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玄関扉の前に置かれた本棚と南谷孝男さん=明石市太寺
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玄関扉の前に置かれた本棚と南谷孝男さん=明石市太寺
1階に設置された幅10メートルの長い本棚。地域住民も利用できる=明石市硯町2
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1階に設置された幅10メートルの長い本棚。地域住民も利用できる=明石市硯町2
図書の閲覧や貸し借りができる場所をまとめた冊子=明石市東仲ノ町
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図書の閲覧や貸し借りができる場所をまとめた冊子=明石市東仲ノ町

 兵庫県明石市太寺の住宅街の一角に、「小さな図書館」と看板を掲げた一軒家がある。玄関先に置かれた本棚には小説や雑誌などがぎっしり。「どなたでもご利用できます」との張り紙がセロハンテープで留めてある。自宅に、それも図書館をなぜ? 住人に話を聞いた。(川崎恵莉子)

■玄関先に蔵書500冊 いつか交流の場に

 玄関スペースにすっぽりと収まった本棚は高さ2メートルほど。司馬遼太郎の「街道をゆく」シリーズをはじめ、若者を中心に人気の小説「君の膵臓をたべたい」「そして、バトンは渡された」など約200冊が並ぶ。

 「最初はただの思いつきで始めました」とは、出迎えてくれた住人の南谷孝男さん(73)。米国などで広がる「マイクロ・ライブラリー」と呼ばれる取り組みを雑誌で見かけたのがきっかけだった。

 自宅や店の前に置いた小さな箱に自分がお気に入りの本を入れ、地域住民が自由に読んだり借りたりできる。「自分もやってみようかな」。5年ほど前に本棚を買い求め、これまで趣味で集めた本や旅行雑誌を並べた。

 借りていく人と顔を直接合わせる機会は少ないが、本が減っているのを見ると「誰か借りてくれたんやな」とうれしくなるという。近所の人が単行本や絵本を寄付してくれることも増え、蔵書は500冊を超えた。

 昨年、父親の代から神戸市西区で営んでいた製麺所とうどん店を畳んだ。お客さんと接する日々は楽しかっただけに、今は少しさみしさを感じる。

 「やっぱり誰かとつながりたいという気持ちがある」と南谷さん。「いずれは訪れた人たちと好きな本について語り合いたい」と夢を描く。

 新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着けば、自宅内に読書スペースを設けたり、交流会を開いたりと構想は膨らむ。

 「個人宅ではあるけど気軽に利用してほしいね。まあ、取りあえずコーヒーでも一杯飲んでいってくださいな」

 小さな図書館(南谷さん宅)TEL078・917・3994

■入院患者らの楽しみに

 図書スペースを開放する取り組みは、病院や飲食店などでも行われている。

 「ふくやま病院」(明石市硯町2)では、誰もが気軽に立ち寄れる場所にしようと、クラウドファンディングで集めた資金で全長約10メートルの巨大な本棚を設置。2016年の病院移転に合わせて1階の待合スペースを開放し、患者や地域住民から集めた単行本や絵本など約500冊を並べる。

 3、4階の入院フロアにも本棚を置き、通院者や入院患者、付き添いの家族らが利用しているという。同病院は「いずれは本を通じた地域の交流の場に」と期待を込める。

■市内50カ所の図書施設紹介

 南谷孝男さん方の私設図書館のように、市内には閲覧したり、貸し借りしたりする本を置く施設が50カ所ある。明石コミュニティ創造協会(明石市東仲ノ町)は、こうした施設情報を集約した冊子「明石まちなかブックスポットMAP」を発行。学びの場や地域の交流拠点として活用を呼び掛ける。

 「本のまち」を掲げる同市の取り組みを紹介しようと、同協会が初めて作製。市内を明石▽西明石▽大久保▽魚住・二見-の4エリアに分け、開館時間や蔵書数などを一覧にした。

 今回は場所を示した地図と合わせて、親子の居場所づくりに小学校コミセンや公民館に設置された「こども夢文庫」のほか、自宅などを開放した図書館の写真や運営者のコメントなども掲載する。

 同協会の前川梓さん(37)は「『こんなところで本を読めるんだ』と知る機会にしてほしい。もっと多くの人に活用してもらえればうれしい」と話す。

 5千部発行。A4判8ページ。市役所や小中学校コミセンなどで配布している。同協会TEL078・918・5248

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