
数万円から不動産投資ができるJ-REIT(リート)という投資方法が今、人気を集めています。J-REITに投資してみたいものの、仕組みがよく分からず決断に至らない、という人も多いのではないでしょうか?
今回は、J-REITの投資を考えているという人に向けて、J-REITの仕組みやメリット・デメリット、通常の不動産投資との違いなどについて紹介していきます。おすすめの証券会社についても掲載しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
J-REITとは何か
J-REITについて
- 現物の不動産投資との違いとは
- 不動産クラウドファンディングとJ-REITの違い
「J-REIT」とは不動産投資の手法の一つです。不動産を管理・運営する会社に対して投資をし、その会社が利益を出した時に配当という形で利益の分配を受けられるという仕組みを取っています。
元々はアメリカで生まれた「REIT(=Real Estate Investment Trust)」の仕組みが日本に持ち込まれ、「J-REIT」と呼ばれるようになりました。
「不動産投資」というと、やはり最初に思いつくのが不動産そのものを取得・運用する方法です。また、J-REITに似た不動産投資で「不動産クラウドファンディング」という方法もあります。
これらの不動産投資とJ-REITとの違い、メリットやデメリットを確認しつつ、J-REITについて紹介していきます。
現物の不動産投資との違いとは
まずは、現物の不動産投資とJ-REITの違いについて確認していきましょう。現物の不動産投資とJ-REITでは、主に不動産の所有・運営の主体が異なってきます。また、その違いから、投資の利回りにも違いが出てきます。
J-REITは実際に不動産を取得するわけでない
J-REITの大きな特徴は、「投資する人=お金を出す人が直接不動産を取得するわけではない」という点です。J-REITに投資する人は、お金を出して不動産そのものを取得するのではなく、不動産を所有・運営する会社の証券を取得します。
現物の不動産を取得するためには、事前の比較検討から始まり、不動産売買契約書の締結や不動産の所有権移転登記などの手続きの負担、さらには不動産取得税などの納税の負担も発生するなど、多くの手間がかかります。
J-REITは会社の証券を売買によって取得するだけでよいので、これらの手間をかなり省くことができるのです。
実際に不動産を運用するわけでもない
現物の不動産を取得することなく不動産投資ができるJ-REITでは、不動産の運用についても投資者がする必要がありません。
実際に不動産の運用をするのはJ-REITによって出資を受けた不動産運用会社であり、その運用によって生まれた利益を元に、「配当」という形で投資者へ利益分配が行われます。
不動産運用のノウハウを持った会社と出資をする投資者という形で役割が決まっていて、その結果利益を生み出しやすい仕組みになっているのです。
J-REITは利回りの幅があまりない
不動産を直接所有・運営することなく不動産投資ができるというJ-REITですが、「利回りにそれほど幅がない」という特徴があります。J-REITについては、利回りの低い銘柄で2%程度、利回りが高いものでも6%ほどとなっています。
不動産単体で見ていくと利回りが15%を超えてくる不動産もあるのですが、利回りの低い不動産もあります。J-REITでは複数の不動産を組み合わせて運用していくのが基本ですので、利回りは自然と一定幅で落ち着いてくるのです。
現物の不動産投資を行ううえでのメリット・デメリット
現物の不動産投資の大きなメリットは、自分の裁量で運用していけるという点です。
例えば賃貸マンションの入居率を上げたいという場合、「設備投資をしてマンションとしての価値を高める」「家賃水準を下げる」「よりノウハウのある不動産管理会社に委託する」といった手法の中から自分で戦略の選択ができます。
また、だいたいの家賃水準と入居率、建物にかかる修繕費と固定資産税、不動産管理会社への管理料などから、収益率をある程度調節することが可能になります。
現物の不動産投資のデメリットは、やはり初期投資がかかりすぎることでしょう。建物自体の取得価格はもちろんのこと、不動産登記費用や登録免許税、不動産収得税といった諸費用の負担、借入をした場合にはその利息や手数料と、とにかくコストがかかります。
運用が軌道に乗った後も、毎年の固定資産税や修繕費といった固定費、さらには入居率の低下といったリスクが直接降りかかってくることになります。
また、個人の投資家の場合、現物の不動産投資でオフィスビルや商業ビルに投資するのは金額的に無理があり、だいたいは賃貸マンション・アパートの運用と、建物の選択肢が少なめです。
不動産クラウドファンディングとJ-REITの違い
J-REITと似た不動産投資に「不動産クラウドファンディング」という方法もあり、この場合投資者は証券会社ではなく不動産クラウドファンディングサイトを通して運用会社を探します。運用会社は不動産特定共同事業法の許可・登録が必要です。
J-REITのほうが市場規模は大きい
J-REITは証券会社から、不動産クラウドファンディングは専用のサイトから銘柄を選びます。
不動産クラウドファンディングよりもJ-REITの方が種類は多く、また2021年の市場規模も約17.6兆円と大きくなっています。2021年の不動産クラウドファンディングの規模は約250億円であったことを踏まえると、市場規模の差は大きいといえるでしょう。
J-REITは対象となる不動産の種類が豊富にある
J-REITの投資対象となる不動産は、オフィスビルや商業ビル、大型ホテルや賃貸マンションと、種類が豊富です。
その中にも一つの用途の不動産に絞った「単一特化型」のJ-REITや、複数の用途の不動産を組み合わせた「複数型・総合型」のJ-REITなどがあります。複数型・総合型のJ-REITに投資すれば、用途ごとのリスク分散もできます。
不動産クラウドファンディングの場合は、あらかじめ投資対象の物件情報がある程度開示されていて、投資家はその情報を見て自分でクラウドファンディングを選びますが、購入チャンスは少ないです。
J-REITなら購入や売却を好きなタイミングで可能
J-REITは証券会社を通して単日で売買できます。自身の資金状況や投資方針、またJ-REITの価格変動に応じて、自分の好きなタイミングで購入・売却が可能です。
不動産クラウドファンディングは、あらかじめ決められた投資期間の間は原則、途中解約ができません。証券のように自分のタイミングで売買したい場合はJ-REITの方が良いと言えます。
不動産クラウドファンディングのメリットとは
不動産クラウドファンディングの大きな特徴は、あらかじめ投資対象の不動産の物件情報がある程度公開されているという点です。投資家は公開された情報を元に、自分の好きな物件の不動産クラウドファンディングを選ぶことができます。
自分では投資物件が選べないJ-REITに比べると、対象の物件を選べることは不動産クラウドファンディングのメリットといえるでしょう。
また、運用期間中に賃料や物件価格が下落して仮に元本割れのリスクが発生した場合、事業者が優先してその損害部分を負担するという仕組み(優先劣後システム)を導入している不動産クラウドファンディングもあります。
投資家側にとっては、投資物件の賃料が下がったからといってただちに元本割れするというわけではなくなるので、より安心して投資できます。
不動産クラウドファンディングでは、物件の取得から運用・売却まで一貫して運用会社が行うため、投資家側が何か判断をしなければならないという場面はありません。
運用をすべて運用会社にまかせることができるので、不動産運用の知識が一切ない場合でも不動産投資による利益が得られます。
不動産クラウドファンディングのデメリットとは
メリットもある不動産クラウドファンディングですが、もちろんデメリットもあります。
1つ目のデメリットは、運用会社の倒産や不正資金流用のリスクがあるという点です。
証券取引所に上場していて信用のあるJ-REITに比べると、不動産クラウドファンディングに信用力の低い会社が参入するリスクは高いです。自分の目でしっかりと会社の信用力を見極めることが求められます。
不動産クラウドファンディングの2つ目のデメリットは、好きな時に現金化ができないという点です。一度購入すると原則途中解約はできず、解約できるとしても一定の手数料がかかってしまいます。
3つ目のデメリットは、購入チャンスが少ないという点です。特に人気のある商品の場合は、購入が抽選になることもあります。
J-REITならではのメリット
J-REITのメリット
- 少額から不動産投資が行える
- 投資先不動産のタイプが豊富にある
- J-REITの分配金の利回りは高い
- 複数の投資先へ分散投資ができる
- インフレ(物価上昇)に強い
- NISAに対応している
- 専門家が物件の選定から運用までしてくれる
ここからはJ-REITのメリットを詳しく紹介していきます。
少額から不動産投資が行える
J-REITのメリットの一つは、少額から不動産投資を始められるという点です。J-REITの個別銘柄を購入する場合、安い銘柄で数万円から購入ができます。
高い銘柄だとしても数十万円ほどであり、自分で不動産を取得・運営(数千万円~数億円は資金が必要)するより遥かに少額で不動産投資が可能です。数万円~十数万円ほど資金があれば不動産投資を始められます。
投資先不動産のタイプが豊富にある
J-REITの投資先不動産には、全国からさまざまな用途の建物が選ばれます。
具体的には、全国のオフィスビルや商業ビル、大手ホテルや物流倉庫、マンションなどです。個人の投資家では金額的に投資が難しいような物件に、J-REITなら気軽に投資することができます。上場している銘柄数も、2022年2月現在で60銘柄以上と豊富です。
J-REITの分配金の利回りは高い
分配金の利回りが高いというのも、J-REITのメリットの一つです。今の時代マイナス金利で普通預金の利回りが0.001%なのに比べて、J-REITなら利回り3.0~4.0%の商品も少なくありません。
また、J-REITでは複数の不動産に同時に投資するので、リスクを分散しながら不動産投資をすることができます。
J-REITの利回りが高い理由とは?
J-REITの利回りが高いのにはいくつか理由があります。
まず大きな理由として、J-REITの不動産投資法人には法人税の免税措置が設けられていることがあります。利益の9割以上を投資家に分配することで、法人税が一定程度免除になるのです。この措置のおかげで、利益がより投資家に配分されやすくなっています。
また、J-REITの利益が賃料収入から来る安定したものであることや、分散投資をしてリスクを下げていることも、J-REITの利回りの高さにつながっています。
市場での換金性が高い
J-REITは証券取引所に上場されている商品であり、単日で現金化しやすいというのも特徴のひとつです。
株式等と同じように価格変動があるため、不動産投資による配当を受け取る他に、値上がりしたJ-REITを売却して利益を得ることもできます。市場の変動に合わせて自由に換金したい人にもおすすめの投資方法といえます。
複数の投資先へ分散投資ができる
不動産に関わらず、投資においてはいかにリスクを減らすかというのが重要です。J-REITは投資家が資金を出し合って複数の不動産に投資をする仕組みなので、リスクを分散しながら不動産投資をすることが可能になります。
自分で不動産を取得して運用していくとなると、初期投資は数千万円以上必要になり、失敗したときのリスクも高いですが、J-REITであれば分散投資ができるのです。
インフレ(物価上昇)に強い
J-REITはインフレに強いという特徴もあります。インフレとは、物価が上昇することで相対的にお金の価値が下がってしまうという状況のことです。インフレの中では、お金をただ持っているだけでは損をしてしまうことになります。
しかしJ-REITは不動産という「物」自体に投資をするため、インフレに強いとされているのです。現在は物価水準の安定を目指してインフレを起こそうとする政策が採られており、今後もインフレが続くとされるため、不動産投資がおすすめといえます。
NISAに対応している
毎年、NISA口座内で購入した一定金額の範囲の金融商品から得た利益が非課税となる制度が、NISA(ニーサ)です。一般NISAであれば毎年120万円まで、5年間非課税になります。
実はJ-REITはNISAの対象となる金融商品であり、年間120万円の購入であれば、J-REITから得た利益には税金がかかりません。
J-REITの配当収入・譲渡益にかかる所得税は20.315%です。これがかからなくなるのは助かります。
専門家が物件の選定から運用までしてくれる
現物の不動産に投資をする場合、物件の選定から取得、運用や賃貸募集・売却まで自分で判断しながら行う必要がありますが、ノウハウがない状態でこれらをこなして収益を生み出していくのは相当難しいことです。
その点J-REITであれば、実際にこれらの不動産管理をするのは投資法人の専門家です。建物の維持管理や修繕、クレーム対応なども投資法人が行うため、投資家がめんどうな作業をすることはありません。
J-REITのデメリットとは
J-REITのデメリット
- 投資先の元本割れのリスクがある
- 銀行からの融資を利用できない
- 自然災害で価格が変動する可能性がある
- 上場廃止や倒産するリスクがある
- 金利変動の影響を受けるリスクも
- 長期融資にはやや不向き
J-REITで投資をしていく上では、そのデメリットをきちんと理解しておくことも重要です。
投資先の元本割れのリスクがある
J-REITは預金に比べて高めの利回りが期待できますが、分配金や元本が保証されているわけではありません。不動産の運用によっては賃料低下や入居率の低下が発生し、それによって分配金や元本の低下が起こります。
自分が出資した元本が減る可能性があると認識した上でJ-REITに投資しましょう。
銀行からの融資を利用できない
現物の不動産に投資をする場合、多くの人が銀行からの融資を検討するでしょう。しかしJ-REITは金融商品のため、銀行から融資を受けることができません。
配当のよい商品にたくさん投資したいと思っても、自分の手元の資金だけで投資をする必要があるため、レバレッジをかけて投資をしたい場合には向いていないでしょう。どうしても多くの資金でJ-REITに投資したい場合には、個人的に借入をするしかありません。
自然災害で価格が変動する可能性がある
J-REITでは投資法人を通して現物の不動産に投資するので、火事や地震等で不動産が焼失・倒壊してしまえば、自分の投資した分の投資額を失ってしまうことになります。
特に地震の場合、一度発生すると広範囲に被害が及ぶため、投資先不動産を複数持つJ-REITでもリスクを分散しきれない可能性があります。
上場廃止や倒産するリスクがある
J-REITは株式と同じように上場している商品であり、上場の条件を満たせなくなれば投資法人が上場廃止になる可能性があります。上場廃止になった場合は期限までにJ-REITを売却する必要があるので、その時の価格によっては大損することも否定できません。
2008年には、ニューシティ・レジデンス投資法人が民事再生手続きを開始したことを受け、東京証券取引所がこの投資法人の上場を廃止しています。
また、投資法人が資金調達に失敗して倒産するリスクもゼロではありません。しかし、投資法人が倒産しても不動産がなくなるわけではなく、不動産を売却した収益が投資家に分配される可能性があります。
J-REITを選ぶ際に、信頼できる投資法人かどうかを事前によく確認する必要があります。
金利変動の影響を受けるリスクも
J-REITでの投資には金利変動のリスクも伴います。金利が上昇すると、投資法人が金融機関に支払う手数料や利息が増加します。その結果、投資法人から投資家へ支払われる分配金が減少する可能性があるのです。
長期融資にはやや不向き
J-REITの投資先不動産は、その全体の40%をオフィスビルが占めていて、物流施設が19%、商業施設が16%と続きます。
ここ2年ほど、新型コロナウイルス感染症の流行などによってオフィスを縮小してテレワークに移行する会社が増えています。そういった会社が今後も増え続けると、J-REITの価値が下がってしまう可能性があります。
J-REITに向いている人とは
J-REITに向いている人
- 手間をかけずリスクを抑えたい
- 投資金額を少なくしたい、または投資初心者
- 手持ちの現金で不動産投資を行いたい
- すぐに現金化したい
ここまで、J-REITによる不動産投資の特徴やそのメリット・デメリットなどをご紹介してきました。それでは、実際にJ-REITの投資がおすすめなのはどのような人でしょうか。
ここからはJ-REITの内容を踏まえ、数ある不動産投資の中でも特にJ-REITによる投資が向いている人の特徴と、その理由について説明します。
手間をかけずリスクを抑えたい
J-REITによる不動産投資は、実際に不動産を取得・管理・運用する必要がありません。実際の運用はすべて投資法人の専門家が行いますので、できるだけ手間を抑えて不動産投資をしたい人に向いている投資方法といえます。
また、J-REITでは複数の不動産を組み合わせて運用していくため、一つの建物の入居率が一時的に悪くなったとしても他の建物の収益でカバーが可能です。
このように、J-REITならリスクを抑えながら不動産投資ができるので、リスクをできるだけ取りたくないという人にもおすすめです。
投資金額を少なくしたい、または投資初心者
J-REITは複数の投資家が集まって不動産投資をするシステムであり、数万円といった少額からの不動産投資を可能にしました。そのため、投資金額を少なくしたい人、投資初心者の人にもJ-REITは向いているといえます。
手持ちの現金で不動産投資を行いたい
オフィスビルや商業ビルへの投資は資金がかかりすぎるので、手持ちの現金だけで取得・運用していくのには向かないでしょう。その点、J-REITであれば数万円から不動産投資ができるので、手持ちの現金だけで不動産投資をしたいという人にもピッタリの投資方法といえます。
オフィスビルや商業ビルにも、J-REITなら手持ちの現金で投資が可能です。不動産管理の手間や経費を考えると、中古不動産を自分で取得するよりも高い利回りで配当を受けられる可能性があります。
すぐに現金化したい
J-REITは上場されている商品であり、証券会社を通して数日で現金にすることができます。そのため、投資をしつつも自分のタイミングですぐに現金化をしたい人にもおすすめの投資方法です。
現物の不動産を売却して現金化するには数か月かかることもありますから、大きな違いといえます。
J-REITの種類は大きく分けて2つ
J-REITについて
- 単一用途特化型のREIT
- 複数用途型のREIT
- J-REIT保有不動産の主な用途
J-REITは、その投資方法によって大きく「単一用途特化型REIT」と「複合用途型REIT」の二種類に分けることができます。それぞれ特徴とメリット・デメリットがあります。
①単一用途特化型のREIT
単一用途特化型REITは、ある特定の種類の不動産だけに特化して投資をするJ-REITです。オフィスビル特化型やホテル特化型、商業施設特化型などがあります。
特定の種類の不動産だけに集中して投資するため、値動きが予測しやすく、利益が出た時の利幅が大きいというメリットがあります。
ただし、リスク分散がされず、いざという時に損失が出やすい可能性があり、複合用途型REITと比べるとハイリスクハイリターンな投資方法といえます。
1 オフィスビル特化型
オフィスビル特化型REITは、オフィスビルに特化して投資を行うJ-REITです。
事務所の進出や撤退などは景気の変動に左右されやすい上、近年はオフィスビルを縮小してテレワークへと移行する動きもあるため、これらの点には注意が必要です。
2 住宅特化型
住宅特化型REITは、賃貸マンションや賃貸アパートに特化して投資を行います。住宅事情は景気の変動にはそれほど影響を受けないため、安定して投資をしていきたいという人にもおすすめの投資方法といえます。
3 商業施設特化型
商業施設に特化して投資を行う商業施設特化型REITもあります。商業施設特化型は特に景気の変動に影響されやすいため、景気の良い時には利回りが期待できるものの、景気の悪い時にはリスクが高いといわざるを得ません。
4 物流施設特化型
近年ネットショッピングの市場が伸びた結果、倉庫などを扱う物流施設特化型REITも誕生しています。ネットショッピング自体はこれからも発展していくと考えられるので、物流施設特化型REITも安定した利回りが期待できますが、物流施設は撤退することも考えられます。
物流施設の撤退によるダメージは計算に入れておく必要があるでしょう。
5 ホテル特化型
ホテル特化型REITでは、観光客向けのホテル・リゾート施設やビジネスホテルに特化して投資を行います。
観光業・宿泊業自体が景気の変動の影響を受けやすいので、景気が良く宿泊客が多い場合には大きな利益を見込めるものの、景気が下がり宿泊客が減ると途端に収益構造が悪化してしまいます。
また観光シーズンや人気の影響も受けやすい上、近年はホテルの供給が需要に対して過剰気味になっているという面もあり、少々リスクの高い投資であるといえます。
②複数用途型のREIT
投資先不動産の種類を一つに限定せず、複数の用途の建物に同時に投資するREITを複数用途型REITと言います。複数の用途に同時に投資することでリスクが分散されるというメリットの一方、単一用途特化型REITに比べるとリターンが小さくなりがちというデメリットもあります。
2種類の用途の建物に投資する場合を複合型REIT、3種類以上の用途に投資する場合を総合型REITと呼びます。
1 複合型REIT
複合型REITでは、例えばオフィスビルとホテル、商業施設と物流倉庫など、用途の異なる2種類の不動産を組み合わせて投資を行います。用途の異なる不動産に分散投資することで、リスク軽減を図ることができます。
2 総合型REIT
総合型REITでは、3種類以上の異なる用途の不動産に投資をすることでリスク軽減を図ります。複合型REITよりもさらにもう一つ以上投資先を増やすことでリスク軽減の効果が高まり、より安定した投資ができる可能性があるのです。
リターンの大きさは単一用途特化型や複合型よりも小さくなるものの、安心して投資をしたいという要望に応えることができる投資方法です。
J-REIT保有不動産の主な用途
2021年12月現在の保有不動産の用途の割合を見てみると、オフィスビルが40.0%と、圧倒的に高いシェアであることがわかります。その後に物流施設が19.1%、商業施設が16.4%と続き、マンションやアパートなどの住宅関係も14.1%と決して低くない割合です。
また割合としては少ないものの、ホテル(7.7%)やヘルスケア(1.3%)への投資も行われています。2021年2月時点での数字と比較すると、オフィスやホテルの割合が減少している反面物流施設の割合が増加しているなど、一定の傾向が見られるようです。
初心者から上級者別!J-REITの比較ポイント
J-REITの比較ポイント
- 初心者向け比較ポイントとは
- 上級者向け比較ポイント
- 共通のポイントとは
初心者向け比較ポイントとは
初めてJ-REITに投資するという人の場合、数あるJ-REITの中から自分の投資方針にピッタリあった最適な商品を選び出すというのはなかなか大変で時間もかかるでしょう。
そこで、J-REIT初心者の方が商品を選ぶ際に特に気をつけて確認しておきたい、「投資対象」「利回り」「格付け」という3つのポイントについてまとめてみました。
①投資対象
1つ目の比較ポイントは「投資対象」です。そのJ-REITがどんな種類の不動産に投資しているのかをよく確認しましょう。また、不動産の用途が1種類の単一用途特化型REITなのか、2種類以上用途に投資する複数用途型REITなのかも重要なポイントとなります。
初心者の場合は、よりリスクが分散される複数用途型REITを選ぶのがおすすめです。単一用途特化型REITはエリアや用途・物件数などによって収益が大きく変わってきます。
②利回り
2つ目の比較ポイントは「利回り」です。とは言っても、利回りが高ければ高いほど良いJ-REITであるというわけでは決してありません。入居率は低いのに、たまたま物件を売ったから利回りが高く見えるだけということも多々あります。
また見た目の利回りは低く見えるものの、実は追加の不動産の購入を計画しているだけという場合も考えられます。利回りの数字だけを見るのではなく、物件数の変動や稼働率・入居率なども合わせてチェックすることが重要です。
③格付け
3つ目の比較ポイントは「格付け」です。格付けとは、株式会社日本格付研究所などの格付機関が投資法人の安全性・収益性をランク付けしたもので、投資法人の財務状況や運用状況を元に専門家によって作成されます。
この格付けが高い投資法人は安全性・収益性が高く、格付けが低い投資法人は安全性も収益性も低いと考えられるのです。初心者のうちは、専門家による格付けを参考にJ-REITを選ぶのがリスクも低くおすすめといえます。
上級者向け比較ポイント
すでにJ-REITを購入したことのある人、J-REITによって収益を上げている人は、より高度なテクニックを使って商品を比較・検討するのもおすすめです。
上記で紹介したポイントの他、「時価総額」「NAV倍率」「借入金比率」といった3つのポイントも合わせて検討するとより効果的にJ-REITを選ぶことができます。
①時価総額
時価総額とは株価に発行済株式数をかけ合わせた数字のことで、その投資法人の企業価値を計る一つの指標となります。つまり、その会社に今一体いくらの価値があるか、ということを時価総額は示してくれるのです。
時価総額を知ることで、その時々の業績だけでは計ることのできない、投資法人の本当の価値や将来性を計ることが可能になります。
また、企業価値がわかれば規模の異なる企業間での比較・検討もしやすくなるほか、外国企業との比較・検討もより正確に行えるようになるでしょう。
②NAV倍率
NAV倍率とはそのJ-REITの価格が割安なのか割高なのかを示す指標で、簡単にいえば「J-REITの1口当たりの価格とJ-REITの1口当たりの純資産の割合」で計算されます。具体的な計算式は以下の通りです。
NAV倍率の計算式
- NAV=J-REITの保有不動産の資産△借入金や投資法人債といった負債
- NAV=J-REITの価格÷1口当たりのNAV
一般的に、NAV倍率が1を超えると割高、1を下回れば割安のJ-REITといわれます。
③借入金比率
借入金比率とは、投資法人の総資産のうち借入金が占める割合を比率で表したものです。
・借入金比率=(有利子負債÷総資産)×100
の計算式で求められます。この比率が高いと、銀行などからの借入の割合が多く、倒産のリスクが高くなる危険性があるのです。
借入金比率が高いからといってただちに投資法人が倒産してしまうわけではありませんが、借入金比率が低い(=自己資本の多い)投資法人の方が倒産リスクは低いといえるのです。
共通のポイントとは
不動産情報を詳しく調べる
ここまで紹介してきたポイントによって投資対象のJ-REITをある程度絞ることができたら、そのJ-REITの持つ「不動産情報」についてもぜひ確認しておきましょう。基本的には、以下の3つのポイントを確認しておけば十分です。
不動産情報のポイント
- 築年数が古すぎないか
- 入居割合がどのくらいか
- 保有する物件数がどのくらいか
築年数が古すぎると当然不動産価値も下がりますので、これからの入居割合の低下の原因となる恐れがあります。また、入居割合が高いほど家賃収入の増加につながるはずです。
物件数自体は築年数や入居割合に比べるとそこまで注意するポイントではありませんが、物件数が多いとリスク分散につながります。参考程度でよいので、確認しておくのがおすすめです。
NOI利回りがどの割合かを調べる
NOIとは「Net Operating Income」の略で、営業純収益と不動産価格の比率によって表されます。つまり、NOI利回りを算出することでその物件の「実質的な利益や収益性」を調べることができるのです。NOI利回りは以下の計算式で算出でき、一般的には4~5%が平均といわれています。
・NOI利回り=一年間の営業純収益÷不動産価格
不動産価格が高いのに一年間の営業純収益が低いと、その不動産の実質的な収益性は低いと見られます。ただし、地方にある物件の場合は不動産価格が安くNOI利回りが高く算出されがちです。
地方物件のNOI利回りを見る際には、将来の過疎化によって入居率が下がらないか、その不動産価格が適正かといった観点からも見る必要があります。
おすすめのJ-REIT投資信託の銘柄ランキング
J-REIT投資信託のおすすめ銘柄
- 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim国内リートインデックス
- フィデリティ-フィデリティ・Jリート・アクティブ・ファンド
- 大和-ダイワJ-REITオープン(毎月分配型)
- ニッセイ-<購入・換金手数料なし>ニッセイJリートインデックスファンド
J-REITに投資する投資信託の中で、規模が大きく安定性が高めの銘柄は以下のとおりです。
順位 | 投資法人-銘柄名 |
1位 | 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim国内リートインデックス |
2位 | フィデリティ-フィデリティ・Jリート・アクティブ・ファンド |
3位 | 大和-ダイワJ-REITオープン(毎月分配型) |
4位 | ニッセイ-<購入・換金手数料なし>ニッセイJリートインデックスファンド |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim国内リートインデックス
J-REITのおすすめランキングの1位は、三菱UFJ国際投信株式会社の運用するeMAXIS Slim国内リートインデックスです。運用コストを最低限に抑えて運用するというコンセプトのeMAXIS Slimシリーズのひとつで、コストを抑えた運用が特徴となっています。
2 フィデリティ-フィデリティ・Jリート・アクティブ・ファンド
おすすめJ-REITの第2位は、フィデリティ投信株式会社のフィデリティ・Jリート・アクティブ・ファンドです。日本において上場されているJ-REITを中心に投資するファンドです。
3 大和-ダイワJ-REITオープン(毎月分配型)
大和アセットマネジメント株式会社のダイワJ-REITオープン(毎月分配型)が、おすすめJ-REITランキングの第3位となっています。J-REITに投資することで、東京証券取引所の発表する「東証REIT指数」に準ずるレベルの利益を生み出すことを目的としています。
4 ニッセイ-<購入・換金手数料なし>ニッセイJリートインデックスファンド
おすすめJ-REITの第4位は、ニッセイアセットマネジメント株式会社の運用するニッセイJリートインデックスファンドです。ダイワJ-REITと同じく日本国内のJ-REITに投資することで、東証REIT指数に連動した利益を目指しています。
J-REITを売買する方法とは
J-REITの売買方法
- REITの取引を行う証券会社に口座を開設する方法とは
- J-REITは投資信託やETFを通して投資もできる
ここからは、J-REITの取引をまだ始めたことのない初心者の人に向けて、実際にJ-REITを売買する流れについて紹介していきます。主な選択肢としては、証券会社に口座を開設したうえで、「直接銘柄に投資する」と「投資信託やETFを通して投資する」の二点があげられるでしょう。
証券会社での口座開設は一見ハードルが高めに見えますが、それほど難しくはありません。また投資信託やETFを通してJ-REITを購入する方法なら、1万円以下からJ-REITを始めることができます。早速、J-REITの購入方法についてそれぞれ確認していきましょう。
REITの取引を行う証券会社に口座を開設する方法とは
個別にJ-REITを購入するためには、証券会社に口座を開設して資金を入金する必要があります。J-REITは株式同様、証券取引所に上場しているので、証券会社の口座が必要になるのです。証券会社の口座開設は次の手順で進めます。
口座を開設する方法
- REITの取引を行う証券会社を選ぶ
- 証券口座の開設に必要なものを用意する
- 証券口座に投資資金を入金する
次の項目から、それぞれ詳しく解説します。
REITの取引を行う証券会社を選択する
まずは、REITを取り扱っている証券会社の中から口座を開設したい証券会社を選ぶ必要があります。証券会社ごとに取引手数料の料金が異なるほか、普段利用している銀行と連携ができるか、といった観点から選ぶことも可能です。
おすすめは、SBI証券や楽天証券といったネット証券です。
パソコンやスマートフォンを使ってネット上から簡単に取引を行うことができる上、取引手数料も割安に設定されています。取引手数料を抑えることができれば、その分自分の利益も増えますので、見逃せない部分です。
また、海外のREITへの投資に興味があるという人は、海外REITに強い証券会社を探しましょう。
証券口座の開設に必要なものを用意
口座を開設する証券会社を決めたら、口座開設に必要な書類をそろえて申し込みましょう。証券会社によって必要な書類は異なりますので、必ず申込前に確認してみてください。以下に必要書類の例を記載しておきます。
必要書類
- 運転免許証(表・裏)
- 健康保険証(表・裏)
- 住民基本台帳カード
- パスポート
- 在留カード/特別永住証明書(外国籍の方)
- 個人番号(マイナンバー)カード
運転免許証やパスポートは有効期限内のものだけ有効となります。
証券口座に投資資金を入金
口座が無事開設できたら、早速資金を入金してみましょう。入金ができればREITを購入できるようになります。REITには数万円台から購入できるものから、購入に数十万円~100万円ほどの資金が必要なものなどたくさんの種類があります。
初めてREITを購入するのであれば、やはり安い銘柄から購入するのがおすすめです。
J-REITは投資信託やETFを通して投資もできる
ETFや投資信託を通してJ-REITを購入する方法もあります。個別のJ-REITの詳細がわからないけれど預金よりも利回りがいいのでJ-REITを買ってみたい、という場合には、「JリートETF」という金融商品を購入するのがおすすめです。
この商品はJ-REIT全体の値動きと変動して平均利回りを得られる商品で、J-REITと同じく証券取引所に上場しているので一定の信頼があります。ただしETFを運営する会社に対する手数料が発生するため、個別でJ-REITを購入した時よりも得られる利益は減少します。
J-REITの個別銘柄を選択するのが難しい、という人には、投資信託を通して「Jリート投資信託」を購入する方法もおすすめです。投資信託のプロが、利益が最大限になるようJ-REITを選択・運用してくれます。
Jリート投資信託は1万円以下の少額から始められるものの、手数料が高くなるのがデメリットです。
J-REITにおすすめの証券会社
おすすめの証券会社
- SBI証券
- 楽天証券
- SMBC日興証券
- 松井証券
- LINE証券
- DMM 株
最後に、J-REIT投資をするうえでおすすめの証券会社やその理由をご紹介します。それぞれプランやキャンペーンを打ち出して投資家の後押しをしているのもポイントです。「これだ!」という証券会社があったら、ぜひJ-REITの取引を検討してみてください。
SBI証券
まずおすすめしたいのが、ネット証券業界のトップ・SBI証券です。グループ全体で720万以上の口座数を誇り、プロの証券トレーダーもSBI証券をメインの証券会社にしているほどです。次の章で、SBI証券のおすすめポイントをご紹介します。
SBI証券のおすすめポイントは?
SBI証券のおすすめポイントの一つが、業界屈指の手数料の安さです。アクティブプラン(現物取引)の場合、一日の取引合計額が100万円までであれば手数料0円、100万円を超えても200万円までであれば1,238円(税込)となっています。
他の証券会社の場合、一日の取引合計額が100万円を超えると2,200円もの手数料を取るところもあるので、SBI証券がいかに手数料を安く抑えているかがわかるのではないでしょうか。スマホアプリやPCツール、マーケット情報が充実しているのもうれしいポイントです。
SBI証券のメリット・デメリット
SBI証券はJ-REIT以外にもたくさんの商品を取り扱っています。SBI証券でJ-REITやその他商品を利用する上でのメリット・デメリットについて下記の表にまとめました。
SBI証券のメリット | SBI証券のデメリット |
・取引手数料が安い ・J-REITの仕組みを勉強できるページが用意されている ・米国株の取扱いが豊富 ・IPO株の取り扱いが多い ・PTS取引(夜間取引)ができる ・25歳以下の人は国内株式現物手数料が実質無料 |
・デモ口座を利用できない ・米国株取引と日本株取引でアプリが別になる ・メンテナンス時間が多い |
SBI証券は手数料の安さに定評があり、取扱い商品の多さは業界トップクラスです。米国株やIPO株への投資も検討している人には特におすすめしたい証券会社と言えます。
SBI証券のプランを紹介
SBI証券のプランはスタンダードプランとアクティブプランに分かれます。スタンダードプランとは、一つの注文に対して手数料がかかってくるプランです。1注文の約定代金に応じて、55円~1,070円(税込)の手数料がかかります。
一つの注文に対して手数料がかかるスタンダードとは対照的に、一日の取引合計額に応じて手数料が決まるのがアクティブプランです。アクティブプランの最大のメリットは、一日の取引合計額が100万円以下であれば手数料が0円となる点です。
初めて証券口座を開設する方は、SBI証券のアクティブプランで口座開設をするのがおすすめです。
楽天証券
楽天ポイントをよく使用される人におすすめしたいのが楽天証券です。楽天ポイントを使用して投資信託・国内株式などに投資ができるので、楽天ポイントを有効活用できます。気になる手数料は、現物取引であれば5万円までが55円(税込)、10万円までが99円(税込)とリーズナブルです。
楽天証券のメリット・デメリット
楽天証券を利用する上でのメリット・デメリットを下記の表にまとめました。
楽天証券のメリット | 楽天証券のデメリット |
・取引手数料が安い ・取扱い商品が多い ・投資信託の取扱い銘柄数が業界トップクラス ・ポイント投資ができる ・他の楽天サービスと連携可能 ・取引ツールが使いやすい |
・外国株の取り扱いが少ない ・IPO株の主幹事数が他社に少し劣る |
楽天証券は外国株の取扱いが少ないというデメリットがあるものの、その他の取扱い商品の多さや投資信託の取扱い銘柄の豊富さが魅力の証券会社です。また楽天ポイントによるポイント投資や、他の楽天サービスと連携ができる点も大きなメリットですので、日頃から楽天グループをよく利用している人におすすめの証券会社です。
楽天証券のおすすめポイントは?
楽天証券のメリットは、なんといっても楽天ポイントを使ってさまざまな投資ができる点です。普段の買い物で貯めた楽天ポイントを、国内株式や投資信託、米国株式やバイナリーオプションの購入に充てることができます。
もちろんNISAにも対応しており、一定金額の範囲まで分配収益・譲渡益が非課税になります。パソコン向けのトレードツールの他にスマホ用トレードアプリも充実していて、スマートフォンで情報収集や取引を行うことができます。
楽天証券のプランを紹介
楽天証券の取引プランは、ポイントを貯めながら取引ができる「超割コース」と一日の取引合計額によって手数料が0円になる「いちにち定額コース」の二つに分かれています。
超割コースであれば、現物取引の約定代金が5万円までなら手数料は55円(税込)、10万円までなら99円(税込)と業界最低水準となっています。さらに、超割コースなら国内株式・外国株式などの取引手数料の1%がポイントバックされます。
楽天証券の「いちにち定額コース」なら、一日の取引金額が100万円までなら手数料が0円で済む上、デイトレード割引でさらにオトクに取引が可能になります。
SMBC日興証券

信用取引なら手数料が0円になるプランはもちろん、100円という超少額から株式を購入できてdポイントが使える「SMBC日興証券」も、初めて証券口座を開設するという方におすすめの証券会社の一つです。特にdポイントを日常的にためている・使用しているという人はオトクに感じやすいでしょう。
SMBC日興証券のおすすめポイントは?
100円から株式などが買える「日興フロッギー」は、SMBC日興証券の強みの一つです。100円という超少額から株式・ETF・REITなど約3,700銘柄が取引でき、NISA口座も利用できます。
また、ダイレクトコースであれば株式取引のさまざまな場面でdポイントが貯まり、使うことも可能です。期間・用途限定ポイントも利用できるのも助かる点です。現物取引の手数料は約定代金10万円以下なら一律137円(ダイレクトコース)と、業界でも低い水準になっています。
SMBC日興証券のメリット・デメリット
SMBC日興証券を利用する上でのメリット・デメリットを下記の表にまとめました。
SMBC日興証券のメリット | SMBC日興証券のデメリット |
・100円から投資が可能 ・dポイントを貯められる ・IPO株の取扱い銘柄が多い ・動画によるセミナーが豊富 |
・総合コースは手数料が高め ・IPO株を辞退するとペナルティがある ・オンライン取引の場合は中国株しか取引できない |
SMBC日興証券では、100円から金額指定で株式やETF、REITなどの取引ができる日興フロッギーや、「金額」もしくは「株数」を指定して100円から株式投資ができる「キンカブ」という少額から始められる商品が豊富です。投資初心者の人も手軽に始められるのでおすすめです。また、IPO株の取扱いがとても多く、ダイレクトコースではIPOの優遇特典も受けられるため、IPO株を始めたい方にもおすすめです。
SMBC日興証券のプランを紹介
SMBC日興証券のプランは、手数料が安くdポイントが使用できる「ダイレクトコース」と、支店の担当者のアドバイスや投資情報の提供を受けながら取引できる「総合コース」の二つが用意されています。
パソコンやスマートフォンから自分のペースで取引をしたい、dポイントを活用しながら株式取引をしたいという方は、手数料も安いダイレクトコースがおすすめといえるでしょう。総合コースなら、確かな情報提供を受けながら取引を進めることができます。
松井証券

証券会社業界でも初めて本格的なインターネット取引を開始し、25歳以下の株式取引の手数料を0円にするなど、たくさんの「業界初」に松井証券は取り組んできました。この証券会社も、初めて証券口座を開設する方におすすめできる証券会社です。
業界最安水準の手数料や豊富な投資情報ツールのほか、セキュリティ対策にも力を入れています。
松井証券のおすすめポイントは?
松井証券のおすすめポイントは、手数料が割安であるのと同時に充実したサポート体制があるという点です。松井証券の手数料は、25歳以下ならばいくら取引しても0円となっています。26歳以上でも一日の取引合計金額が50万円以下であれば同じく手数料0円です。
それでいて取引ツールや投資情報ツールは充実しており、スマートフォン向けアプリを使用すれば外出先でも簡単に取引ができるようになっています。不明点をパソコン画面の共有を通して解決する「リモートサポート」など、サポート体制も万全です。
松井証券のメリット・デメリット
松井証券を利用する上でのメリット・デメリットを下記の表にまとめました。
松井証券のメリット | 松井証券のデメリット |
・商品の取り扱いが豊富 ・アプリやツールの種類が多い ・手数料が50万円以下の場合は無料 |
・取引金額が大きくなると手数料が割高になる ・2022年1月現在は外国株の取り扱いがない(2月下旬米国株リリース予定) |
松井証券の特徴は、株式の現物取引の場合、1日の約定金額が50万円以下は手数料が無料という点です。少額の株式を購入する場合にはメリットがありますが、50万円を超える場合は逆に他社よりも手数料が割高になります。1日の約定金額が50万円を超える取引をすることが多い人は手数料で損をしてしまう可能性があるため注意が必要です。
松井証券のプランを紹介
松井証券の手数料プランはとてもシンプルで、現物取引であれば一日の取引合計が50万円までの場合手数料は0円で済みます。さらに25歳以下であれば、一日にどれだけ取引をしても手数料は0円です。
投資信託の購入時手数料やNISA手数料は、年齢などの条件に関わらず手数料が無料です。株価ボードや為替ニュースといったパソコン向けサービス、スマートフォン向けの松井証券FXアプリなども無料で使用できます。
株式手数料20%ポイントバックキャンペーン
松井証券では、2021年11月15日~2022年2月28日までのキャンペーン期間中に口座開設をした人に向けて、取引手数料の20%(最大10万ポイント)が戻ってくるポイントバックキャンペーンを行っています。
条件は、キャンペーン期間中に口座開設をし、翌月末までに株式取引をして手数料を払い、申込みをすることとなっています。(2022年1月時点)
LINE証券
普段使用しているLINEを活用して株式取引ができるLINE証券も、株式取引初心者の人におすすめです。注文から売却まで、LINEアプリ内で完結するのがLINE証券です。
初期投資の費用も数百円からに抑えられていて、初めて株式取引に挑戦する人のハードルが極限まで下げられています。
LINE証券のおすすめポイントは?
LINE証券のおすすめポイントは、とにかく株式取引の手間と心理的なハードルが下げられているという点です。普段のLINEアプリ利用の延長という気軽さで株式取引を行うことができるため、初めて株式取引に挑戦する人の後押しとなっています。
LINEポイントを1ポイント1円として利用することもできるので、LINEポイントが中途半端に余っているという場合にも活用できる証券会社です。手数料は約定代金が5万円以下なら55円(税込)、10万円以下なら99円(税込)と、やはり業界最安水準で使用できます。
LINE証券のメリット・デメリット
LINE証券を利用する上でのメリット・デメリットを下記の表にまとめました。
LINE証券のメリット | LINE証券のデメリット |
・LINEアプリから利用できる ・投資信託の購入手数料が無料 ・投資信託や株式の少額投資ができる ・LINE Payからの入出金やLINEポイントでの投資ができる ・FXサービスも利用できる |
・NISAが利用できない ・取り扱っている商品が少ない |
LINE証券の大きなメリットは、LINEを利用している場合はそのままLINEアプリから投資ができることです。また、投資信託の購入手数料が無料で100円から投資ができるため、初心者の人も気軽に始めることができます。ただし、NISAの取扱いがないなど取り扱っている商品が他社よりも少ないため、色々な商品を試したい人には向いていないかもしれません。
LINE証券のプランを紹介
LINE証券の手数料プランは、SBI証券や楽天証券と同じ業界最安水準で設定されています。例えば、現物取引の一回の取引の約定代金が5万円以下なら55円(税込)、10万円以下なら99円(税込)、20万円以下なら115円(税込)です。
さらに信用取引なら約定代金が50万円を超えても手数料は無料となっています。また、投資信託の手数料も無料です。LINE公式アカウントを友だちに追加することで、LINE証券や投資情報などのオトクな情報を受け取ることもできます。
DMM 株
最後に紹介するのはDMM 株(DMM.com証券)です。手数料が業界最安水準であることはもちろん、たまったDMM 株ポイントは現金化でき、25歳以下の手数料がキャッシュバックされるといった点で高く評価されています。
若いうちからしっかり投資をしていきたい人にぴったりの証券会社といえるでしょう。
DMM 株のおすすめポイントは?
DMM 株の一番のおすすめポイントは、取引手数料の1%を1ポイント=1円のレートで現金化できる「DMM 株ポイントサービス」があることです。元々業界最安水準に設定されている手数料が、このポイントサービスによってさらに安くなります。
さらに、新規口座開設してから1か月間は手数料0円でサービスが利用できる常設のキャンペーンを利用すれば、手数料をさらにオトクにすることも可能です。メールや電話・LINEのサポートが充実しており、手数料を抑えつつもしっかりサービスを受けたいという人にもおすすめです。
DMM 株のメリット・デメリット
DMM 株を利用する上でのメリット・デメリットを下記の表にまとめました。
DMM 株のメリット | DMM 株のデメリット |
・手数料が安い ・取引ツールが使いやすい ・米国株取引ができる ・取引するたびにDMM 株ポイントが貯まる |
・投資信託、つみたてNISAの取扱いがない ・海外株では為替手数料がかかる |
DMM 株は手数料の安さが魅力の証券会社です。またDMM 株ポイントをためることでさらにお得に取引ができます。ただし、投資信託やつみたてNISAなどの取扱いがないため、まずは株取引をしてみたいという初心者には向いていますが、様々な商品に投資したい上級者には不向きかもしれません。
DMM 株のプランを紹介
DMM 株の手数料プランは、現物取引の約定金額が5万円以下であれば55円(税込)、10万円以下であれば88円(税込)と、業界内でも最安の水準に設定されています。
さらに、25歳以下の利用者であれば手数料がキャッシュバックにより0円になるというサービスも実施しており、株式取引初心者や若い人の株式取引へのハードルをかなり下げています。
たまったポイントを現金化できるDMM 株ポイントサービスや新規口座開設キャンペーンと組み合わせることで、さらに手数料を抑えて株式取引をすることも可能です。
J-REITは安定した利回りが見込めるおすすめの投資方法
ここまで、近年投資先として人気が高まってきているJ-REITについてご紹介してきました。
数万円といった少額から不動産に投資ができ、リスク分散をしながら安定した利回りが見込めるとして高く評価されているJ-REITは、投資初心者の方でも参入しやすい投資方法のひとつです。
こうしたメリットだけでなく、元本割れリスクなどのデメリットもしっかり把握してからJ-REITに投資することで、より安全に不動産投資ができるようになります。また、J-REITに投資するためには証券会社に口座を開設することが必要です。
証券口座をまだ持っていないという方は、今回紹介したSBI証券などでの口座開設をおすすめします。資産形成の一つの方法としてメジャーになってきたJ-REITをうまく活用していきたいものです。
J-REITについてのQ&A
J-REITとREITの違いはありますか?
J-REITとREITの違い、それは日本の制度かアメリカの制度か、という国の違いです。元々、複数の投資家が集まって投資法人に資金を提供することで、少額からでも不動産投資ができる仕組みとしてアメリカで誕生したのがREIT(Real Estate Investment Trustの略)です。
そのアメリカのREITが日本でも取り入れられ、J-REIT(「J」はJapanの「J」)と呼ばれるようになりました。J-REITが日本でも浸透してきていることから、J-REITのことを単純にREITと呼んでいる場合もあります。
日本のサイト等で「REIT」と書かれている場合は、J-REITのことだと理解して問題はないでしょう。
J-REITはどうすれば買えますか?
J-REITを購入する方法は主に3つあります。
1つ目は、証券会社に口座を開設し、自分でJ-REITの個別銘柄を選んで購入する方法です。多くの証券会社において口座開設は無料で行えるようになっており、J-REIT投資へのハードルは下がってきています。
2つ目は、同じく証券会社を通してJ-REIT ETFを購入する方法です。J-REIT ETFはJ-REIT全体の利回りに応じて利益を配分するため、リスクは分散されているものの利回りは低めとなっています。
3つ目の方法は、J-REIT投資信託を購入する方法です。ETFや投資信託の形でJ-REITに投資をする場合、運営会社に支払う手数料の分利幅が減ってしまうことに注意が必要です。
リートに関する税金はありますか?
J-REITに投資することで得られた分配収益や譲渡益には、それぞれ20.315%の税金(所得税・住民税の合計)が課せられます。ただし、NISA口座を開設してその非課税範囲内でJ-REITを購入した場合は、非課税範囲内に限り税金が免除されます。
一般NISA口座であれば年間120万円までが非課税枠として設定されており、その範囲内で投資したJ-REITからの分配金・譲渡益は非課税です。
なお、J-REITの取引に「特定口座(株式取引やJ-REIT取引のための専用口座)」を使用した場合は、証券会社が税金を計算して源泉徴収するので、自分で改めて確定申告をする必要がなくなります。
給与収入とJ-REIT取引以外に収入のないサラリーマンなどは、特定口座を使用することで確定申告の手間を省くことが可能です。
J-REITと不動産投資の違いはなんですか?
J-REITと不動産投資との大きな違いは、実際に現物の不動産を取得して運用するのが投資家自身か投資法人か、という部分です。
自分で不動産を取得して運用していく不動産投資の場合、初期費用に少なくとも数千万円~数億円かかるうえ、不動産の売買契約や所有権移転登記といった手続き上の手間や登録免許税・不動産取得税などの諸費用が負担となってきます。
そういった手続き上の手間や負担を投資法人が行い、投資家は出資だけをするという仕組みが、J-REITなのです。
J-REITなら実際に不動産を取得して運用するのは投資法人になります。J-REITのおかげで、投資家は数万円という少額からでも不動産投資ができるようになったといえます。
J-REITと不動産投資型クラウドファンディングの違いはなんですか?
J-REITと不動産投資型クラウドファンディングの違いは、資金を集める場所の違いと市場規模や投資先不動産の件数の違いなどです。J-REITは株式と同様証券取引所に上場された金融商品であり、証券会社を通して購入・投資を行います。
一方の不動産投資型クラウドファンディングでは、投資家は不動産投資に特化したクラウドファンディングサイトで目的の不動産投資クラウドファンディングを探します。投資の規模はJ-REITの方が大きく、数百億円の規模のJ-REITも多く存在します。また、両者の最大の違いはその換金性の高さにあります。
J-REITは非常に換金性が高く、証券会社を通して数日で現金化できますが、不動産投資クラウドファンディングでは原則途中解約はできません。自分のタイミングで現金化しながら投資を行いたい場合は、J-REITがおすすめです。
※本記事で記載の情報は、個別に記載のない限り、2022年1月25日時点でのものになります。証券会社等の口座開設やキャンペーン利用の際には、各社公式ホームぺージの最新情報をご確認ください。
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