
S&P500やナスダック指数の更新が続いているなかで、米国株への投資が注目されています。世界的にも有名な企業を有する米国に投資する価値は高く、将来の資産形成にも大きなメリットがあります。
今回は、複数の米国銘柄を構成する「米国ETF」を購入するメリットや、投資初心者におすすめの商品をご紹介します。購入時のポイントや注意点もご紹介しているので、米国ETFが気になる方はぜひ参考にしてみてください。
おすすめ米国ETF銘柄11選高配当一覧
銘柄名 | iFreeNEXT NASDAQ100 インデックス |
SPDR・ポートフォリオ・S&P500・高配当株式・ETF(SPYD) | バンガード米国高配当 株式ETF(VYM) | iシェアーズ・コア 米国高配当株ETF(HDV) |
iシェアーズ・コア S&P500・ETF(IVV) |
SPDR S&P500ETF(SPY) | 1546 NEXT FUNDS ダウ・ジョーンズ工業株30種 平均株価連動型上場投信 | NEXT FUNDS NASDAQ-100連動型上場投信 | 1679 Simple-X NYダウ・ジョーンズ・インデックス上場投信 | インベスコ QQQ・ETF(QQQ) | DIA SPDR ダウ工業株平均ETF |
配当利回り(1年) | 21.07% | 19.85% | 17.82% | 17.54% | 16.07% | 16.04% | 13.60% | 13.20% | 12.98% | 11.06% | 10.30% |
直近配当利回り | - | 1.16% | 2.56% | 3.38% | 1.37% | 1.51% | 0.79% | 0.05% | 1.79% | 0.44% | 1.56% |
分配金支払い頻度(年) | 年1回 | 年4回 | 年4回 | 年4回 | 年4回 | 年4回 | 年1回 | 年1回 | 年1回 | 年4回 | 年12回 |
騰落率 |
1年:19.27% 3年:125.35% |
1年:19.85% 3年:9.42% 5年:8.55% |
1年:1.83% 3年:29.31% 5年:49.91% |
1年:-4.44% 3年:106.18% 5年:156.84% |
1年:3.39% 3年:40.32% 5年:61.22% |
1年:4.35% 3年:41.74% 5年:62.3% |
1年:13.60% 3年:11.28% 5年:11.95% |
1年:15.25% 3年:120.55% 5年:180.88% |
1年:12.98% 3年:9.76% 5年:9.59% |
1年:5.40% 3年:112.71% 5年:185.02% |
1年:12.88% 3年:47.65% 5年:90.19% |
高配当利回り銘柄でおすすめのETF3選

配当利回りは聞き慣れないかもしれませんが、購入した株価に対しての配当(一年間)の高さを指します。高配当利回りの銘柄であれば、配当金も比例して高くなるため選ぶ基準となるでしょう。以下に高配当利回りの銘柄の選び方を解説します。
高配当利回り銘柄でおすすめETF
- バンガード米国高配当株式ETF(VYM)
- iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF(HDV)
- SPDR・ポートフォリオ・S&P500・高配当株式・ETF(SPYD)
「バンガード米国高配当株式ETF」(VYM)

VYMは分散投資が可能・経費が安い、年4回にわけて配当金がもらえるなどのメリットがあります。特にYVMでは400銘柄を常時取り扱っていることもあり、高配当を目指しつつ分散投資がしやすいのは、うれしい点でしょう。
高配当利回り銘柄ETF | バンガード米国高配当株式ETF(VYM) |
分配金支払い頻度(年) | 4回 |
直近分配金 | 0.9386ドル |
配当利回り(1年) | 17.82% |
直近配当利回り | 2.56% |
基準価額 | 106.25ドル |
経費率 | 0.06% |
騰落率(1年/3年/5年) | 1.83%/29.31%/49.91% |
\バンガード米国高配当株式ETFにも対応!/
「iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF」(HDV)

HDVはベンチマークにモーニングスター配当フォーカス指数を使っており、質の高い銘柄が揃っているのが特徴です。しか対象銘柄が74個しかないため、リスクの分散効果はあまり見込めません。
高配当利回り銘柄ETF | iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF(HDV) |
分配金支払い頻度(年) | 4回 |
直近分配金 | 0.882118ドル |
配当利回り(1年) | 17.54% |
直近配当利回り | 3.38% |
基準価額 | 101.4872ドル |
経費率 | 0.08% |
騰落率(1年/3年/5年) | -4.44%/106.18%/156.84% |
\iシェアーズETFが買える!/
「SPDR・ポートフォリオ・S&P500・高配当株式・ETF」(SPYD)

SPYDはS&P500高配当指数と値動きをつなげ、経費控除前ベースの成果を出すことを目指しています。分散投資の幅を広げるポートフォリオツールが構築されており、高水準の配当が魅力の1つです。
高配当利回り銘柄ETF | SPDR・ポートフォリオ・S&P500・高配当株式・ETF(SPYD) |
分配金支払い頻度(年) | 4回 |
直近分配金 | 0.127557ドル |
配当利回り(1年) | 19.85% |
直近配当利回り | 1.16% |
基準価額 | 42.24ドル |
経費率 | 0.07% |
騰落率(1年/3年/5年) | 47.15%/23.77%/47.85% |
下記では、高配当利回り銘柄で、おすすめのETF購入が可能な証券会社についてご紹介します。
おすすめETF別 購入可能な証券会社 |
バンガード 米国高配当株式ETF(VYM) |
iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF (HDV) |
SPDR・ポートフォリオ・ S&P500・高配当株式・ETF (SPYD) |
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S&P500構成銘柄おすすめETF3選

S&P500で構成される銘柄は、米国の株市場に上場している銘柄のなかから、500銘柄を厳選して構成されています。以下にS&P500構成銘柄の選び方を解説します。
S&P500構成銘柄でおすすめETF
- SPDR S&P500ETF(SPY)
- SPDR・ポートフォリオ・S&P500・高配当・ETF(SPYD)
- iシェアーズ・コアS&P500 ETF(IVV)
「SPDR S&P500ETF(SPY)」

SPYは米国のETFのなかでも最古参で人気もある銘柄です。流動性の高さから、好きなタイミングで売却できるのも魅力の1つでしょう。また産業グループの分散が24種類と多いのも特徴です。
S&P500構成銘柄ETF | SPDR S&P500ETF(SPY) |
分配金支払い頻度(年) | 4回 |
直近分配金 | 1.636431ドル |
配当利回り(1年) | 16.04% |
直近配当利回り | 1.51% |
基準価額 | 434.24ドル |
経費率 | 0.09% |
騰落率(1年/3年/5年) | 4.35%/41.74%/62.3% |
「SPDR・ポートフォリオ・S&P500・高配当・ETF」(SPYD)

SPYDはS&P500高配当指数がベンチマークとなり、不動産セクターや一般消費財セクターなどへの投資率が高いことでも有名です。しかし不景気の場合は、ボラティリティ(価格の変動率)が高くなりがちなのは欠点でしょう。
S&P500構成銘柄ETF | SPDR・ポートフォリオ・S&P500・高配当・ETF(SPYD) |
分配金支払い頻度(年) | 4回 |
直近分配金 | 0.127557ドル |
配当利回り(1年) | 19.85% |
直近配当利回り | 1.16% |
基準価額 | 42.24ドル |
経費率 | 0.07% |
騰落率(1年/3年/5年) | 47.15%/23.77%/47.85% |
「iシェアーズ・コアS&P500 ETF」(IVV)

IVVは、S&P500指数と同様の成果を出すことを目指したETFです。特徴としては米国の株式市場での大型株の動きと、値動きが連動する点が挙げられます。またこちらのETFも通常の株と同じく、証券会社を介しての売買が可能です。
S&P500構成銘柄ETF | iシェアーズ・コアS&P500 ETF(IVV) |
分配金支払い頻度(年) | 4回 |
直近分配金 | 1.498384ドル |
配当利回り(1年) | 16.07% |
直近配当利回り | 1.37% |
基準価額 | 436.12ドル |
経費率 | 0.03% |
騰落率(1年/3年/5年) | 3.39%/40.32%/61.22% |
下記では、S&P500構成銘柄で、おすすめのETF購入が可能な証券会社についてご紹介します。
おすすめETF別 購入可能な証券会社 |
SPDR S&P500ETF(SPY) | SPDR・ポートフォリオ・ S&P500・高配当・ETF (SPYD) |
iシェアーズ・コアS&P500 ETF(IVV) |
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NASDAQ100指数連動におすすめとなるETF3選

NASDAQ(ナスダック)市場では、約3000本もの銘柄が上場されています。そのなかでも時価総額加重平均で計算された数値が、「NASDAQ100指数」と呼ばれます。以下にNASDAQ100指数連動銘柄の選び方を解説していきましょう。
NASDAQ100指数連動おすすめETF
- インベスコ QQQ ETF(QQQ)
- NEXT FUNDS NASDAQ-100連動型上場投信
- iFreeNEXT NASDAQ100インデックス<大和アセットマネジメント>
「インベスコ QQQ ETF」(QQQ)

QQQはNASDAQ100指数の値動きとかかわる、米国のETFの一種です。インベスコと呼ばれる会社が運用していることから「インベスコ QQQ ETF」と呼ばれています。NASDAQ100指数連動のETFのなかで最も古い歴史を持ち、大型のハイテク株にも分散投資が可能と話題になっています。
NASDAQ100指数連動ETF | インベスコ QQQ ETF(QQQ) |
分配金支払い頻度(年) | 4回 |
直近分配金 | 0.49141ドル |
配当利回り(1年) | 11.06% |
直近配当利回り | 0.44% |
基準価額 | 344.58ドル |
経費率 | 0.2% |
騰落率(1年/3年/5年) | 5.40%/112.71%/185.02% |
「NEXT FUNDS NASDAQ-100連動型上場投信」

NEXT FUNDSはセクター(金融以外)のなかでも、一番時価総額と流動性が高い銘柄が揃っているのが特徴です。NASDAQ100指数への連動を目的としており、約100本の銘柄で構成されています。
NASDAQ100指数連動ETF | NEXT FUNDS NASDAQ-100 連動型上場投信 |
分配金支払い頻度(年) | 1回 |
直近分配金 | 90円 |
配当利回り(1年) | 13.20% |
直近配当利回り | 0.05% |
基準価額 | 167,564円 |
経費率 | 0.2% |
騰落率(1年/3年/5年) | 15.25%/120.55%/180.88% |
「iFreeNEXT NASDAQ100インデックス」<大和アセットマネジメント>

iFreeNEXTは、ファミリーファンド方式で運用されているETFです。米国の株式に投資をしつつ、NASDAQ100指数に関わらせる動きがみられます。またNASDAQ100を構成する銘柄に投資し、為替ヘッジは原則行っていません。
NASDAQ100指数連動ETF | iFreeNEXT NASDAQ100インデックス |
分配金支払い頻度(年) | 1回 |
直近分配金 | 0円 |
配当利回り(1年) | 21.07% |
直近配当利回り | - |
基準価額 | 19,576円 |
経費率 | 0.54% |
騰落率(1年/3年/5年) | 19.27%/125.35%/— |
下記では、NASDAQ100指数連動銘柄で、おすすめのETF購入が可能な証券会社についてご紹介します。
おすすめETF別 購入可能な証券会社 |
インベスコ QQQ ETF(QQQ) | NEXT FUNDS NASDAQ-100 連動型上場投信 |
iFreeNEXT NASDAQ100インデックス |
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NYダウに連動するおすすめETF3選

NYダウとは「ダウ工業株30種平均」のことを指し、米国を代表する30社の株価の平均値から算出される指数となっています。以下にNYダウに連動するETFのおすすめ銘柄を解説していきます。
NYダウに連動でおすすめETF
- 1546 NEXT FUNDS ダウ・ジョーンズ工業株30種平均株価連動型上場投信
- 1679 Simple-X NYダウ・ジョーンズ・インデックス上場投信
- DIA SPDR ダウ工業株平均ETF
1546 NEXT FUNDS ダウ・ジョーンズ工業株30種平均株価連動型上場投信

日本の資産運用会社「野村アセットマネジメント」によって運用されているETFです。東京証券取引所に上場しているため、日本の取引時間中に売買を行えることが特徴です。分配金は年1回支払われており、2010年の上場以来これまで連続して分配金が出ているファンドです。
また純資産総額は264億円(2021年12月6日現在)で、国内の資産運用会社によるNYダウ連動ETFでは最も高くなっています。
NYダウ連動ETF | 1546 NEXT FUNDS ダウ・ジョーンズ工業株30種平均株価連動型上場投信 |
分配金支払い頻度(年) | 1回 |
直近分配金 | 2.65ドル |
配当利回り(1年) | 13.60% |
直近配当利回り | 0.79% |
基準価額 | 38,202円 |
経費率 | 0.33% |
騰落率(1年/3年/5年) | 28.82%/33.82%/104.91% |
1679 Simple-X NYダウ・ジョーンズ・インデックス上場投信

「シンプレクス・アセット・マネジメント」によって運用されているETFであり、2009年に設定された運用歴の長いファンドです。決算は年1回行われますが、これまで分配金が支払われなかった年もあるため、分配金を目当てとすることはおすすめできません。
また純資産総額は約14億円(2021年11月30日現在)となっており、同じ国内運用会社による米国ETFでも、前述の「1546 NEXT FUNDS ダウ・ジョーンズ工業株30種平均株価連動型上場投信」と比較すると小型のファンドといえるでしょう。
NYダウ連動ETF | 1679 Simple-X NYダウ・ジョーンズ・インデックス上場投信 |
分配金支払い頻度(年) | 1回 |
直近分配金 | 600円 |
配当利回り(1年) | 12.98% |
直近配当利回り | 1.79% |
基準価額 | 36,260円 |
経費率 | 0.55% |
騰落率(1年/3年/5年) | 21.51%/43.86%/65.18% |
DIA SPDR ダウ工業株平均ETF

1998年にNY証券取引所へ上場したETFです。先ほどの2つのETFは日本の会社によって運用されているものですが、このファンドは米国企業のステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズによって運用されているファンドです。
純資産総額は約290億ドル(2021年12月3日現在)と超大型ファンドであることが特徴といえます。
NYダウ連動ETF | DIA SPDR ダウ工業株平均ETF |
分配金支払い頻度(年) | 12回(毎月) |
直近分配金 | 0.11671ドル |
配当利回り(1年) | 10.30% |
直近配当利回り | 1.56% |
基準価額 | 342.86ドル |
経費率 | 0.16% |
騰落率(1年/3年/5年) | 12.88%/47.65%/90.19% |
下記では、NYダウに連動する銘柄で、おすすめのETF購入が可能な証券会社についてご紹介します。
おすすめETF別 購入可能な証券会社 |
1546 NEXT FUNDS ダウ・ジョーンズ工業株30種 平均株価連動型上場投信 |
1679 Simple-X NYダウ・ジョーンズ・ インデックス上場投信 |
DIA SPDR ダウ工業株平均ETF |
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○ | ○ | ○ |
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○ | × | ○ |
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米国ETFが初心者におすすめの理由

ETFはリアルタイムで取引可能な点やリスクの分散が可能な点、低コストでの運用が可能な点などが特徴です。どの特徴も初心者はもちろん、ヘビーユーザーにもメリットが生まれる可能性があるため、ぜひ覚えておいてください。
個別銘柄を選ぶ必要がない
米国株の銘柄数は現時点でも6,000株を超えているため、初心者には選ぶときのハードルも高めです。個別に購入して分散投資することも可能ですが、一つひとつの銘柄を調べるのは手間がかかりますし、購入数がどうしても多くなってしまいます。
その点ETFであれば、テーマ選定のみで投資が可能なので、あまり銘柄に詳しくなくても心配ありません。1株からでも始められることも、十分な資金力のない初心者には魅力でしょう。
証券会社別の比較
各証券会社毎に、米国ETF数について比較しました。
証券会社 | 米国ETFの取扱銘柄数 | 米国株の取扱銘柄数 | 最小取引単位 | 米国株式取引手数料(税込) |
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345銘柄 | 4,221銘柄 | 1株 | 約定金額の0.45% |
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364銘柄 | 4,554銘柄 | 1株 | 約定金額の0.495% |
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88銘柄 | 4,857銘柄 | 1株 | 約定金額の0.495% |
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113銘柄 | 1,265銘柄 | 1株 | 0円 |
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25銘柄 | 147銘柄 | 1,000円単位 | 基準価格の0.5〜0.7% |
リスクを分散できる
投資信託では、多くの銘柄にポートフォリオが組み込まれています。金融商品が組み合わさることで銘柄1つに限定して購入するよりも、リスクの分散がしやすいのも特徴です。通常の米国株なら選ぶのも大変でしょう。しかしETFなら1本で分散投資をしているので、通常の米国株と比べてもリスクの分散がしやすいといえるでしょう。
リアルタイムで取引できる
通常の投資信託では、夜になってから基準価額が適用されます。そのため注文をしたタイミングでは、約定代金がはっきりしないという欠点があります。しかしETFであれば、株式の取引と同じようにリアルタイムで利用できるのはメリットです。約定価格をその場で知ることができるため、こちらも初心者向けといわれる理由でしょう。
低コストで運用できる
ETFはインデックス指標を対象としており、信託報酬=経費率も安く設定されています。通常の投資信託と比べてみても安くなっています。信託報酬はETFを保有している間常に発生するため、それが安いことは長期保有を考える人には特にメリットとなるでしょう。低コストで投資をはじめたい方にも、ETFはおすすめです。
「信託報酬」
引用元:金融広報中央委員会|『知るぽると』Let'sチョイ読み!「その取引、いくら手数料がかかるか、知っていますか?」
保有期間中の運用のための費用や資産の保管管理のための費用です。保有資産の額に応じて一定率を徴収されるものが一般的です。高いものでは数%といった商品もありますし、日経平均株価やTOPIXといった株価指数などに連動する「インデックスファンド」と呼ばれる商品は、0.3~0.5%などと手数料は低めの傾向があります。
定期買付サービスを利用できる
一部の証券会社では米国株のETFを定期的に自動で買い付けるサービスを提供しています。購入金額・購入日を最初に設定するだけで、後は自動的にETFを買い付けてくれるため購入手続きの手間もかかりません。
また月に1回、週に1回など購入のタイミングを分散できるため、リスクの分散にもつながります。これは「ドルコスト平均法」と呼ばれるリスク分散の手法であり、定期的に同じ金額で商品を買い続けることで、平均購入単価を下げられる効果があるものです。
定期買付は取引の手間をかけずにコツコツと積立投資ができ、リスク分散にもなることから初心者におすすめの取引方法といえます。
米国株のETFとは

米国ETFの特徴
- 品揃えが豊富
- 低コストで運用が可能
- S&P500構成など種類が豊富
- 1株から取引可能
米国株は世界中で取引が行われており、その取引額も最も多いといわれています。そのなかでも人気がある商品の1つがETF(上場投資信託)です。
米国ETFとは米国の証券取引所に上場している投資信託のことを指します。そのため株式と同じように市場の取引時間中に売買することが可能となっています。一般の投資信託は、市場が閉まった後にその日の基準価額が決定されるため、リアルタイムでは売買取引ができません。一方でETFは、市場の動きを見ながらタイムリーに購入・売却の注文が出せることが大きな魅力といえるでしょう。
米国株のETFの代表的なものとして、NYダウやS&P500などの有名な株式指数と連動しているものがあります。ETFはこれらのベンチマークに沿った値動きとなるように、ファンドマネージャーと呼ばれるプロの投資家が運用しています。
またETFは株式だけでなく、債券指数やREIT指数、金や原油などのコモディティ商品価格指数に連動するものなど、様々な種類があります。
米国ETFは品揃えが豊富
日本でもETFの取り扱いはありますが、米国ほどではありません。日本では200本ほどしかないETFでも、米国ではその10倍ほどの取り扱いがあるからです。アジアやヨーロッパ諸国でも、株価指数と値動きが連動するETF、ITに特化した株価指数に連動するETFなどが登場しています。
またバイオ関連・水関連など、特定の商品に連動するETFも多くなっており、自分のイメージにぴったりのETFが見つかるでしょう。
ETF市場が成長する背景
ETFの市場が成長した背景には、東京証券取引所が基盤となり、利便性の向上を継続的に行ってきたのが大きく影響しています。また証券会社の収益率が低くなっていることに加えて、アクティブな運用が市場平均に勝てなくなったのも、少なからず影響しています。
そのため米国を中心に低コスト運用が重要視され、ETFが脚光を浴びました。今後はさらにETFの銘柄も充実していくと予想され、日本でも投資家は増えていくでしょう。
米国ETFの概要
米国ETFの概要について下記へまとめてみました。
米国ETFの特徴 | リアルタイムで取引、リスク分散でき、低コストで運用が可能 |
米国ETFの種類 | S&P500構成やNASDAQ100指数、ダウ工業株30種平均など 株式だけでなく、債券指数やREIT指数、金や原油などのコモディティ商品価格指数に連動するものがある |
米国ETFの品揃え | おおよそ2,000本(日本では200本ほど) |
米国株の取引時間 | 夏時間/22:30 - 翌5:00(日本時間) 冬時間/23:30 - 翌6:00(日本時間) 取引時間の前後に「プレマーケット(8:00~9:30)」「アフターマーケット(16:00~20:00)」あり |
最小取引単位 | 1株から可能 |
米国株の売買手数料 | 証券会社によるが、約定金額の0.45%ほど |
米国株投資におすすめの証券会社ランキング

米国株で投資をはじめるなら、取り扱う銘柄数で選んでみましょう。米国株を取り扱う証券会社のうち代表的な3社を紹介します。
米国株取引の代表3社
- マネックス証券
- 楽天証券
- SBI証券
特にマネックス証券の米国株をみると銘柄数は4,225(2021年11月27日時点)もあります。投資をはじめたいと思うなら、上記の3社が有力な選択肢になるでしょう。
マネックス証券

マネックス証券について
- 名称 マネックス証券
- 米国ETF取扱銘柄数 345銘柄(2021年12月4日現在)
- 米国個別株式取扱銘柄数 4,221銘柄(2021年12月4日現在)
- 最小取引単位 1株
- 米国株式取引手数料 約定金額の0.45%
- 最低手数料 0円
- 最大20米ドル
マネックス証券の人気の秘密は、豊富なサービスメニューにあります。たとえば時間外でも取引が可能、逆指値・トレール注文などの注文方法がある、銘柄を分析できる米国株専用アプリがある、などです。
そのためユーザーからの評価も高く、みんなの株式による「米国株におすすめネット証券ランキング」において、総合評価で第1位を獲得している実績もあります。
また楽天証券には及ばないものの、手数料の安さも選ばれる秘訣でしょう。現在マネックス証券では「米国株デビュー応援プログラム」として、米国株取引の手数料を最大3万円までキャッシュバックするプログラムを実施しています。そのため、なるべく取引コストを抑えたいという方にもおすすめの証券会社です。
さらにマネックス証券では定期買付サービスを提供しているため、なるべく購入の手間をかけたくないというニーズにも応えられるといえます。
マネックス証券の米国ETFのおすすめ銘柄
・SPDR ダウジョーンズインダストリアルアベレージ(DIA)
NYダウに連動することを目標としたETFです。NYダウは米国の最も有名な株価指数で、米国を代表する30銘柄から構成されています。
・バンガード・S&P500 ETF(VOO)
S&P500に連動することを目標としたETFです。S&P500とは米国で時価総額の大きい500銘柄から構成される株価指数であり、適時構成銘柄の見直しが実施されます。S&P500は時価総額から出される指数であるため、時価総額の大きな株式の値動きに影響を受ける特徴があります。
・iシェアーズ・コア S&P500ETF(IVV)
こちらも同じくS&P500に連動することを目標としたETFです。ETFは、このように同じ指数をベンチマークとするものが運用会社別に存在しています。IVVはブラックロックによって運用されているETFとなっています。
楽天証券

楽天証券とは
- 名称 楽天証券
- 米国ETF取扱銘柄数 364銘柄(2021年12月4日現在)
- 米国個別株式取扱銘柄数 4,554銘柄(2021年12月4日現在)
- 最小取引単位 1株
- 米国株式取引手数料 約定金額の0.495%
- 最低手数料0円
- 最大22米ドル
楽天証券のETFでは、銘柄数の多さや買付手数料の低さが人気です。特に米国ETFの銘柄数は国内でも最多の364本を取り扱っています(2021年12月4日現在)。
また国内ETF123本、米国ETF13本が買付手数料無料であり、業界最多の水準となっています。そのためユーザーはコストを抑えながら、幅広い選択肢で投資ができるといえるでしょう。
さらに楽天証券では一般NISAに限り、海外ETFの買付手数料がキャッシュバックされる仕組みもあります。買付コストを0円にしたいなら、楽天証券はぜひ候補に入れておきましょう。
他にも楽天証券には高機能なツールが利用できるメリットもあります。スマートフォンアプリ「iSPEED」とPC用ツール「マーケットスピード」では、株価チャートの表示やニュースの閲覧ができるため、リアルタイムの投資情報を活かした取引が可能となっています。
楽天証券の米国ETFのおすすめ銘柄
・DIREXION DAILY SEMICONDUCTOR BULL 3X SHARES(Direxion デイリー 半導体株 ブル 3倍 ETF)
フィラデルフィア半導体株価指数に連動することを目標としたETFです。ブル型ファンドであるため、指数の上昇時には3倍のパフォーマンスが得られることが特徴でもあります。ただし下落時の幅も大きくなるため、通常のETFに比べリスクも大きくなります。
・Vanguard TOTAL STOCK MKT ETF(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)
CRSP米国総合指数に連動することを目標としたETFです。構成銘柄が3,500社以上となっているため、S&P500やNYダウに比べ分散投資が効いていることが特徴です。
・Vanguard S&P 500 ETF (バンガード・S&P 500 ETF
S&P500に連動することを目標としたETFです。時価総額を加重平均したバランスで構成されているため、時価総額の大きい銘柄の値動きに影響される特徴があります。
SBI証券

SBI証券とは
- 名称 SBI証券
- 米国ETF取扱銘柄数 88銘柄(2021年12月4日現在)
- 米国個別株式取扱銘柄数 4,857銘柄(2021年12月4日現在)
- 最小取引単位 1株
- 米国株式取引手数料 約定代金の0.45%(税込0.495%)
- 最低手数料:0ドル
- 上限手数料:20ドル(税込22ドル)
SBI証券は手数料の安さが魅力の証券会社です。最低買付手数料が0円に設定されており、上限は22ドルと初心者でも利用しやすいでしょう。ETFの買付手数料も、一部限定(VT・VTI・VOO・SPYなど)で無料となっています。そのため、利益を出しても大きな手数料で利幅が狭くなることもないといえるでしょう。
またSBI証券では、住信SBIネット銀行など提携銀行経由なら場合手数料0円でSBI証券へ入金可能です。運用資金の移動を頻繁にしたい方にとって、手数料を気にせず入金できるのは大きなメリットです。
さらにSBI証券では米国株専用のアプリも用意されています。企業の決算情報や約定の成立をプッシュ通知で知ることができるため、外出先でも売買のタイミングを逃すことなく取引できるでしょう。
SBI証券の米国ETFのおすすめ銘柄
・SPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETF(SPYD)
S&P500高配当指数に連動することを目標としたETFです。S&P500高配当指数とは、S&P500の構成銘柄のなかから抽出した、配当利回りが高い80銘柄で構成されている指数です。80銘柄がほぼ同じ配分で構成されているため、時価総額の大きい銘柄の値動きに影響を受けにくいことが特徴です。
・バンガード S&P 500 ETF(VOO)
S&P500に連動することを目標としたETFです。時価総額の加重平均によるバランスで構成されているため、時価総額の大きな銘柄の値動きに影響を受けることが特徴です。
・バンガード 米国高配当株式ETF(VYM)
FTSEハイディビデンド・イールド指数に連動することを目標としたETFです。FTSEハイディビデンド・イールド指数とは米国株式市場に上場する高配当利回りの株式から構成される指数のことであり、REITは除外されています。
DMM株

DMM株とは
- 名称 DMM株
- 米国ETF取扱銘柄数 113銘柄(2021年12月4日現在)
- 米国個別株式取扱銘柄数 1,265銘柄(2021年12月4日現在)
- 最小取引単位 1株
- 米国株式取引手数料 一律0円
DMM株は株式の取引手数料が業界最安水準となっています。特に米国株式の手数料は0円であるため、手数料を気にせずに取引できます。そのため短期で売買を繰り返したい方にもおすすめの証券会社です。
またDMM株は、米国株式を担保にして国内株の信用取引を行うことが可能となっています。DMM株で保有している米国株式の時価60%が保証金として換算されるため、新たに現金で証拠金を準備することなく信用取引を行えます。そのため資金効率が上がり、投資の幅も広げられるでしょう。
さらにDMM株は最短で即日口座を開設できます。「スマホでスピード本人確認」を利用するとオンラインで口座開設が完了するため、郵送物を受け取るなどの手間もかかりません。
DMM株は取引ツールも充実しています。スマホアプリは分かりやすさを追求した初心者向きの「かんたんモード」と、豊富な機能を備えた経験者向きの「ノーマル」モードの2つから、自身の経験や取引スタイルにあわせて選べるのが魅力です。
DMM株の米国ETFのおすすめ銘柄
・SPDR ダウ工業株平均ETF(DIA)
NYダウに連動することを目標としたETFです。NYダウは米国の最も有名な株価指数で、米国を代表する30銘柄から構成されています。
・SPDR S&P 500 ETF(SPY)
S&P500に連動することを目標としたETFです。時価総額を加重平均したバランスで構成されているため、時価総額の大きい銘柄の値動き影響される特徴があります。
・バンガード 米国高配当株式 ETF(VYM)
FTSEハイディビデンド・イールド指数に連動することを目標としたETFです。FTSEハイディビデンド・イールド指数とは米国株式市場に上場する高配当利回りの株式から構成される指数のことであり、REITは除外されています。
PayPay証券

PayPay証券とは
- 名称 PayPay証券
- 米国ETF取扱銘柄数 25銘柄(2022年2月3日現在)
- 米国個別株式取扱銘柄数 147銘柄(2021年12月4日現在)
- 最小取引単位 1,000円単位
- 米国株式取引手数料 現地時間9:30~16:00 基準価額の0.5%をスプレッドとして
- 上記以外時間帯 基準価額の0.7%をスプレッドとして
PayPay証券は、1,000円から株式投資ができる証券会社です。はじめて株式投資をする方のなかには「いきなり大きい金額を投資するのは怖い」と感じる方もいるでしょう。PayPay証券では1,000円から投資を行えるため、初心者の方でも気軽に株式取引にチャレンジできます。
またPayPay証券が提供するアプリには、株式投資の仕組みや税金、確定申告など投資に欠かせない知識について、漫画で解説してくれるコンテンツがあります。株式投資は難しくて敷居が高いと感じていた方でも漫画で分かりやすく学べるため、疑問点を解決しながら株式投資ができるでしょう。
PayPay証券の米国ETFのおすすめ銘柄
・バンガード・米国増配株式 ETF(VIG)
NASDAQ US ディビデンド・アチーバーズ・セレクト・インデックスに連動することを目標としたETFです。10年以上連続して増配の実績を持つ米国株で構成されています。
・バンガード・トータル・ストック・マーケット ETF(VTI)
CRSP USトータルマーケット・インデックスに連動することを目標としたETFです。CRSP USトータルマーケット・インデックスとは米国の代表的な株式指数の1つで、3,500を超える米国株式から構成されています。
・バンガード・米国高配当株式 ETF(VYM)
FTSEハイディビデンド・イールド指数に連動することを目標としたETFです。FTSEハイディビデンド・イールド指数とは米国株式市場に上場する高配当利回りの株式から構成される指数のことであり、REITは除外されています。
米国株に投資するメリット

世界中から広く投資される米国株ですが、それほどの人気を集める要因はどのようなところにあるのでしょうか。ここからは米国株に投資をするメリットについて紹介します。
米国株は1株から少額取引が可能
米国株のメリットといえば、少額からの取引が可能な点です。1株からでも買えるため、少額投資をしたい方にはうってつけでしょう。日本株の場合は100株や1,000株単位で取引されるので、購入資金も多く必要ですが米国株にはその心配はありません。安い株であれば、数万円から投資をはじめられるのは大きなメリットでしょう。
米国は経済基盤が大きい
米国は世界最大の経済大国であり、GDPの規模も日本の約4倍の約20兆ドルとなっています。1990年の米国のGDPは約6兆ドルであったことから、米国経済はこの30年で飛躍的な発展を遂げてきたことが分かるでしょう。
また経済規模の発展には、人口の増加も欠かせません。米国は毎年100万人以上人口が増加しており、移民の受け入れも顕著な国です。人口の増加は労働力の向上にも直結するため、今後も人口の増加による経済規模の拡大に期待できるといえるでしょう。
近年では中国の経済発展も目覚ましいものがありますが、やはり世界の基軸通貨は米ドルです。その強みを活かしてグローバルに事業を展開する企業が多いことも米国の魅力でしょう。アップル、マクドナルド、マイクロソフトなど今や世界中で知られる名高い企業が米国には多く存在しています。投資する際に、事業規模が大きい企業が多いというのはひとつの魅力です。
米国は経済政策に莫大な財政支出を行う
米国は経済に悪影響を及ぼす事態が発生した際、莫大な財政支出を行うことも特徴的です。
2020年3月、新型コロナウイルスの感染拡大による経済悪化が懸念された際には、総額2兆2000億ドルの緊急の経済対策が実施されました。そのスピード感もさることながら、財政支出の規模の大きさは他の国に追随を許さないものでした。
またバイデン政権へ移行した後も、就任早々に1兆9,000億ドルの経済対策が打ち出され、経済の立て直しには財政を惜しまないという、米国の強い姿勢が見られました。こうした経済政策の影響を受け、米国市場はNYダウ、NASDAQともに史上最高値を更新するなど、いち早く経済の回復に成功したのです。
このように米国市場では経済悪化が懸念される事態が発生した際に、政府が莫大な財政支出を行うことで金融市場を支える安心感があるといえます。
米国企業の自社株買いの規模が大きい
米国企業は自社株買いの規模が大きいことも特徴の1つです。企業が自社株買いを行うことで市場に出回る株式の数が減少するため、株価の上昇要因になります。また発行済株式の減少により、1株当たりの配当金の増加にもつながるため、自社株買いの実施は投資家にとっても投資要因の1つとなります。
米国を代表する企業の1つであるアップルは2021年第2四半期において、約256億ドルの自社株買いを実施しており、その規模の大きさがうかがえるものとなっています。
日本国内でも多くの企業が自社株買いを実施していますが、時価総額が最多のトヨタでも年間3,000億円程度と、米国企業の自社株買いの規模には遠く及ばないものとなっています。
米国の大規模な自社株買いは、米国株が強力な上昇パフォーマンスを見せる要因の1つといえるでしょう。
配当再投資は長期間で資産を増やせる
株式を保有することで、企業の決算時には配当金を受け取る権利が与えられます。配当金は現金で受け取ることも可能ですが、米国株では配当金で再度同じ株式を購入する「DRIP(配当再投資)」という制度も利用できます。受け取った配当金を自動で株式を買い付けてくれるため、投資家は購入の手間をかけずに株式の口数が増えることとなります。またその際の買付手数料もかかりません。
口数が増えることにより複利効果が得られるため、長期間株式を保有することでリターンが大きくなる可能性があります。もちろん配当が減配となったり、株価が下落したりした際には含み損が出る可能性もありますが、株式を長期保有することでそういったリスクも分散できるといえるでしょう。
米国株に投資するデメリット・注意点

様々なメリットが挙げられる米国株ですが、あわせてデメリットについても確認しておきましょう。
為替変動によるリスク
基本的に米国株はドル建てで購入するため、資産のポートフォリオにドル建ての資産が組み込まれます。そのため為替の値動きにより、資産価格が上下することとなります。
分かりやすく具体的な例で見てみましょう。
1ドル=100円の際に、5ドルの米国株式を購入したとします。その際に必要な投資資金は500円です。その後、為替が変動し1ドル=90円となったとします。もし株式の価格が5ドルと変動していなかったとしても、円建ての評価額は450円となり、50円の損失が発生することとなります。
このように米国株式に投資をする際は、株価の変動だけではなく為替の変動にも影響を受けます。
「為替変動リスク」
引用元:日本証券業協会|『投資の時間』「金融・証券用語集」為替変動リスク(かわせへんどうりすく)
外国の通貨で取引される外質建ての金融商品は外国為替レートの変動により、換金・満期の際、円での手取り額が購入(預入)したときの金額を上回る場合も下回る場合もあります。
購入時より円高になると、円での手取り額が減り、為替差損を被ります。逆に、円安になると、為替差益を得ることができます。
ただし、為替の変動がプラスに働く場面もあります。購入時よりも為替が円安に動いた際には為替差益が発生するため、先ほどの例と反対に含み益が出ることとなります。
したがって米国株式の購入時には、為替の水準も考慮することが大切といえます。
価格変動によるリスク
米国株式が日本株式と大きく異なる点として、個別銘柄の価格変動に制限がないことが挙げられます。
日本株には、個別銘柄に対して1日当たりの値動きを制限する「ストップ安・ストップ高」という仕組みがあります。特定の要因で大きく株価が変動する際には、取引に制限がかかり、それ以上市場で売買ができなくなるというものです。
一方、米国株式には市場全体に制限がかかる「サーキットブレーカー」はありますが、個別銘柄の値動きを制限する仕組みはありません。そのため日本株とは違い、1日のなかで大きく株価が下落するリスクがあります。
異言語によるリスク
米国株式に関する情報は、英語による発信が圧倒的に多くなっています。その後、日本メディアによって翻訳したものが提供されますが、その間にタイムラグが発生するのは避けられません。
企業の決算情報の速報や、その他突発的な情報発表によって、短期的なトレードを仕掛けたい際には、英語での情報収集が必須であるといえます。
ただしタイムラグがあるとはいえ、日本メディアからの情報も十分に提供されています。中長期的に株式を保有する意向であれば、情報のスピードはさほど影響がないでしょう。
配当金にかかる税金
米国株式で配当金を受け取った際には、米国、日本の2ヶ国で税金を納める必要があります。
まず米国で配当金に対して10%の税金が差し引かれます。その後、日本で残りの配当金に対して、20.315%(所得税15.315%、住民税5%)の税金が課税されます。つまり米国株式の配当金は、米国と日本で二重に課税され約3割が税金として飛んでいく仕組みとなっています。
ただし「外国税額控除」を利用して確定申告することで、この二重課税を防げます。外国税額控除とは、外国で受け取った配当金に対して課税された額を、日本国内の所得税から一定額控除する制度です。ただし控除額には限度が定められており、以下の数式で算出されます。
「所得税の控除限度額=その年分の所得税額×(その年分の調整国外所得金額/その年分の所得総額)」
これにより外国での課税額が控除額を上回った際には、さらに復興特別所得税から控除することも可能です。
「復興特別所得税の控除限度額=その年分の復興特別所得税額×(その年分の調整国外所得金額/その年分の所得総額)」
米国株式で配当金が支払われた際に証券会社から交付される「支払通知書」や「年間取引報告書」は、確定申告の際に必要な書類となるので必ず保管しておきましょう。証券会社によっては、交付を受けるのにあらかじめ申請が必要なケースもあります。
またNISA口座で米国株式の配当金を受け取った際には、日本国内では所得税が課税されず、米国でのみ課税されます。この場合は二重課税とはならないため、先ほどの外国税額控除制度は利用できません。
米国株のETFを選ぶポイントとは
米国のETFは品揃えがよいのはメリットではありますが、逆に品数が多すぎて「どれを選べばよいのか」と、悩む方も多くいます。もしETFを選ぶなら経費率の安さ・流通量の多さ、ポートフォリオが自身のスタイルにあっているかもポイントです。
米国株のETFを選ぶ4つのポイント

経費率は安いか
ETFを選ぶ際に一番気になるのが経費率です。経費率を簡単に説明すると、ETFなどの投資信託の純資産総額に対する割合を指します。米国のETFは投資信託と比べてみても、経費率は低くなりやすいといえるでしょう。なぜなら販売会社への手数料が発生せず、インデックスに投資するため、銘柄の選定なども必要ないからです。
もしはじめてETFを利用するなら、経費率ができるだけ安い銘柄を選びましょう。しかしドルで買う場合、為替手数料が発生することは覚えておきましょう。
流通量は多いか
ETFは株式と同じように、リアルタイムで取引を完了できます。しかし恩恵を受けるためには、毎日の出来高がなるべく高い銘柄を選ぶ必要があります。そのため流通量の多さはETFで外せない要素です。出来高が少ない銘柄を選んでしまえば、取引のベストなタイミングも逃してしまうでしょう。
ポートフォリオが投資スタイルに近いか
ETFにおけるポートフォリオ(金融商品の組み合わせ)は、銘柄によっても異なります。高配当利回りの銘柄か、S&P500構成を集めた銘柄かなど、自分の投資スタイルにより近いものを選ばなければいけません。少数で目的を達成したいなら、投資スタイルも今一度見直してみましょう。
「何に投資するか」はリスクやリターンに大きな影響を及ぼします。 例えば長期で安定した運用を望むなら債券の割合が高い投資信託、値上がり益を追求するなら株式の割合が高いものを選ぶのがコツです。
引用元:日本証券業協会|『投資の時間』投資信託の選び方のポイントは?
リスクの特性がこれらと異なるREIT(リート:不動産投資信託)を組み合わせた分散投資も1つの方法です。
分配金は高いか
米国のETFは決算に合わせて利益が投資家に分配されます。決算のタイミングや回数は年1~2回や毎月などETFによって異なり、分配金の金額も銘柄によって様々です。投資した金額に対してどれくらいの分配金がもらえるかという「配当利回り」を比較して銘柄を選ぶとよいでしょう。
米国のETFは日本円で購入できる?取引時間は?

米国のETFはドルに変換する手間がいらず、日本円でも購入が可能です。口座を開設した証券会社を仲介するので、取引時間内であればいつでも売買が可能な点も魅力の1つでしょう。しかしすべてが円で買えるわけではありません。日本円で買えるETFは、銘柄に対して種類や数が決まっている点には注意しましょう。
購入、取引する際のポイント
- 初心者の場合、まずはドルで購入
- 取引時間は日本の深夜帯に行われる
- プレマーケット、アフターマーケットがある
米国ETFは円とドルのどちらで購入すべきか
ETFをどちらの通貨で買うか迷ったときには、ドルで買ってみましょう。円とドルで資産を分ければ、リスクを分散することが可能です。また日本円で買うときのように、為替手数料も気にする必要はありません。
さらにETFのなかには円では買えない銘柄も存在しますので、混乱しないためにも初心者はまずはドルで購入すべきといえるでしょう。
米国株の取引時間は深夜帯
米国にはNY証券取引所とNASDAQの2つの市場があり、どちらも米国東部時間9:30~16:00に開かれています。これは日本時間では、23:30〜翌朝6:00(サマータイム時は22:30〜翌朝5:00)に当たります。つまり米国の金融取引は、日本の深夜帯に行われていることとなります。
また米国では取引時間の前後に「プレマーケット」「アフターマーケット」が開かれることも特徴です。 プレマーケットは現地時間8:00~9:30、日本時間22:00〜23:30(サマータイム21:00〜22:30)に、アフターマーケットは現地時間16:00~20:00、日本時間6:00〜10:00(サマータイム 5:00〜9:00)に、それぞれ開かれています。
ただしプレマーケットやアフターマーケットは、証券会社にとっては取引対象外となるケースもあります。
投資初心者におすすめの米国株個別銘柄

ETFでの運用に慣れてきたら、個別銘柄への投資もおすすめです。ここからは、投資初心者におすすめの米国株個別銘柄について解説していきます。
投資初心者におすすめ個別銘柄
- アップル(Apple)
- ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(Zoom Video Communications)
- テスラ(Tesla)
- マイクロソフト(Microsoft)
- アドビ(Adobe)
- ペプシコ(PEPSICO)
- プロクター・アンド・ギャンブル(The Procter&Gamble
- キンバリー・クラーク(Kimberly Clark)
- アマゾン(Amazon)
- コカ・コーラ(Coca-Cola)
アップル(Apple)
「iPhone」「iPad」「Mac」などを主製品とする大手グローバルIT企業です。高いブランド力と、常に新しいサービスを提供し続けていることから、上場来株価は右肩上がりの成長を続けています。
最近では、自動運転車の「アップルカー」を早ければ2025年に発売すると報じられたことから、アップルの株価は過去最高値まで上昇しました。IT機器だけでなく、新しい分野へ挑戦し続けていることもアップルの魅力といえるでしょう。
ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(Zoom Video Communications)
ビデオ会議システムや、オンラインセミナーシステムなどのITサービスを提供しているソフトウェア開発企業です。
2020年に新型コロナウイルス感染拡大の影響によりリモートワークが普及したことを受け、同社のサービスに対する需要が一気に高まり、コロナ禍で大きく株価を上げた企業の1つです。
同様のサービスを提供している企業は多くありますが、Zoomはホスト以外アカウントが不要の手軽さなどによってシェアを伸ばしたといえそうです。
2020年の株価上昇は特需要因であったとの見方もありますが、アフターコロナでもリモートワークを継続するとしている企業も一定数あることから、引き続きZoomの需要はあると予想されます。
テスラ(Tesla)
テスラは米国のテキサス州に本社を置く電気自動車メーカーです。
CEOのイーロン・マスク氏はカリスマ経営者として知名度が高く、その発言によって株価や仮想通貨価格にまで影響が及ぶほどです。今後、世界中が脱炭素を目標と掲げるなか、テスラの電気自動車の需要はますます高まっていくとみられており、成長の余地は十分あるといえるでしょう。ただし現時点では無配銘柄のため、配当は実施されていません。
またテスラは自動運転技術にも力を入れており、完全に人間がハンドルから手を離して乗車する「ハンドオフ」の実現を目標としています。電気自動車の技術とあわせて、今後の自動車業界を牽引していく存在になるかもしれません。
マイクロソフト(Microsoft)
マイクロソフトはWindowsやOfficeシリーズなどを主製品とするITソフトウェアメーカーです。
2021年10月29日には、アップルを抜き一時、世界最多時価総額の企業にもなりました。2021年12月4日現在の時価総額は約2兆6,600億ドルとなっており、米国のみならず世界を代表する巨大企業の1つであるといえます。
1990年代のIT革命時代を牽引してきたマイクロソフトですが、コロナ禍ではクラウドサービスの「Office365」で提供されているコラボレーションプラットフォーム「Teams」が好調となっており、株価は長らく右肩上がりを続けています。今後もクラウドサービス事業の成功が期待されるなど、投資妙味のある銘柄といえるでしょう。
アドビ(Adobe)
アドビは「Illustrator」や「Photoshop」などを手掛けるソフトウェアメーカーです。
アドビではこれらのツールをサブスク型で提供することを主力事業とし、安定した収益を上げています。これまではPCやタブレット向けのソフトウェアがメインとなっていましたが、最近ではスマホ向けのツールにも力を入れており、今後さらにユーザー増加が期待されます。
元々新型コロナウイルス感染拡大による影響を受けにくい業種ではありますが、クラウドサービスの「Document Cloud」は電子サインが可能なことから、コロナ禍でのリモートワークにおいて需要が大きく拡大しました。株価は2021年初来から30%近く上昇しています。
ペプシコ(PEPSICO)
ペプシコは「ペプシコーラ」「トロピカーナ」などの飲料や、「ドリトス」などのスナック菓子を手掛ける食品・飲料メーカーです。世界的な健康志向の高まりによる加糖炭酸飲料離れを、シリアルなどの食品部門がカバーすることで業績を維持しているようです。
こうした食料品や飲料は生活必需品であるため、景気に左右されにくい「ディフェンシブ銘柄」と呼ばれています。投資する際は、こうしたディフェンシブ銘柄を保有しておくことで、マーケットの下落時に損失を抑えられる可能性があります。
プロクター・アンド・ギャンブル(The Procter&Gamble)
P&Gの略称で知られるプロクター・アンド・ギャンブルは、「ダウニー」「パンパース」などの日用品を手掛けるメーカーです。化粧品や洗剤、ヘルスケア用品など幅広い日用品を扱っており、ペプシコと同じディフェンシブ銘柄に分類されます。
株価は長らく横ばいの状態が続いていましたが、コロナ禍でトイレタリー商品や家庭用洗剤の売上が伸びたことなどから、2020年は株価が大きく上昇した年でもありました。
今後も同じように飛躍的な成長を続けることは難しいかもしれませんが、不況に強いディフェンシブ銘柄ならではの底堅さには期待できるといえるでしょう。
キンバリー・クラーク(Kimberly Clark)
キンバリー・クラークは「クリネックス」や「ハギーズ」など、紙製品による日用品を手掛けるメーカーです。
キンバリー・クラークはティッシュペーパーを世界で最初に作ったことでも知られている、歴史のある企業です。競合は先ほど紹介したプロクター・アンド・ギャンブルであり、紙オムツ業界では激しいシェア競争を繰り広げています。
生活必需品の市場は既に成熟しており大きな成長余地があるとはいえませんが、キンバリー・クラークは配当が49年連続して出されるなど安定した経営体制が魅力の企業です。
アマゾン(Amazon)
Amazonは世界最大のオンラインショッピングサイトを手掛ける企業です。コロナ禍では世界的に巣ごもり需要が高まったことから、大きく株価を伸ばしたことでもニュースになりました。
最近ではクラウドサービス事業にも力を入れており、「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」は売上を支える要因にもなっています。今後このクラウド事業が成長することにより、EC事業と2本柱の収益源となることが期待されています。
またAmazonは配当を行わない無配当銘柄であることでも知られています。そのため、米国株式への投資で配当金を受け取りたいと考えている方にはおすすめできません。配当による利益が得られないため、投資家は売買取引によってのみ利益を確定できます。購入時の株価が損益の基準となるため、購入のタイミングを分散するなどリスク低減を図る必要があるといえます。
配当金は得られなくても、将来の成長性が期待できる企業への投資意欲があればおすすめできる銘柄です。
コカ・コーラ(Coca-Cola)
コカ・コーラをはじめとする清涼飲料水を手掛けるメーカーです。
最近では世界的な健康志向への意識の高まりから、加糖炭酸飲料水離れが進んでいます。それにより株価も長らく伸び悩んでいる状況が続いています。
コカ・コーラは炭酸飲料以外でのシェアを拡大するべく、積極的に企業買収を行うなど事業の再編に努めています。また新興国での売上増によって増収を確保しており、大きな事業の転換期にある企業といえるでしょう。
また配当については59年連続増配するなど、安定した配当があることが魅力の1つでもあります。
米国のおすすめ高配当株5社を紹介

米国企業は株主へ利益還元する意識が強く、日本企業と比べ配当金が高い傾向にあります。米国株式に投資する際は配当金の高さから銘柄を選ぶのも1つの手といえるでしょう。ここからは米国のおすすめ高配当株について紹介していきます。
米国のおすすめ高配当株
- アッヴィ(AbbVie)
- エクソン・モービル(Exxon Mobil)
- アイビーエム(IBM)
- アルトリア グループ(Altria Group)
- エーティーアンドティー(AT&T)
アッヴィ(AbbVie)
アッヴィは、パーキンソン病やC型肝炎などの治療薬を手掛けるバイオ医薬品メーカーです。なかでもリウマチ性関節炎や乾癬(かんせん)の治療に使用される「ヒュミラ」の売上は、アッヴィの大きな収益源ともなっています。
アッヴィの直近の配当利回りは4.80%と高いうえに、49年連続で増配しているため、安定した配当金を受け取りたい方にはおすすめの銘柄です。
薬の特許切れによる収益減少リスクもありますが、新薬開発を見据えた企業買収も進めるなど、成長期待のある企業といえるでしょう。
エクソン・モービル(Exxon Mobil)
エクソン・モービルは世界最大級の石油化学メーカーです。脱炭素の流れはリスク要因でもありますが、石油の需要が完全に失われることは考えにくいでしょう。
エクソン・モービルの直近の配当利回りは5.30%となっており、かなりの高配当株であるといえます。配当は39年連続で増配されており、安定した高配当を受け取りたい方には、おすすめの銘柄です。
ただし環境・社会・ガバナンスを考慮した「ESG投資」への意識の高まりは石油メーカーにとって逆風ともなるため、長期での成長性にはやや不安があるといえます。
アイビーエム(IBM)
IBMはハードからソフトまで展開するコンピュータ関連の老舗企業です。近年では企業向けクラウドサービスや、ビッグデータ・ソリューションを取り扱うなど、ハイテク関連の総合企業ともいえるでしょう。
IBMは連続増配年数が26年、直近の配当利回りは5.27%となっており、高配当が続いています。ただし株価は長らく横ばいとなっており、AI技術や量子コンピュータの開発など新規事業の成功に期待がかかります。
アルトリア グループ(Altria Group)
アルトリア グループは米国最大手のタバコ製品の製造・販売会社です。有名な商品に、傘下のフィリップモリスが製造する「マルボロ」が挙げられます。
アルトリアの直近の配当利回りは7.19%となっており、米国の高配当株のなかでも特に配当利回りの高い銘柄です。半世紀以上増配を続けている企業でもあり、収益の80%を株主へ還元していることから、根強い投資家人気を誇っています。
一方で、EGS投資(環境・社会・ガバナンスを考慮した投資)とは逆を行く業界のため、株価は低迷傾向にあることも心得ておきたいところです。
エーティーアンドティー(AT&T)
AT&Tは米国大手の情報通信会社です。インターネット回線や電話回線の提供、テレビ番組の制作など幅広い事業を手掛けています。
AT&Tの直近の配当利回りは7.62%となっており、かなりの高配当水準にあるといえます。2021年には経費削減を理由とした減配が発表されましたが、それまでの36年間増配が続いた企業でもあります。
近年ではメディア部門に力を入れており、ディレクTVやタイム・ワーナーを買収しています。また2022年をめどにメディア事業を分離しケーブルTV大手のディスカバリーと統合させるとも報じられました。これにより、ネットフリックスやディズニーに対抗できる競合になると期待されています。
実際に米国株投資をはじめてみる

米国ETFのなかでも、どのジャンルを重視するかでも、おすすめは変わります。まずは経費率や分散投資が可能かなどを参考にして、自身のスタイルに応じたETFを選んでみてください。ぜひETFを活用して、米国投資をローリスクではじめてみましょう。
米国株に関するFAQ
- 米国株のメリットとは?
- 少額からの取引が可能な点です。1株からでも買えるため、少額投資をしたい方にはうってつけでしょう。 日本株の場合は100株や1000株単位で取引されるので、購入資金も多く必要ですが米国株にはその心配はありません。
- 米国株のETFとは?
- 米国株は世界中で取引が開始されていますが、取引額も最も多いといわれています。そのなかでもETF(上場投資信託)は人気があります。 米国のETFではNYダウ、S&P500などの株式指数と連動しており、ベンチマークにのっとる形でプロが資産運用をしています。
- 米国ETFが初心者におすすめの理由とは?
- 米国株銘柄数は現時点で6000株を超え、初心者には選ぶときのハードルも高めです。一方ETFであれば、テーマ選定のみで投資が可能なので、 あまり銘柄に詳しくなくても心配ありません。
- 米国ETF(米国ETF)における特徴とは?
- リアルタイムで取引可能な点、リスクの分散が可能な点、低コストでの運用が可能な点などが主な特徴です。
- 米国株の取引時間はいつ?
-
米国の金融市場は夏時間と冬時間によって取引時間が異なります。
夏時間/22:30 - 翌5:00(日本時間)
冬時間/23:30 - 翌6:00(日本時間)
米国東部時間では9:30~16:00となっており、日本市場と違って昼休みはありません。
また取引時間の前後に「プレマーケット(8:00~9:30)」「アフターマーケット(16:00~20:00)」が開かれています。
- 米国株の売買手数料はどれくらい?
- 売買手数料は証券会社によってそれぞれ定められていますが、約定金額の0.45%ほどが一般的な水準です。 また米国株を購入する際には為替手数料もかかりますが、こちらも証券会社によって異なります。
- 米国株の取引単位は何株から?
- 米国株式は1株から購入できます。 日本株は単元株制度を取っていますが、米国株は1単元から購入できるため、少額投資が可能となっています。
- 米国株のリアルタイムでの売買は可能?
- リアルタイムで売買ができます。
- 米国株の値幅制限はある?
- 個別株に対しての値幅制限はありません。 変動要因があった際は大きく上昇・下落する可能性もあります。
- 米国の企業情報はどうやって確認すればいい?
- 証券会社が取引ツールなどを通じて情報提供をしているので活用しましょう。 決算情報やプレスリリース、テーマ別レポートといった様々な情報が発信されています。
- 米国株に関するニュースは日本語でも読める?
- 国内の証券会社や日本メディアが発信している情報は、日本語に翻訳されています。
- すべての米国株を購入することはできる?
- 証券会社によって取扱銘柄が異なります。取扱銘柄数は数百~数千と幅があるため、購入したい銘柄が決まっている際は、事前に証券会社へ取り扱いがあるかを確認するとよいでしょう。 またIPO(新規公開株)を取り扱っている証券会社もあります。
- 米国株の税金は日本株と違う?
- 米国では株式の売却益は非課税ですが、日本では20.315%(所得税15.315%、住民税5%)が課税されます。 また配当金については米国で10%の税金が源泉徴収された後、日本で20.315%(所得税15.315%、住民税5%)の税金が課税されます。ただし確定申告を行うことにより、「外国税額控除」が適用され、二重課税を防ぐことが可能となっています。
- 米国株は個別株とETFどちらがおすすめ?
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個別株とETFのどちらに投資をするかは、自身のリスク許容度や投資意向で判断するとよいでしょう。
個別株はピンポイントの企業へ投資するため、値上がりするとの狙いが当たった際には大きなリターンを得られます。ただし、そのためには企業を分析したり、決算書を読み込んだりなどの企業研究が必要となります。
一方ETFは、ファンドマネージャーがNYダウやS&P500といった指数に連動するよう構成銘柄を選んだパッケージで取引するため、
投資家は投資先を選別する手間がかかりません。また1つのETFで多くの銘柄へ分散投資されるため、リスク分散にもつながります。
ただしETFは信託報酬が発生するため、個別株に比べ運用コストがかかることがあるでしょう。
したがって、大きなリターンを得たい方は個別株、投資先を選ぶ手間をかけたくない方や、リスク分散を行いたい方はETFを選ぶとよいでしょう。
- 米国株投資は外貨決済と円貨決済のどちらがよい?
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米国株投資を行う際は米ドル建てで決済する「外貨決済」か、日本円から購入する「円貨決済」を選択する必要があります。
外貨決済をする際は、事前に自身の好きな方法とタイミングで米ドルを調達できるため、為替手数料の安い両替方法を選べたり、為替レートが円高に動いた際にまとめて米ドルを調達できたりするメリットがあります。米国株は株価だけではなく、為替の動向によっても評価額が変動するため、なるべく円高の際に米ドルを調達しておくのは有効な手段といえるでしょう。
一方、円貨決済は証券会社が定める為替手数料が適用されるため、取引コストがかさんでしまう可能性があります。ただし事前に両替する必要がないため、取引に手間をかけたくない方や、スムーズに取引したい方には円貨決済がおすすめです。
つまり、取引コストを抑えたい方や為替差益を狙いたい方は外貨決済、両替の手間をかけたくない方は円貨決済を選ぶとよいでしょう。
また証券会社のなかには、円貨決済時の為替手数料が0円となっているところもあるため、口座開設をする際には為替手数料についても比較するとよいでしょう。
- 米国株の買い方は難しい?
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米国株式の購入方法は、国内の株式を購入する手続きとほとんど変わりません。
まず取引する証券会社を決め、口座を開設しましょう。口座開設は即日可能な会社もあれば、数日かかる会社もあります。
口座開設が完了したら、口座に投資資金を移動させます。ATMでの入金や、他行からの振込など、資金移動の方法によって手数料が変わるため、事前に手数料について確認しておくとよいでしょう。
その後購入したい銘柄を選択し購入手続きを行うだけで、購入取引は完了します。ただし外貨決済を行う際は、事前にドルを調達しておく必要があります。
難しい手続きはなく、はじめてでも特につまずくことなくはじめられることでしょう。