明石

  • 印刷
市立文化博物館に展示されたミニカー=明石市上ノ丸2
拡大
市立文化博物館に展示されたミニカー=明石市上ノ丸2
ミニカーを寄贈した元歯科医師の柏木善平さん
拡大
ミニカーを寄贈した元歯科医師の柏木善平さん
欧米のおもちゃメーカーが製造したミニカー
拡大
欧米のおもちゃメーカーが製造したミニカー

 フェラーリやシボレーなど戦後のアメリカやヨーロッパの車をかたどったミニカーを集めていた元歯科医師、柏木善平さん(89)=神戸市垂水区=が、明石市立文化博物館(兵庫県明石市上ノ丸2)に約400点を寄贈した。同館で24日まで、約160点が展示されている。(吉本晃司)

 1階の常設展示室と体験学習室に飾られたミニカーは、柏木さんが約50年前から欧米に渡航した際に買い集めたものだ。

 コレクションは、主に1960年代~80年代に一世を風靡した外車が中心で、オレンジや赤、シルバーなど色も多彩だ。

 戦後は、欧米や日本で車の需要が拡大し、車種が急増した時代。ミニカーの素材もブリキからダイカストに進歩して精巧な部品が大量生産できるようになり、モデルチェンジのたびにミニカーの“新車”も増えた。コレクションには有名自動車メーカーの車種が多数そろっている。

 30年代のリンカーン・コンチネンタルのほか、今はない自動車メーカーのポンティアック、オールズモビル、80年代のスーパーカーブームを引っ張ったイタリア車、日本のスバル1000、フェアレディZもある。

 市は「60~80年代の国内ミニカーも多く、当時、世界各地で流行した車がそろっている。社会風俗の一端が分かる貴重な資料」としている。

 「この年になり、散逸するよりも市民や子どもたちに見てもらう方がいいと思うようになった。市制100年の年に寄贈できてうれしい」と柏木さん。

 「ミニカーコレクション展示」は午前9時半~午後6時半。入館は午後6時まで。大人200円、大学・高校生150円、中学生以下無料。同館TEL078・918・5400

■欧米旅行し現地で収集 元歯科医師 柏木善平さん

 軍国少年だった。教育勅語や戦陣訓を覚えて育った。

 終戦を迎えたのは旧制明石中の生徒だった15歳。革靴を履き、折り目の付いた服を着てジープに乗った駐留米軍がまぶしかった。

 「日本が負けて悔しかった。なぜ負けたのか知りたくて、欧米に行ってみると、向こうの文化の厚さ、伝統がびっくりするくらいすごかった」

 戦後、西新町3に歯科医院を開く傍ら、1970年頃から度々欧米に旅行し、現地でミニカーを収集した。地元の人に売っている店を尋ね、「わくわくしながら買いに行った」と笑う姿は少年のようだ。

 少年時代から文学も好きだった。島崎藤村、国木田独歩、芥川龍之介などを読み、歯科医になってからもロダンの彫刻や絵画を収集。文化に深い愛着を持ち、2005年には文化博物館でコレクション展も開催した。今回は国内外の絵画15点も合わせて寄贈した。

 それだけに「明石は文化が育たないと言われるのはさびしい」と話す。

 「明石は柿本人麻呂が歌を詠み、源氏物語の舞台にもなった。城下町なので保守的で新しいことを取り入れることが少なかったかもしれないが、すばらしい気候や風土も含めて文化だ」と強調する。

 明石西ロータリークラブの会長も務め、地域振興に貢献してきた。趣味は多彩で、関西の食文化雑誌「あまから手帖」の創刊号にワインの記事を寄稿したこともある。

 「明石藩主の暴政を一部の人が食い止める時代劇『十三人の刺客』という映画があった。明石の観光PRも一部の人に任せるのではなく、市民全員でやっていけたら」

 元気で多弁な89歳は、にこやかに笑いながら“後進”に期待を寄せる。

明石の最新
もっと見る

天気(12月12日)

  • 13℃
  • 8℃
  • 10%

  • 9℃
  • 6℃
  • 50%

  • 13℃
  • 8℃
  • 20%

  • 12℃
  • 7℃
  • 20%

お知らせ