明石

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昨年オープンした県フットボールセンター明石グラウンド=明石市二見町南二見
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昨年オープンした県フットボールセンター明石グラウンド=明石市二見町南二見
工場が並ぶ島内を数多くのトラックが走る=明石市二見町南二見
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工場が並ぶ島内を数多くのトラックが走る=明石市二見町南二見

 播磨灘(兵庫県)に浮かぶ人工島。住民はいないが、82社約6千人が働く市内有数の工業拠点だ。「二見臨海工業団地」と呼ばれ、市内の事業所の約28%、従業員数の25%、製造品出荷額は30%を占める。トラックがせわしなく行き交う“工業島”で耳を澄ますと、ボールを蹴る音や威勢のいいかけ声が聞こえてきた。島がもう一つの顔を見せ始めた。(長沢伸一)

 北東にある明石海浜公園。ここが島のもう一つの顔を象徴する場所だ。

 東京ドーム約3・6個分17ヘクタールの敷地に、球技場、テニスコート、プール……さまざまなスポーツ施設が並ぶ。ここ10年は毎年10万人以上が利用し、2017年度は15万人を超えた。

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 この島に19年9月、新たな施設が誕生した。市内初の本格的なサッカー場「県フットボールセンター明石グラウンド」だ。

 正規の国際試合が可能な横68メートル、縦105メートルの広さに、18基のLED照明を備える。全面人工芝。シャワー室を完備したクラブハウスもある。

 「大人が使える芝生のサッカー場を作るのが明石の悲願だった」

 明石サッカー協会の溝口薫会長(68)は明かす。大蔵海岸にもフットサル用のグラウンドはあるが、小学生以下のサッカーの試合しか使えなかった。

 ボールを追い、競り合う選手たち。明石グラウンド完成後は、社会人の関西リーグや、県の中学生選手権大会などが開かれた。

 夕方以降はほぼ毎日、中学生のクラブなどが練習に活用する。指導者から夜間の照明の明るさなど設備を評価する声が上がる。

 クラブチームで練習する江井島中3年の男子生徒(15)は「芝生にガッとスパイクが入って動きやすい。試合に近い状況で練習できる。目標の全国大会出場につなげたい」。

 他府県からの予約も入り始めた。グラウンドの敷地内にあるフットサル場は、インドネシアなど外国人の利用もある。

 だが、平日の昼間は利用者はまだまだ。今後は芝を痛めないグラウンドゴルフもできるよう計画中だ。

 「このグラウンドで練習し、世界に通用する選手が明石から出てほしい」

 溝口会長は願う。

■島の8割が明石市、残りは播磨町 なぜ二つの自治体が同居?

 人工島を散策中、「東新島8番」と書かれた山陽バスの停留所を見つけた。

 明石市にこんな地名あったかな……不思議に思い、スマホのアプリの地図を開くと電子音が聞こえた。

 〈現在地は加古郡播磨町東新島です〉

 「人工島の8割強が明石市、残りが播磨町になっています」。播磨町と明石市に尋ねると、そんな答えが返ってきた。播磨町分が約0・37平方キロメートル、明石市分が約1・92平方キロメートルだ。

 なぜ一つの島に二つの自治体が同居しているのか?

 1970年に埋め立てが始まった人工島。担当した県企業庁によると「古い話なのでよく分かりません。ただ、陸の市域・町域の境を海岸線から延ばす事例があると聞いたことがあります」と教えてくれた。

 改めて地図を見る。確かに明石市と播磨町の陸の境界を延長しているように見える。

 ここで新たな疑問が。播磨町民が東新島の住民に郵便物を送る場合、一度、明石市に入ってから配達しなくてはいけないのか--。

 播磨町の担当者によると「住民はいないのでその影響はない」そうです。

【取材メモ 長沢伸一】

 京都府北部のコンビニもない田舎に生まれた私にとって、人工島は遠すぎる存在だ。

 工場が並び、トラックが行き交う“工業島”。まさに想像通りだ。だが、目を凝らすと、元気に走り回る子ども、グラウンドゴルフをするおじいちゃん、フットサルを楽しむインドネシア人の姿が。

 島は意外にも、年齢や性別、国籍の壁を感じさせない“レクリエーション島”でもあった。

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