明石

時計2019/2/26 05:30神戸新聞NEXT

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辞職会見から17日ぶりに姿を見せた前市長の泉房穂氏=18日夜、明石市内(撮影・斎藤雅志)
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辞職会見から17日ぶりに姿を見せた前市長の泉房穂氏=18日夜、明石市内(撮影・斎藤雅志)

 「明石のことは大好きです。明石の将来も心配です。でも自分が今、そういうことを言える立場にはありません」

 職員への暴言の責任を取り、市長の辞職会見から17日ぶりに公の場に姿を見せた泉房穂(55)はマイクを前に時折、涙ぐんだ。

 両手は体の前で組んだまま、髪を短く刈り込んだせいか、側頭部には白髪が目立っていた。

 18日夜、西明石のホテルで開かれた政治資金パーティー「泉房穂と明石を語る会」。報道関係者にも公開されることになった。

 明石の政財界から約450人が詰めかけた。いつもよりやや多い。

 「辞職会見の後、ドーンと落ち込み、明石の自宅を離れ、部屋に1人閉じこもって自らの罪深さと向き合い、過ごしておりました」

 涙ながらに語る泉に、支援者から「もうええ。もう1回市長になれ」との声が飛んだ。

 本来ならこのパーティーは、泉がすでに立候補を表明していた市長選への決意を語る場となるはずだった。職員への暴言問題が発覚後、中止も検討したが、後援会に「開くべきだ」との声が多く寄せられ、泉も「直接謝罪をしたい」との意向を示したため、開催に踏み切った。

   ■   ■

 会場には、副市長の和田満(64)をはじめ市幹部も顔をそろえた。

 たこバスの高齢者利用を無料化するなど「泉カラー」の新年度予算案をあえて「骨格予算」にはせず、そのまま議会に提出した明石市。その姿勢は、泉の“復帰”を想定した布石のようにも映る。

 「辞職してもなお、パーティーに出席するかどうかが踏み絵だった」

 数日前、中止もうわさされたパーティーの開催を聞いた市幹部はため息をつく。

 出席者の多くは泉が辞職する前に会費を払っており、「出席したからといって、全員が(泉の復帰を)期待しているわけではない」と付け加えた。

 現職の市議は、定数30の半数にも満たない10人ほど。ある市議は「立候補するかどうかも分からんのに、資金集めのパーティーを開くなんて」といぶかる。

 2カ月後に控える市議選への影響を心配したか、議会への説明を十分にしないまま辞職した泉への不信感か--。いずれにせよ、泉陣営にとって不安が残る一夜となった。

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 「火を付けて捕まってこい」

 新聞各紙が「明石市長 職員に暴言」と一斉に報じたのは1月29日。市役所には抗議の電話やメールが殺到した。

 問題となったのは2017年6月、市長室であった打ち合わせを録音した音声データの内容だった。

 道路拡幅工事に伴う立ち退き交渉の進み具合について、泉が職員に容赦のない暴言を浴びせる様子が記録されていた。

 報道を受けて開いた会見で泉は「自身の処分は副市長と相談して決めたい」とかわし、「(4月に予定されていた統一地方選で)市民に判断を仰ぎたい」と辞職を否定、市長選への意欲も示した。

 だが、そのわずか3日後、再び会見した泉は一転して辞職を表明した。

 「役所に苦情の電話が殺到し、業務に支障が出ている。このままでは市民生活に影響が及ぶ」

 辞職を決めた理由をこう述べた。弁解は一切せず「辞職以外の選択肢はない」と謝罪を繰り返したが、辞職に伴う市長選への態度は最後まで明らかにしなかった。

 翌日、市議会の臨時議会が急きょ開かれ、泉の辞職願を全会一致で同意。わずか15分のことだった。

 泉が再三、口にしていた明石市制施行100年の節目が今秋に迫る中、わずかな任期を残し、泉は市役所を去った。(敬称略)

   ■   ■

 泉房穂・前市長の突然の辞職で、明石市長選の展開は急転した。当初の4月予定が約1カ月前倒しされ、新年度予算を決める市議会定例会はトップ不在のまま開会した。明石市はどこへ向かうのか。急転の後先を探る。(小西隆久、藤井伸哉)

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