明石

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若い世代にも人気というペッチンウリの浅漬け=明石市本町1、畠田商店
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若い世代にも人気というペッチンウリの浅漬け=明石市本町1、畠田商店
梅雨明け前後に出荷がピークを迎えるペッチンウリ。明石市内の畑では青々としたウリを大量に収穫する光景が見られた=明石市魚住町金ケ崎(2010年撮影)
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梅雨明け前後に出荷がピークを迎えるペッチンウリ。明石市内の畑では青々としたウリを大量に収穫する光景が見られた=明石市魚住町金ケ崎(2010年撮影)

 兵庫県東播磨の伝統野菜「ペッチンウリ(別珍ウリ)」が同県明石市内で姿を消しつつある。かつては浅漬けとしてスーパーにも並んだ人気商品だが、今では市内の漬物店で見かける程度と販路が縮小。病害虫への弱さもあって市場流通向けに栽培する生産農家がゼロとなった。明石の夏を彩ってきた特産の味は幻となってしまうのか-。(長沢伸一)

 ペッチンウリは、明石市魚住地区や加古川市などで自家栽培されていた地場野菜。マクワウリの一種とされる。完熟時の緑色の皮がビロード生地に見えることから、別珍ウリの名称が付いた。甘みの濃さ、柔らかい食感が特徴だ。

 約30年前、明石市内で漬物業を営んでいた畠田肇さんとJA魚住(現・JA兵庫南)が、地元産ペッチンウリを特産品として売り出そうと協力。試行錯誤の末、浅漬けを商品化した。

 ほどなく地元消費者の支持を得て人気は急上昇。同市二見町にあった畠田さんの工場は生産量を増やし、市内のスーパーにも出荷された。

 注目が高まる一方で、ペッチンウリの生産は頭打ち状態に。JA兵庫南によると、栽培の難しさが原因の一つという。病害虫への弱さから収量が伸び悩み、一時は市内の生産農家が20軒以上を数え、1・5ヘクタール超あった栽培面積も減少の一途をたどった。

 さらに畠田さんの工場は5年前に閉鎖。大口の加工業者を失い、農家も栽培から手を引いた。JAによると現在、市場流通用にペッチンウリを育てている農家はゼロ。一時は15アールに作付けしていた同市の男性(57)は「僕としては作りたいが、販路がない」と残念がる。

    ◇

 現在、明石市内でペッチンウリの浅漬けを購入できる店は少ない。その一つが魚の棚商店街(同市本町1)の「畠田商店」だ。

 畠田さんの右腕として約50年働いていた森口和明さん(64)が店主を務めている。3年前、畠田さんに頼まれて仕事を引き継いだ。

 同店のペッチンウリは2年前から、市外の農家に栽培してもらい、自ら浅漬けに加工している。半分に割って種を取り出し、塩漬けをした後、調味液を加えて本漬けにする。数日がかりの手作業だ。

 1日に店頭に出せるのは多くても約100個。みずみずしい色合い、ほどよい塩加減とメロンのような甘みが食欲をそそる。最近はダイエットや美容効果で若い世代の漬物への関心が高まり、昨今は完売しない日はないほどの人気という。

 畠田さんは今年2月、79歳で亡くなった。森口さんは「店の看板に泥を塗らないよう、明石の漬物文化を守るために頑張りたい」と話す。同店TEL078・911・2190

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