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公務災害認定に向けた支援を呼び掛ける島谷さんの妻(後ろ姿)=明石市、勤労福祉会館
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公務災害認定に向けた支援を呼び掛ける島谷さんの妻(後ろ姿)=明石市、勤労福祉会館

 阪神・淡路大震災のがれき収集に兵庫県明石市職員として従事し、アスベスト(石綿)が原因とされる悪性腹膜中皮腫で2013年に亡くなった島谷和則さん=当時(49)=の公務災害認定を支援する団体の総会が市内であった。島谷さんの妻(54)は「夫が石綿を吸引したのは公務以外にあり得ない。不安でいっぱいですが、命を奪った原因を明らかにしたい」と涙ながらに訴え、支援を呼び掛けた。

 島谷さんは1991年4月、明石市に採用され、震災後は石綿を含む建築廃材などのがれきを収集。2012年6月に悪性腹膜中皮腫と診断された。

 地方公務員災害補償基金の県支部に公務災害の認定を求めたが、審査中の13年10月に亡くなった。島谷さんは生前、「こんな苦しい病気にかかるのは自分だけで十分。だが、同じ作業をしていた仲間が中皮腫にならないとは限らない」と訴え、救済の道を自ら作ろうとしていた。

 同支部は14年3月に「公務外」としたが、遺族が遺志を引き継ぎ、再審査を請求している。

 さらに今年1月には同基金を相手取り、認定を求める訴訟を神戸地裁に起こした。

 支援団体は15年3月、市職員労働組合が中心になって設立した。総会は今月14日に市立勤労福祉会館(相生町2)であり、支援する位田浩弁護士が公務災害に認定すべき根拠を説明。

 市職員として働き、石綿を吸引した期間が労災の認定基準の1年を超す▽公務以外に石綿を吸った可能性がない▽悪性中皮腫になる原因は石綿以外にないとされている-などとした。

 島谷さんの妻は約60人の支援者を前に「明るく元気で、存在感のある夫だった。心の中にぽっかりと穴が開いてしまった」と自らの心情を伝えた。当初は淡々と語っていたが、支援者への感謝に触れると声を詰まらせた。

 「このままでは、危険を顧みず頑張ってきた人たちが報われない。裁判は不安だし、逃げ出したくもなるが、主人を忘れずに応援してくれる人がいることを支えに、これからもがんばりたい」(藤井伸哉)

■「中皮腫の原因は石綿」弁護士が指摘

 島谷和則さんが発症した悪性腹膜中皮腫。訴訟を担当する位田浩弁護士は「石綿の吸引を原因とする特異的疾患で、他の原因は極めてまれ」とし、震災がれきの収集や運搬などで大量に飛散した石綿を吸い込んだことなどが原因と指摘する。

 位田弁護士によると、島谷さんは、市職員になる前に石綿を吸い込むような仕事をしていない▽居住地の近隣に石綿を取り扱う工場などがない▽同居家族に石綿に関わる作業に従事した人がいない-とする。

 一方、支援団体は、民間対象の労災保険に比べ、地方公務員災害補償基金の認定が厳しい点を問題視。同基金による石綿関連疾患の認定割合は低水準で、中皮腫は近年、労災保険が94・6%だが、同基金は42・4%にとどまる。支援者らは「きちんとした救済の道があってしかるべき」と訴えている。

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