能になります。
税務署へ二重口座の有無の確認等(SBI証券が行ってくれます)
NISA口座の開設が完了します。

上記は、郵送で必要書類を提出する方法ですが、必要書類をWEBにアップロードする方法でも手続き可能です。郵送では最短7営業日で取引開始でき、WEBアップロードでは最短2営業日で取引を始められます。しかも、WEBへのアップロードでは書類の受け取りや発送が不要なため、手間もかからず簡単です。

NISAで選ぶべき金融商品の種類とは

投資初心者で銘柄についてよくわからない人のために、「NISA」でおすすめの金融商品の種類を紹介します。あくまでも一例ですので、これを参考にご自身でよく検討し、投資活動を行ってみてください。

NISAで選ぶべき銘柄とは
  1. ETF
  2. 高配当の商品
  3. 今後の成長が見込める企業

ETF

ETFとは「上場投資信託」といい、証券取引所に上場している投資信託です。通常の投資信託では、投資家から集めた資金を、ファンドマネージャーと呼ばれる専門家が株式などの金融商品へ投資し、運用しています。

ETFは上場された投資信託であるため、株式と同様に市場でいつでも売買が可能な金融商品です。ETFの種類は「国内・海外株式」「国内・海外債券」「不動産や金・プラチナ」などがあります。

「NISA」は損失時の税の優遇には乏しいことから、安定した利益を狙うことがポイントのひとつです。ETFでは、日本を代表するような大手企業の銘柄が多く、そのような銘柄へNISAで手軽に分散投資ができる点がおすすめと言えます。株式と同じく、ネット証券からの購入が可能なので、あわせて確認しておくとよいでしょう。

通常のETFへの投資で利益を得た時には、確定申告が必要になりますが、「NISA」で得た利益には税金がかからないので、確定申告する必要がないことも、「NISA」でETFをおすすめする理由です。

ただし、「NISA」では損益通算ができないことから、少額の投資をする人がいいかもしれません。

高配当の商品

「NISA」でおすすめする銘柄の2つ目が、高配当の商品です。「一般NISA」では配当金が高い株式に投資でき、また分配金の高い投資信託商品もあります。NISAの最大のメリットを生かすならば、高配当の商品を購入し、非課税期間終了時に値上がりをしているという状況を作り出すことが理想です。

しかし、理想はあくまで理想であり、終了時に値上がりをしている銘柄を狙って購入することはなかなかできません。それならば、高配当の商品でコツコツと配当金を得ることが賢い方法とも言えます。

今後の成長が見込める企業

最後におすすめしたいのは、今後の成長が見込める企業、会社の銘柄です。「NISA」に限らず投資ではこの成長を期待できる銘柄というのが、最も買うべき商品であり、最も難しい判断が必要になります。成長が見込まれる会社に投資するには、社会全体の動きを把握することも重要なポイントです。

もし、購入した商品が非課税期間に値上がりした場合には、その時点で売却するか、それともそのまま保有するのかの判断が、腕の見せ所でもあるかもしれません。

NISA口座におすすめのネット証券徹底比較

「NISA」を始めるにあたり、NISA口座の開設におすすめのネット証券をランキング形式で紹介します。ネット証券会社は数多くあるため、初めて証券会社で口座を開設する人にとって証券会社選びが頭を悩ませる要因のひとつです。投資を実際に始める際は、ぜひ参考にしてください。

NISA 口座におすすめのネット証券比較表

NISA口座選びの項で述べたように、証券会社によって扱っている金融商品が異なるため、自分のお気に入りまたは投資したい商品を扱っているかどうかが証券会社を選ぶポイントです。

また「NISA」は損益通算等の損失に対する措置が期待できないので、より多くの利益を得るためにも値上がりが期待できる金融商品を選び、その商品を多く扱っている証券会社を選ぶようにするとよいでしょう。

NISAを始めるために、ネット証券会社を選択する際に重要となる要素を以下の表にまとめました。

ネット証券比較表
一般NISA つみたてNISA
会社名 NISA手数料 投資信託
銘柄数
外国株 IPO
会社数
商品数 最低
投資額
投資タイミング
1 SBI証券 無料 2,575 9ヵ国 122 177 100円 毎日・毎週・毎月
2 楽天証券 無料 2,580 6ヵ国 取扱無し 179 100円 毎日・毎月
3 マネックス証券 無料 1,224 2ヵ国 66 152 100円 毎日・毎月
4 松井証券 無料 1,582 取扱無し 56 172 100円 毎月
5 auカブコム証券 無料 1,520 取扱無し 42 163 100円 毎月
※※2022年2月16日時点

1:SBI証券

SBI証券はネット証券会社でNISA口座開設数1位を獲得しています。投資信託の本数も豊富で、外国株やIPO、さらには投資のタイミング(つみたて頻度)は上記3社ではトップの数となっています。少額から投資できる点もうれしいポイントです。

一般NISAとつみたてNISAのどちらでもおすすめできます。また、NISA手数料も無料で知名度もあるため、NISA初心者の人は安心して投資を始められるネット証券会社です。

SBI証券のメリットとは

SBI証券で取り扱いがある投信本数は2,500本を超えており、トップクラスの商品数となっているため、好みの金融商品を選びやすいのが特徴です。特にIPO取扱数は他社と比べて多いため、IPO当選確率も上がります。国内株式、海外ETF、投資信託での手数料も無料なので安心して利用できます。また、投信マイレージを貯めることができ、TポイントやPONTAポイントとの連携も可能です。

SBI証券のデメリットとは

ネット証券なので店舗がないため、対面での相談はできません。そのため基本的には自分である程度、投資判断をする必要があります。また、システムが使いやすいという評判の一方で、システムのメンテナンスが多いこともデメリットといえます。

2:楽天証券

楽天証券は知名度もあるネット証券会社のひとつです。SBIと同じく手数料が無料、100円からの投資も可能で安心して利用できます。

楽天グループの会社なので、各種他のサービスとの連携も期待でき、お得感があります。

投資信託の銘柄数もトップの数を誇っており、初めての人にもおすすめできるネット証券会社と言えます。普段から楽天の他サービスを利用している人には特におすすめの会社です。

楽天証券のメリットとは

口座開設料や手数料も無料で、投資信託でのつみたてを楽天カード(クレジットカード払い)で支払うと楽天ポイントも貯まるので、楽天カードを使っている人にはおすすめです。さらに、貯まった楽天ポイントで投資信託や株式を購入できるので、楽天会員にはお得なネット証券会社です。

販売手数料が無料の投資信託も扱っているので、少額での投資にも柔軟に応えてくれます。また、マーケットスピードというツールが使用できるため、スマートフォンにアプリをダウンロードしておけば、場所を選ばず取引ができることもよい点です。

楽天証券のデメリットとは

最大のデメリットは、IPOに申し込むことができないことです。もしもNISA口座でIPOに申し込みたい場合は、他のネット証券で口座を開設した方がよいでしょう。

3:マネックス証券

マネックス証券は外国株は米国、中国株と2カ国の取り扱いですが、取扱銘柄数が6,000以上、中でも米国株は4500銘柄以上(2022年2月現在)と、米国株投資に強いネット証券会社です。 米国株に興味がある人は、マネックス証券でNISA口座を開設することをおすすめします。

上記2社と同様に、手数料が無料で少額からの投資も可能です。上記の2社に比べると投資信託の取扱本数は少なく感じますが、IPOは66社と申し分ない数となっています。2020年9月にマネックス証券のNISAがリニューアルされ、非課税枠使い切り機能など、便利なシステムも導入されました。

マネックス証券のメリットとは

マネックス証券では、24時間注文でき、米国株の動きをリアルタイムで見ることができる点はメリットです。楽天証券やSBI証券では、米国株をリアルタイムで確認するには有料であったり、制限がかかったりするため、簡単に見ることができません。

また、投資信託の保有数や株の売買をすると貯められる独自のポイント「マネックスポイント」というサービスを実施しています。貯まったポイントはdポイントやPONTAポイントなどのポイントサービスやアマゾンギフト券と交換できるのもメリットです。

マネックス証券のデメリットとは

マネックス証券のデメリットは、上記2社に比べ投資信託の取扱本数や「つみたてNISA」の商品数が少ないことです。全体的に取扱商品数が少ないことで、SBI証券や楽天証券よりも、選択肢が狭くなってしまいます。

NISAのメリットを理解して少額から始めてみよう

ここまでNISAについて詳しく解説してきました。これまでボンヤリとしていた「NISA」の理解が深まり、少しはっきりと見えてきたと思います。投資経験者、投資初心者、両者にとって始めやすい制度で、利益に対して非課税で少額からスタートできるお得な投資制度です。

ここからは、この記事を参考にあなたご自身の資産を効率よく増やすために、ぜひ「NISA」を活用し、投資を実践してみてください。

NISAに関するよくあるQ&A

「一般NISA」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」さらには「新NISA」について、よくある質問をわかりやすくまとめました。より一層「NISA」に詳しくなって、「NISA」で投資を始めてみましょう。

NISAとはなんですか?

「NISA」とは、少額投資非課税制度といって、投資によって得た利益にかかる税金が非課税となる制度です。「NISA」には、「一般NISA」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」、2024年より始まる「新NISA」があります。

普通の投資では、利益に対し20.315%の税金がかかりますが、「NISA」での利益には税金がかかりません。

また、少額の100円から投資を行うことができるので、投資初心者の人にも安心な制度です。利益が非課税になる期間がそれぞれ定められており、「一般NISA」では5年、「つみたてNISA」では20年となっています。年間の投資可能金額にも上限があり、年間で「一般NISA」では120万円や「つみたてNISA」では40万円と設定されています。

一般NISAとつみたてNISAの違いはなんですか?

「一般NISA」と「つみたてNISA」では、非課税投資可能額や非課税期間、さらに、投資可能総額にも違いがあります。「一般NISA」は、年間120万円の非課税投資枠で、非課税期間も購入から5年間、投資可能総額は600万円と設定されています。

一方で「つみたてNISA」は、年間40万円の非課税投資枠で、非課税期間は20年、投資可能総額は800万円です。さまざまな条件が異なりますが、さらに、「一般NISA」は投資のタイミングが自由なのに対し、「つみたてNISA」は原則として決められたタイミングのつみたて投資に特化している点も異なっています。

取り扱う商品も違うので、自分が希望する投資をしっかりと見極めて選択することが必要です。

一般NISAとつみたてNISAの併用は可能ですか?

「一般NISA」と「つみたてNISA」の併用はできません。「NISA」では、原則1人につき1つの口座しか保有できないことになっています。年ごとに切り替えることは可能ですが、手間もかかり、保有資産の整理も必要です。「NISA」を始める時は、それぞれのメリット・デメリットなどをしっかりと考慮し、どちらか一方を選択してください。

一般NISAからつみたてNISAに変更できますか?

「一般NISA」から「つみたてNISA」への変更は可能です。金融機関を変更せずに、移行する場合、変更届を提出すれば、「一般NISA」から「つみたてNISA」へ変更することができます。

ただし、1年に一度だけの決まりとなっているので、同じ年に何度も変更することはできません。

ここで注意しておきたいのが、「一般NISA」から「つみたてNISA」への変更時です。「一般NISA」で購入した金融商品の非課税期間は5年です。「つみたてNISA」へ変更後もそれは変わらないので、注意して管理する必要があります。

つみたてNISAを始めるなら銀行と証券会社どちらがおすすめですか?

選ぶ金融商品によって、または、目的によって異なります。しかし、実際に「NISA」を始めるなら、証券会社がおすすめです。銀行でもNISA口座は開設できますが、株式投資はできず、また投資信託の銘柄数も多くはありません。

証券会社でもネットですべて申し込みし、取引ができる、ネット証券会社が便利です。ネット証券会社なら、手数料が無料のところも多く、効率よくスピーディーに「NISA」を始められます。

さらに、もし「NISA」を始めたことで投資に興味がわいたら、株式や投資信託、その他の投資などを始めるときに幅広い選択肢の中から選ぶことができます。

NISAの口座開設はどこの証券会社でも可能ですか?

基本的にどこの証券会社でも「NISA」の口座開設はできます。NISA口座の開設にはいくつか必要な書類や申請書がありますので、必ず事前に調べて必要書類の準備をお願いします。

また、「NISA」は証券会社に限らず、各金融機関で口座開設が可能です。証券会社以外にも銀行や信託銀行、投信会社、信用金庫、労働金庫、郵便局、生命保険会社、農協、信用組合などの金融機関でNISA口座を開設することができます。それぞれの金融機関によって購入できる商品やサービスが異なるので、自分にあった金融機関を選ぶことが大切です。

NISAの最大のメリットはなんですか?

「NISA」では投資で得た利益や配当金・分配金はすべて非課税になります。

「NISA」は売却益や配当などで得た利益が発生したとしても、商品を購入した年より「一般NISA」なら5年間、「つみたてNISA」なら20年間は利益に税金がかかりません。非課税のため確定申告も不要です。

NISAは少額からの投資が可能なことから投資初心者でも始めやすい仕組みになっています。ロールオーバーもできるので、「一般NISA」の場合は、最長で10年間、非課税で利益を受け取ることができます。さらに、非課税投資枠内であれば、購入回数の制限はないので、自由な投資が行える点も大きなメリットです。

NISAの注意すべきデメリットとはなんですか?

通常の投資では損益通算ができますが、「NISA」では、他の特定口座や一般口座で相殺できそうな損益が発生しても合算し、損益通算することができません。

さらに通常の投資では、投資により損失が発生してしまった場合に、確定申告を行うことでその年の損失分を3年間繰り越すことができますが、NISAでは繰越控除もできないので注意が必要です。

「NISA」は少額から投資を始められ、利益を非課税で受け取れる大きなメリットがある一方で、損失に対する救済措置があまりありません。デメリットをよく理解した上で、投資を行いましょう。

2024年から始まる新NISAでは何が変わるのですか?

「新NISA」では、新たに2階建て方式に生まれ変わります。「新NISA」では、1階部分での新規投資可能額が20万円、2階部分が102万円とそれぞれ分けられます

1階部分はつみたて投資限定で、1階部分でのつみたて投資を行うことで、次に2階部分への投資が可能になる仕組みです。(投資経験者は届け出を出せば,条件付きで2階からのスタートもできます)

2階部分の対象商品が変更され、高いレバレッジを効かせた投資信託や監理銘柄や整理銘柄といった上場廃止の危険がある上場株式は対象外となりました。「新NISA」は現行の「一般NISA」と「つみたてNISA」をあわせた形となります。

NISAとiDecoの併用は可能ですか?

「NISA」は「iDeCo」と併用することができます。それぞれの特徴を理解して資産運用に活用しましょう。

「iDeco」は個人型確定拠出年金なので、原則60歳になるまでは引き出すことができませんが、「NISA」であれば「つみたてNISA」を含め、自由に引き出せます。2つのサービスを上手に組み合わせて、より効率的な資産運用が可能です。

NISAで年度ごとに使用しなかった非課税枠は翌年に繰り越し可能ですか?

「NISA」では、非課税枠の再利用・繰り越しができません。「NISA」の非課税枠の条件として設定された年間120万円の非課税投資枠は、新規での投資が条件で、非課税枠の再利用はできないことになっています。

さらに、年間の限度額120万円を使用し、複数の商品を購入し、同年に一部売却した場合にも、売却によって生まれる空枠を同じ年に再利用することはできません。

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