明石

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日本語を熱心に学ぶ外国人ら=花園小コミセン
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日本語を熱心に学ぶ外国人ら=花園小コミセン
川崎玉梅さん
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川崎玉梅さん
ソディックさん
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ソディックさん
タルワントさん
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タルワントさん

 兵庫県明石市在住の外国人に日本語を教える「西明石日本語教室」が昨年、発足から20年を迎えた。現在は花園小(同市西明石南町1)、山手小(同市大久保町大窪)の2カ所で週に1度ずつ開く。今年は、20年間の歩みを現在のメンバーらがたどる記念冊子を完成させた。「これからも外国人のよりどころとして活動を続けたい」と話す。教室にお邪魔してみた。(勝浦美香)

 日曜の午前10時。花園小コミセンの一室に、日本語を学びたい外国人がぽつりぽつりと集まり出す。

 1回200円。参加は毎回自由。人数は毎回ばらばら。

 「時間の感覚も国ごとに違うから、決めた時間にきちっとスタートするわけじゃないんです」と教室の支援を10年以上続ける桜井美子さん(69)は笑う。

 30分ほどすると20人以上の参加者が集まった。

 ベトナム、フィリピン、インド、中国など国籍はさまざまだ。表を使ってひらがなの読み方を勉強するグループもあれば、漢字や複数の時制が含まれる文章を読むグループ、母国の社会情勢について専門用語を駆使し紹介し合うグループなど学習レベルは幅広い。

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 西明石日本語教室は1998年、ブラジルやペルーなどの日系南米人の要望で発足した。

 外国人の参加者は2017年までに延べ900人以上。日本語を指導する「支援者」は延べ400人以上が携わってきた。

 日本語を教えた経験がある人はわずかだ。大半が教室を見学しながら指導方法を身に着ける。

 10年、20年とたつうちに参加する外国人も様変わりし、現在は任期付きで働くエンジニアや技能実習生などが中心だ。

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 インド人男性2人がテーブルいっぱいに数字の表を広げていた。数え方に苦戦している。

 サルは1匹、2匹なのに、牛は1頭、2頭。靴下片方は1枚だが、左右そろうと1足……。頭を抱えながらも熱心にメモを取り、習得していた。

 2人を指導していた女性(69)は「インドから来ている方はスマートな人が多く、理解が早くてびっくりするわ」とうれしそう。

 ベトナムから任期付きで来日しているホァン・ヴァン・ダオさんは「外国のことを勉強したくて教室に通い始めた。友達も増え、どんどん日本語がわかるようになり楽しい」と流ちょうな日本語で話す。

 2年前から明石で暮らすフィリピンのアグスティン・クリスピーニャノ・ジュニア・フローレスさんは「日本語検定の2級に合格するのが目標。でも3級落ちた」と明るく打ち明ける。

 和やかな雰囲気に、支援者も学習者もみな笑顔だ。

 「日本語学習の場ではあるけれど、外国人同士の交流拠点、日本人と接する場所としての役割も大きいんです」と桜井さん。

 「次は30年を目指しています」

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 正午。教室が終わると、外国人たちは「これから大蔵海岸でフットサルをする」と楽しそうに帰って行った。

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【西明石日本語教室に通う生徒の声】

■感謝の気持ち返したい 中国人の川崎玉梅さん(51)

 6年前、日本人と結婚して明石に移り住んだ。積極的な性格で、通っているジムで知り合った日本人女性を通して、日本での友人を増やした。

 「中国人だから」と冷たくされたこともあったが、「そういう反応は気にしない」。日本のルールを守り、ごみ拾いや清掃も率先してするという彼女の周りには、次第に国籍や出身地に関係なく接する日本人が増えていった。

 日本の友人から教えてもらった西明石日本語教室に3年半前から通う。最大の目的は「もっと流ちょうな日本語を話せるようになって、友達とおしゃべりしたいから」。

 一方で、中国語を教えるボランティアにも取り組む。「日本語教室で教えてもらったことを本当に感謝している。ボランティアで、感謝の気持ちを日本に返したい」とほほ笑んだ。

■多国籍の友人ができた インドネシア人のモハマッド・ソディックさん(49)

 日本で暮らして20年。日本人の妻との間に生まれた息子は専門学校生だ。

 これまでは街で出会った外国人風の人に片っ端から話しかけて友人を作っていたが、6年前から通う日本語教室では、簡単に多国籍の友人ができた。

 フットサルやバドミントンなどのスポーツでともに汗を流す。

 今の目標は「ビジネス日本語能力テスト」で高得点を取ること。参考書にはビジネス用語や、ビジネスにおける敬語など、難易度の高い問題が並ぶ。

 テスト結果は就職活動にいかし、母国の日系企業に単身赴任したいという。

 「昨年父を亡くした時、最期の時に間に合わなかったのを後悔している。今後はできるだけ、母を近くで見守りたいんです」と離れて暮らす家族への思いを明かした。

■住みよく滞在延長申請 インドネシア人のタルワントさん(24)

 インドネシアにいた頃、レストランで働いた。

 日本に来て最も苦労したのは食べ物の味付け。「今では日本の味にも慣れたけど、自分で作るのはインドネシア料理かな」と笑う。

 稲美町にある鉄鋼関係の工場に勤務する。給料の半分を家族に仕送りしたうえで、インドネシアに自分の家を建てた。

 「母国に戻ったら、鉄鋼関係の仕事を続けながら、自分のレストランを開きたい」と目標を語る。

 日本で働けるのは3年。期限が迫るなか、日本語教室に通って勉強し、日本語能力試験のN3(日常的な日本語を理解するレベル)を取得した。5年への延長を会社に申請している。

 「日本は住みやすくて気に入ってる。でも、もし延長できなくても、韓国などまだまだ行ってみたい国があるから大丈夫」と穏やかな表情で笑った。

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