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「食は人をつなぐ力がある」。約15年の活動を本にまとめた入江一恵さん=明石市松ケ丘2
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「食は人をつなぐ力がある」。約15年の活動を本にまとめた入江一恵さん=明石市松ケ丘2

 兵庫県明石市と神戸市垂水区にまたがる明石舞子団地(通称・明舞団地)で高齢者の見守りを兼ねた配食事業を15年以上続けるNPOひまわり会の前代表・入江一恵さん(89)=明石市=が雑誌に連載した活動記が1冊の本になった。旬や栄養を大切にして作る同会の食事は「やさしい味」とファンが多く、手渡しで弁当を届け続けてきた日々の思いがつづられている。

 香川県出身の入江さんは高校家庭科教諭を退職後に大学の教壇にも立ち、食生活論などを教えた。「個の尊厳」を重視する北欧の手厚い福祉体制に関心を寄せていたこともあり、2003年、高齢化が進む明舞団地で「食を通した福祉コミュニティづくり」を目指して同会を発足させた。

 今年丸16年を迎え、現在は45人のボランティアが活動する。週4日、団地や周辺に住む高齢者らに届ける弁当や、団地内の食堂スペースで提供する昼食は、年間2万9千食と当初の約3倍に増えた。

 連載は04~16年、隔月刊誌「くらしと教育をつなぐwe」(フェミックス)に計80回掲載され、「ひまわりの日々 食からひろがる地域のつながり」(四六判、223ページ)として刊行された。空き店舗を改装した調理場兼食堂で活動を始めて、1人また1人と同志が増え、平均70歳近い仲間と、早朝から夜まで忙しく作業をこなす様子を紹介。「元気な高齢者が、助けが必要な高齢者を支えるのは時代の要請」と使命感を語る。

 「交通事故で不自由な体を横たえ、這いながら玄関に出てくる方」「ともに透析を受ける寝たきりの高齢ご夫婦」など、さまざまな利用者に食事を届け、死に直面することもたびたび。そのつど心が揺らいだ。

 手渡しを徹底し、見守りの役割を重視してきた。今では地域の支え合いの成功事例として全国から視察が絶えない。14年には明石市側の新施設へ移転し、調理する環境も改善。昨年に代表を降り、メンバーの一人として会を支える。

 入江さんは「ノウハウではなく、支え合いの風景を読み取ってもらえたら」と力強い声で話した。1600円(税別)。フェミックスTEL045・482・6711

(小林良多)

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