明石

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新しい飼い主の吉田清子さんと「第二の人生」を楽しむ正宗君=明石市二見町東二見
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新しい飼い主の吉田清子さんと「第二の人生」を楽しむ正宗君=明石市二見町東二見
さあ、散歩に出発=明石市二見町東二見
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さあ、散歩に出発=明石市二見町東二見

 兵庫県明石市二見町東二見のみなと記念ホールの玄関脇で“セカンドハウス”を構える犬の正宗君(オス・3~4歳)が来館者に人気だ。ほえたりうなったりすることもなく、日がなのんびりしている様子に「癒やされる」とのこと。かつて、迷い犬として保健所にいた悲しい過去を持つ正宗君。新たな飼い主と歩む第二の人生は、まさに悠々自適といったところだ。(小西隆久)

 正宗君は、同ホールに事務所を構える東二見漁業協同組合(大西賀雄組合長)職員吉田清子さん(36)=神戸市垂水区=の飼い犬。

 吉田さんとの出会いは昨年6月、神戸市兵庫区の「保護犬ふれあいカフェ」だった。正宗君の風変わりな毛並みが気に入った。

 ペットショップで購入するのではなく、保護犬を引き取ったのには理由がある。吉田さんが実家で飼っていた犬が子犬を産んだとき、引き取ってもらうのに苦労した経験があるからだ。

 「せっかく生まれてきたのに生きられない犬がいる」との思いが心に引っかかっていた。

 保護犬カフェを主宰する一般社団法人「ガーディアン」によると、正宗君は神戸市動物管理センター(北区)で迷い犬として保護されたが、飼い主は現れなかった。同法人が引き取った約1カ月後、吉田さんが新しい飼い主になった。

 日本酒が大好きな吉田さんは「最期まで面倒を見る」との決意を込め、好きなお酒の銘柄から「正宗」と命名。1人暮らしなので「仕事している間、ずっとひとりぼっちはかわいそう」と同漁協の大西組合長に相談し、事務所の横で世話をする許可を得た。

 昼休みに近くの公園を散歩していると、近所の住民から「ええなあ、散歩してるんか」と、いつも声を掛けられる。

 正宗君は来館者が来ても小屋の中などで寝そべっていることが多いが、バナナなどのおやつが大好き。

 吉田さんは「事務所を訪れる漁師さんやおばあちゃんからいろんな食べ物をもらっているみたい。ちゃっかりしている」と苦笑する。

 当初は「ちょっと手を上げただけでもおびえていた」といい、吉田さんが頭をなでても常にしっぽを下げていたが、今では吉田さんが出先から帰ると走って出迎える。

 「部屋の抜け毛を掃除するのは大変だけど、大事な家族」と笑う吉田さん。正宗君をなでる手つきはどこまでも優しい。

 新しい飼い主との生活を満喫する正宗君。一方で、県内では年間2千匹以上の犬や猫が動物愛護センターに収容され、大半が処分されている現実がある。

 県生活衛生課によると、県の動物愛護センター(神戸、姫路、西宮、尼崎市を除く)で2016年度に収容された犬は473匹、猫は1875匹。このうち新たな飼い主らに譲渡されたのは、犬163匹で約34%、猫は265匹で約14%にとどまった。残りはすべて処分されたという。

 犬、猫ともに収容数、処分数は減少傾向にあり、16年度は尼崎市が中核市となって県の統計から外れた10年度以降で最少に。一方、譲渡される匹数は最多になったが、全体の2割にも満たない。

 4月から中核市となり、新たに動物センターを開設した明石市は、捨て犬や捨て猫を出さないよう飼い主への啓発を強化する方針だ。

 保健所から犬や猫を引き取り、飼い主を探す「保護犬(猫)カフェ」を16年から続ける一般社団法人「ガーディアン」(神戸市兵庫区)。今年は80匹以上に新しい飼い主を見つけたが、それでも引き取った数の1割程度という。

 代表の秋山文子さん(45)は「正宗君のように引き取ってすぐに飼い主が見つかるケースはまれ。今後もそんな幸運に恵まれる犬や猫が増えてほしい」と願う。

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