明石

  • 印刷
車いす体験をしながら東二見の街を歩く参加者と飯塚さん(右)=明石市二見町東二見
拡大
車いす体験をしながら東二見の街を歩く参加者と飯塚さん(右)=明石市二見町東二見
段差を解消しているつもりが…。介助なしでは通れない道も=明石市二見町東二見
拡大
段差を解消しているつもりが…。介助なしでは通れない道も=明石市二見町東二見

 すべての人が楽しく旅行できる「ユニバーサルツーリズム」という考え方がある。兵庫県明石市二見町東二見で先月、明石高専の学生や地域住民が、車いすに乗りながら利便性を考える街歩きがあった。ユニバーサルツーリズムの観点で二見のまちはどう見えるのか。一緒に歩いて考えた。

 山陽電鉄東二見駅で迎えてくれたのは、「明石ユニバーサルツーリズムを考える会」代表の飯塚理能さん(38)=神戸市。

 脳性まひがあり車いすを利用している。街づくりに取り組む明石高専建築学科の大塚毅彦教授と連携し、魚住や江井島地域も歩いてきた。現在は、明石市に障害者の目線で政策提言するユニバーサルモニターを務める。

 参加したのは大塚教授のゼミ生や民生委員ら26人。うち2人が車いすに乗って街歩きがスタートした。地図を片手に、東二見の観光スポットなど約10カ所を巡った。

 御厨神社へ向かう道中では、車いすでも使えそうなトイレを確認。奥行きがあり一見使えそうでも、実際に入るとかなりギリギリだ。「介助者がいたら身動き取れないよ」との指摘もあった。

 御厨神社に到着すると「うちも去年、多目的トイレを作ったんや」と中嶋邦弘宮司。早速検証に向かう。

 トイレは境内の片隅にあった。スライド式のドアを開けると、車いすに乗ったまま方向転換できるほど広い。体験者は「これなら使える」「案内表示があればもっと便利だね」と意見交換。

 神社すぐ前の歩道では、フェンスがせり出し、道幅が狭い箇所が。「ここは危ない」と、メンバーが地図に書き込む。

 「弘法大師の霊水」と呼ばれる湧き水で一行の足が止まった。弘法大師の祈りにより湧き出したとされる地元で有名な井戸水という。だが、道路脇のけわしい階段を下りないとたどり着けない。迂回路となるスロープの存在を地元の人に聞き、ぐるりと回り込むが、道幅が狭い。傾斜もきつい。手動の車いすだとかなりの負荷がかかる。

 観音寺や瑞応寺、都市景観形成重要建築物の「増本邸」などを巡り、計約3キロのコースを歩き終えた。

     ◆  

 公民館で意見交換会をした。多かったのは「健常者では分からない不便さに気付いた」という声。トイレの広さ、歩道の幅、地面の小さな凹凸…。さまざまなポイントをホワイトボードに書き出した。

 「多目的トイレや、階段の迂回路など、せっかくの設備が観光客に分かりにくいのはもったいない」「ハード面での改善はもちろんだが、周りの人が少し手助けをすれば楽しめる場所は多かった」などの意見も。

 飯塚さんはどう感じたのか。「東二見のような生活道路が多い地域は、車道と歩道を分ける段差が少なく、意外と観光しやすい。国道2号のような大きい道路は、歩道が狭かったり途切れたりして実は危ない」と車いす利用者ならではの視点を教えてくれた。

 一方で、「スロープがある=1人で通れる道ではないことも分かってもらえたと思う。地域ぐるみで考える機会が作れてよかった」と話した。

 今回の成果を簡単なマップにし、気付いた課題を市に伝えるという。(勝浦美香)

明石の最新
もっと見る

天気(2月17日)

  • 9℃
  • ---℃
  • 20%

  • 7℃
  • ---℃
  • 50%

  • 10℃
  • ---℃
  • 10%

  • 9℃
  • ---℃
  • 20%

お知らせ