明石

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日本酒文化の浸透を目指す(左から)渡邉大さん、茨木幹人さん、田中泰樹さん=明石市魚住町西岡
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日本酒文化の浸透を目指す(左から)渡邉大さん、茨木幹人さん、田中泰樹さん=明石市魚住町西岡
日本酒文化の浸透を目指す渡邉大さん=明石市魚住町西岡
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日本酒文化の浸透を目指す渡邉大さん=明石市魚住町西岡

 兵庫県明石市の酒蔵と酒販店、輸出支援の専門家が強力スクラムを組み、日本酒を世界に広める活動を進めている。加熱処理をしない「生酒」を武器に、東南アジアやヨーロッパで販路拡大に挑む。3人は「ワインが世界で根付いたように、日本酒を文化として定着させたい」と意気込む。

 海外への輸出を支援するコンサルタント会社を本町2で経営する渡邉大さん(42)、「来楽」で知られる茨木酒造(魚住町西岡)の蔵元茨木幹人さん(38)、魚の棚商店街(本町1)で「たなか酒店」を営む田中泰樹さん(50)。

 きっかけは渡邉さんが、田中さんが経営する立ち飲み屋「立ち呑み田中」の常連客だったこと。

 物流会社に勤めていた渡邉さんが、店で扱うおいしい日本酒を「世界に広めよう」と、カウンターで接客していた田中さんと意気投合。同店の取引先の茨木さんも加わり、渡邉さんの会社のプロジェクトとしてスタートさせた。

 2012年、香港であった国際展示会に茨木酒造などの生酒を出品した。

 空輸や陸送の全行程で冷蔵を徹底するなど、細やかな品質管理に気を配った。海外の輸送では温度管理が難しかったが、火入れされた日本酒にはない「果実のようなフレッシュさ」を伝えたかった。

 国内の関係者からは「コストが高すぎナンセンス」と冷ややかな指摘も受けたが、海外の業者の反響は大きく、翌年には香港への輸出につながった。

 商売よりも重視しているのは人や飲食店とのつながり。日本酒の人気は高まっているが、価格だけに興味がある業者とは取引しない。繊細な管理法やおいしさを理解してくれる人と信頼関係を築き、ファンを増やす。

 その結果、海外で出会った100人以上が明石を訪問し、酒造見学や和食を楽しんだ。7月には3人でイギリスやフランス、ベルギーを訪ねて明石訪問のお礼を伝え、さらなる人脈を広げた。

 茨木さんは「料理を含めた食としての日本酒文化が広がりつつある」と手応えを感じている。

 田中さんは「酒屋が隣の飲食店に説明しながら酒を売るような関係を、海外でもつくりたい」と話す。(藤井伸哉)

■海外でも同じ味を 渡辺大さん

 酒もサカナもうまい、と市内外で人気の「立ち呑み田中」。渡邉さんが日本酒の奥深さに魅せられたのは、同店の常連になったことが一つのきっかけだ。

 意気投合した3人は2015年4月、NPO法人「国際食農・酒文化普及使節団」を立ち上げた。酒場の盛り上がりを、具体的な行動に移せたのは、物流会社に勤めていた渡邉さんの豊富な経験と人脈に負うところが大きい。

 現在、兵庫県内外の酒造メーカーや酒販店など計10社が加盟し、日本貿易振興機構(ジェトロ)の輸出支援事業にも協力する。生酒の品質管理や輸送のノウハウは、一朝一夕にはまねできないという。

 年間約200日を海外で過ごす。外国で日本酒を飲むと「日本とは味が違う」と違和感を覚えることが多い。温度管理などが徹底されず、微妙に品質が落ちてしまっているからだ。

 「日本酒の本当のうまさを伝えたい」。そんな信念で人脈を広げる。「人脈はお金では買えない。信頼を得た後のパイプは強い」と話す。

 今後の目標は? 尋ねるとこんな答えが。

 「海外の飲食店でも、『おぉ、日本の味と同じだね』と話しながら飲みたいですね。ライフワークですから」

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