明石

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幼虫を大事そうに見つめる男性=神戸市垂水区
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幼虫を大事そうに見つめる男性=神戸市垂水区
たった1匹だけふ化したスズムシ
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たった1匹だけふ化したスズムシ

 いよいよ来週にせまった明石スズムシ学校。卵のふ化に失敗する原因を広く探ってみようと、今月3日の明石版コラム「潮風」で失敗談を募集した。スズムシ学校の増田忠司校長(82)によると、「成功には湿度が重要」だそうだが、集まったエピソードをこのアドバイスに照らし合わせると、湿度を保つための鍵は水と土の管理にあるようだ。

 湿度の高い環境を好むスズムシ。「3月の啓蟄までは何もしなくていいが、それ以降は定期的に水をやり、土を絶対に乾燥させない」というのが増田校長流のやり方だ。

 一見簡単そうだが、ここでありがちなのが「啓蟄を過ぎたことに気付かず、水をやり忘れる」というパターン。神戸市垂水区の夫婦は数年前、スズムシ学校でもらった成虫を育てたが、卵はふ化しなかった。

 妻(41)は「秋に死んだ成虫を取り除いた後、虫かごをずっとそのままにしてしまい、気付いた時はもう初夏。土もカラカラで諦めてしまった」と話す。

 どうやら私と同じ経験をしたようだ。

 難易度は高いが、啓蟄を意識せず年中土を湿らせ、最適な状態を保とうとする人もいる。兵庫県明石市の男性(79)は4年ほど前から飼育し、「スズムシ博士号」も取得したことがある実力者。

 だが、今年は1匹も生まれなかった。

 男性は昨秋から半年ほど入院生活を送り、その間、水やりを奥さんに頼んでいたという。

 増田校長によると、ここで重要なのが「適切な湿度の維持」。スズムシの卵は冬の間も生きているので、本当はこまめに水をやり、一年中適切な湿度を保つのが一番いい。だが、まめな性格でなければ細やかな世話は難しい。

 「それならいっそ3月の啓蟄までは何もしない方が、簡単にふ化させられるんです」と増田校長。

 さらに、「一度土がカラカラになっても望みはあるんです」と教えてくれた。

 挽回のポイントは、水のやり方。乾燥して固まった土や木くずにいきなりたくさん水をやると、表土がびしょびしょになり、卵が死んでしまう。じょうろで少しずつ、2~3日かけて水をやると、固まっていた土が軟らかくなる。

     ◆

 湿度管理のもう一つの鍵が土だ。

 神戸市垂水区の男性(77)は30年以上スズムシを育て、これまでふ化の失敗は一度もない。三つの飼育ケースで育て、今ごろは数百匹の幼虫がうじゃうじゃ生まれている時期。

 なのに今年はたった1匹。男性は「30年間の血筋を受け継ぐ貴重な1匹。なんとか成虫になって」と、ひょこひょこ動く3ミリほどのスズムシを見つめる。

 これまでは5年おきにスズムシの一部を入れ替えて交配させ、土は10年おきに替えるというサイクルで育ててきたそうだ。

 増田校長によると、土を替えないと、食べかすやふんにカビや微生物が発生しやくすなる。「基本的に土は毎年替えた方がいい」と話し、スズムシが成虫になった後に入れ替えているという。

 「それでも」と続ける。

 「どう頑張っても、生まれてくる幼虫の数が少ない年はある。僕の家でもあった。原因は気象や外敵かもしれないが、本当のことは分からない。一つ言えるのは、愛情を持って丁寧に育てれば、いつか必ずふ化させられるということです」(勝浦美香)

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