明石

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倒れた男性に心肺蘇生法を施し、感謝状を受け取った古沢昌宏さん(右)、瀧野淳子さん=明石市藤江、明石市消防局
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倒れた男性に心肺蘇生法を施し、感謝状を受け取った古沢昌宏さん(右)、瀧野淳子さん=明石市藤江、明石市消防局
瀧野さんの呼び掛けで先月、魚の棚商店街の事務所に設置されたAED=明石市本町1
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瀧野さんの呼び掛けで先月、魚の棚商店街の事務所に設置されたAED=明石市本町1

 目の前で人が倒れたら、あなたならどう行動しますか。明石を代表する観光名所の一つ、魚の棚商店街(兵庫県明石市本町1)で3月、乾物店の男性店主(68)が突然倒れ、心肺停止状態になった。その命を救ったのは、「いざという時、思い出せるように」と救命士講習を3度も受講していた近所の古沢昌宏さん(72)と、同商店街で青果店を営む元看護師、瀧野淳子さん(52)の連携プレーだった。

 3月9日午前10時。商店街を歩いていた古沢さんは、乾物屋の中で5、6人が騒いでいるのに気付いた。見ると男性が倒れていた。

 人が倒れている場合、まずすべきは、意識や呼吸の有無の確認-。駆け寄ると、講習会で学んだことを実践した。

 呼吸がない。すぐに心肺蘇生法が必要と判断した。

 あおむけになった男性に寄り添い、心臓マッサージを始めた。自動体外式除細動器(AED)の手配も必要だ。「あなたはAEDを探して」。古沢さんはその場にいた人を指名した。

 マッサージは、胸の真ん中に手のひらの付け根の硬い部分を重ねてのせる。肘を伸ばし、真上から強く、約5センチ胸が沈むまで押す。

 ペースは1秒に2回程度。実体験は初めてだったが、訓練の動作を体が覚えていた。

 これを途切れなく施すことで、生存率や後遺症の有無が大きく変わる。高齢の古沢さんは、交代要員の必要性を感じた。

 「他に心臓マッサージできる人はいませんか!」

 乾物屋から東へ7店先で青果店を営む瀧野さんは、AEDを探し回る人の声を聞いた。以前から心臓が悪いと話していた男性店主が頭をよぎり、駆け付けた。

 元看護師。男性の状態を確認し、古沢さんと交代で心臓マッサージを続けた。

 一方、複数の人が探し回ったAEDは見つからなかった。「商店街の事務所にあるはず」という思い込みが混乱を招いたそうだ。

 約5分後、AEDより先に消防隊が到着。引き渡された男性は一命を取り留め、今では病院から自宅に戻った。

     ◆

 男性の無事を喜びつつ、瀧野さんは商店街の課題に気付いたそう。

 まず、商店街の事務所にAEDを1台購入した。そして「混乱していてもすぐ取りに行けるように」と、場所と使い方を書いたチラシを各店に配った。

 「高齢者が多く、人通りもある商店街なので、今後は全体で講習を受けるなどして備えたい」と話す。

 明石市消防局によると、倒れた人を救うには「救命の連鎖」が重要なのだという。特に大事なのは、心肺停止状態に早く気付き、救命措置を施すこと。

 心臓が止まったまま数分過ぎると、回復は困難になるという。古沢さんと瀧野さんには後日、同局から感謝状が贈られた。

     ◆

 私も高校生のとき、市民救命士講習を受講したことはある。入社後は記事で何度も紹介した。必要な手順は頭に入っているつもりだったが、もし目の前で人が倒れたら、とっさに体は動くだろうか。

 「自然に体が動いた」と古沢さん。講習の積み重ねが何より大切だと教わった。(勝浦美香)

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