「助け合うことが大切」 ボランティア団体の代表が震災経験語る
2021/01/14 05:30
助け合いの大切さを児童に伝える松本茂子さん=明石市西明石南町1
阪神・淡路大震災を体験した人から当時の被災地の状況について話を聞く授業が12日、兵庫県明石市西明石南町1の花園小学校であった。地元グループ「ボランティアはなぞの」代表の松本茂子さん(78)が4年生約80人を前に、校区内に整備された仮設住宅での炊き出し活動などを振り返り、助け合いの大切さを訴えた。(長沢伸一)
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総合学習の一環。同校の依頼で松本さんが5年ほど前から毎年行っている。
震災では同小の鉄筋コンクリートの柱にひびが入り、近くの望海中学校(同市西明石南町1)ではグラウンドが大勢の避難者であふれた。
松本さんは当時の様子を写真で映し出しながら、詰まったトイレを流すためにプールの水をバケツリレーで運んだり、持ち寄った段ボールや木を燃やして暖をとったりと住民が力を合わせて避難所運営に当たったことを振り返った。他方で「避難所で地震におびえる外国人に気づかず、声を掛けられなかった」との反省も口にした。
震災後、仮設住宅の入居者とうどんやお好み焼きなどの炊き出しを通じて交流し、見守り活動にも携わった松本さん。「気づいたら行動することが大切。学校で困っている人がいたら手を差し伸べて」と伝えた。
じっと耳を傾けていた男児(10)は「みんなのために、僕もボランティア活動などに頑張りたい」と話した。