明石

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「喫茶ヨシダ」で半世紀、メニューに並ぶ幻のドリンク「キューピット」=明石市本町1
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「喫茶ヨシダ」で半世紀、メニューに並ぶ幻のドリンク「キューピット」=明石市本町1
混ぜるとカフェオレのような色に=明石市本町1
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混ぜるとカフェオレのような色に=明石市本町1

 「キューピット」という飲み物を知っていますか。かつて、喫茶店の定番メニューだったとも聞きますが、お店が減ったことも手伝って、その名前を目にすることはめったにありません。でも、なんと兵庫県明石市本町1の「喫茶ヨシダ」にあるんです。記者も同店で初めてその飲み物の存在を知りました。一体、どんな飲み物なんでしょうか…。(小西隆久)

 きっかけは、同店で遅めの昼食を食べながらふと、耳にしたやりとり。若い男性客3人がテーブルに着いてメニューを見るなり「すみません、キューピットって何ですか」。夫婦で同店を切り盛りする吉田豊子さん(74)が「何やと思う?」とにんまり。

 「カルピスのコーラ割りなんよ」と豊子さん。え?カルピスをコーラで割る?

 記者と同じく、キョトンとした表情を浮かべる若者たちに、豊子さんが笑いながら「カルピスの原液にコーラを混ぜて作るねん」と続ける。

 出てきたのは、コーラの茶色とカルピスの白色がくっきりと2層に分かれた飲み物。

 「混ぜて飲むんですか」と若者。「しっかり混ぜてよ」と豊子さん。ストローで混ぜると層がだんだんと混ざり合い、カフェオレのような色になった。一口飲んだ若者は「うわ、甘いですね」と一言。

 「もともとはバーで出してた飲み物らしいですよ」。マスターの照彦さん(78)が教えてくれた。確かに調べてみると「ノンアルコールカクテル」との説明もネット上にちらほら。でも、誕生の経緯や名前の由来は知らないという。

 同店の創業は1949(昭和24)年。照彦さんの両親がうどん店として始め、すし店を経て68(同43)年に今の喫茶店になった。当時のチーフが「キューピット」をメニューに入れたといい「それが好きで、来ると必ず頼むお客さんもおるんやで」と豊子さん。

 調べてみると、大阪にも「キューピット」を提供する喫茶店が。ルーツを聞きたくて電話した。

 大阪府吹田市の「蘭豆(らんず)」のマスター吉井康裕さん(60)は「キューピットは大阪発祥やと思います」ときっぱり。吉井さんが中学生の頃、大阪・梅田に「キューピット」という名前のロック喫茶があり、そこの看板メニューだったという。

 「恋人たちがよく注文するから『キューピット』になったんちゃいますか」と吉井さん。70年代にはどこの喫茶店にもあったというが、徐々に消えていったという。誕生の真相や名前の由来は不明のままだ。

 「喫茶ヨシダ」であらためて「キューピット」を注文した。カルピスとコーラをしっかりと混ぜ、ストローで恐る恐る吸ってみる。かつて、たくさんの恋人たちが味わった至福のひとときはこんな味だったのかな-。四十路(よそじ)の“おっさん”には甘すぎた。

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