明石

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亡き母万里子さんの肖像画で初の個展を開いた川上奈々さん=明石市東仲ノ町
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亡き母万里子さんの肖像画で初の個展を開いた川上奈々さん=明石市東仲ノ町

 そのときは、もう、いなかった-。インターネットで依頼を受け、似顔絵を描いている兵庫県の明石高校美術科出身の川上奈々さん(25)=神戸市西区=が、亡き母だけを描いた個展を開いている。奈々さんにとって初めての個展だ。半年前に亡くした母、万里子さんの存在をかみしめるように描いた肖像画30点が並ぶ。

 会場はアスピア明石(同県明石市東仲ノ町)のスマイルギャラリー。

 川上さんは美術科で彫刻を専攻した。数年前からはネット上で「似顔絵屋さん」として活動している。

 だが、初の個展は似顔絵屋さんとしての作品ではなく、母の肖像にした。

 個展のタイトルは「そのときは もう いなかった」。そうしたのには理由がある。

 奈々さんは「母とはずっと相性が合わず、仲良くできなかった」という。

 しかし、3年前に子どもができてからは関係が改善した。2人目が生まれた矢先の昨年10月、60歳で亡くなった。

 「きちんと親孝行できなかったという思いがあり、母を亡くして悲しいのかどうか、自分の気持ちがよく分からなくなった。絵で形にすれば気持ちの整理がつくかな、と思って」

     ◆

 残された写真を見ながら母の肖像を描いた。

 似顔絵屋をやっていながら、母の顔を描いたことはなかった。

 長男(3)は祖母の顔を覚えているかどうか分からない。「絵で見せたら、ばあちゃんだ、と思い出してくれるかもしれない」と思う。

 描かれた万里子さんの顔は、黒い背景に浮かび上がったり、緑や赤に染まっていたりと、通常の似顔絵や肖像画でもなく夢の中に出てくる姿のようだ。

 今では、母が個展に来てくれなくて寂しいと思う。

 「明るく楽しい母だった。こんな人がいたということを知ってほしい」

 6月1日まで。午前10時~午後8時。最終日は午後3時まで。無料。明石文化国際創生財団TEL078・918・5085

(吉本晃司)

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