明石

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チリでの白昼の夕闇(井上毅館長提供)
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チリでの白昼の夕闇(井上毅館長提供)
皆既日食でコロナに包まれた太陽(井上毅館長提供)
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皆既日食でコロナに包まれた太陽(井上毅館長提供)
皆既日食直前の連続写真(井上毅館長提供)
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皆既日食直前の連続写真(井上毅館長提供)
チリで観測に挑む井上毅館長(井上毅館長提供)
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チリで観測に挑む井上毅館長(井上毅館長提供)
神戸新聞NEXT
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神戸新聞NEXT

 日本時間の7月3日(現地時間では2日)、南米チリで皆既日食が観測された。日本ではまったく見ることができなかったが、地球の反対側では「日食フィーバー」が起きていた。観測チームの一員として日本から参加した兵庫県明石市立天文科学館の井上毅館長(50)に現地リポートを寄稿してもらった。「わははは、チリでばっチリ観測したぞ」。あれ、そのダジャレ、どこかの施設の悪役キャラに似ているような…。(勝浦美香)

 今回、幸運にも私は、チリで皆既日食を観測する機会に恵まれました。

 実は2年前の夏、北米で見られる皆既日食を観測しようと計画していたのですが、直前に尿路結石が見つかり断念しました。

 結石ができて欠席…。あ、ついダジャレが。笑いつつも悔しかったので、今回はいっそう気合が入りました。

 専門家ら8名でチームを組み、チリのコキンボ州とアタカマ州の州境付近、標高千メートルの平原で観測を行いました。観測前はみな気持ちがはやります。チーム内には、まるで試合前のアスリート集団のような緊張感が漂いました。

 曇ってしまうと見えませんが、ありがたいことに快晴。素晴らしい皆既日食を観測することができました。

     ◆

 皆既日食は日食の一種で、太陽と月が完全に重なる現象です。いつも強烈な光を放っている太陽が、光を失うのです。

 皆既日食が始まったのは日本時間の3日朝5時半から45分ごろで、継続時間は2分ほど。現地では午後4時40分ごろでした。

 あたりは夕闇のようになり、星たちが空に現れます。白昼の闇に浮かぶ黒い太陽という、この世のものとは思えない光景が出現します。

 まずは、皆既日食直前の連続写真です。ダイヤモンドリングと呼ばれる輝きは息をのむ美しさです。

 皆既日食になると太陽は透明な乳白色のコロナに包まれます。コロナは普段、太陽の光にかき消されてみることができない高温のガスです。

 白昼の夕闇はこの世界最高の奇観。気温は10度ほど下がり、肌寒くなりました。

     ◆

 ところで、現地では日食フィーバーが起こっていました。日食を見ようと多数の人が訪れることによる混乱に備え、警察が警備をしていました。

 私たちの観測地では軍のヘリコプターが待機し、銃を持った兵士が巡回。いくら皆既日食とはいえ、ちょっとオーバーだなと思ったのですが、後で聞いたところでは、近所の天文台にチリ大統領が訪問していたそうです。国家的な大イベントでした。

 チリは非常に遠く、日本からは飛行機を乗り継いで24時間以上。たった2分ほどの皆既日食のために、地球の裏側からやってきたことが興味深かったのでしょう。私たちも地元新聞で紹介されたり、テレビの取材を受けたりしました。

 日食の楽しみ方も南米らしく、とても陽気な野外イベントという感じで、勉強にもなりました。

 観測が終わると、天文科学館の人気キャラクター「ブラック星博士」がどこからともなく登場。写真を撮る人たちに囲まれ、楽しげな様子でしたよ。

     ◆

 皆既日食は、ほぼ毎年のように世界のどこかで見ることができますが、観測できる範囲が狭いため、ある場所に限ると平均して300年に1度ほどしか見ることができません。

 日本で次に皆既日食が観測できるのは2035年。能登半島や北関東などで見ることができます。

 次に明石で皆既日食が観測できるのは2361年。これは子孫に観測を託したいと思います。

 なお、部分日食は今年12月26日に明石で観測できます。

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