認知症患者と家族の困りごと解消へ 明石市がワクチン接種同行支援
2021/06/05 05:30
明石市役所=明石市中崎1
新型コロナウイルスのワクチン接種について、兵庫県明石市は4日、認知症患者とその家族が接種場所へ行く際、シルバー人材センターの会員が付き添って接種を手助けするサービスを始めると発表した。さらに、認知症患者らの財産管理を助ける「成年後見制度」を使いやすくするため、申し立てにかかる親族の経済負担を軽くする事業も始める。新型コロナ禍で抱える認知症患者らとその家族の困りごとの解消を目指す。(長尾亮太)
関連ニュース
北播磨総合医療センター、人事異動500人超 認知症診療センター創設、患者相談窓口を一元化
母猫は交通事故で、姉妹猫も亡くし…19歳の三毛猫が「分離不安症」と「認知症」 ひとりぼっちの不安に鳴き続ける日々、飼い主が取った行動は?
脳の活性化を図る「回想かるた」ゲームの全国コンテスト特別賞 認知症予防へ78歳田中さん考案
市は今年2月から、認知症と診断された約2500人に対し、3種類の無料券の配布を始めた。その一つが「寄り添い支援サービス」で、今回は内容を拡充する。
寄り添い支援サービスでは、あらかじめ研修を受けたシルバー人材センター会員らが、認知症患者と家族による外出への同行支援を行ってきたが、ワクチン接種も対象に入れる。
会見した泉房穂市長は、「苦労しているのは(認知症患者の)家族。孤立したり、過度な負担がかかったりしないようしっかりと支援したい」と話した。
そのほか、買い物▽ゴミ出し▽クリーニングに出した衣類などの受け取り▽電球交換-など玄関先で対応できるサービスも対象に加えた。
また、特別養護老人ホームなど施設に入所する高齢者と家族との面会も後押しする。オンラインや対面での面会に必要なタブレット端末やアクリル板の購入費などを施設に対して補助する。
一方で、認知症など判断能力が不十分な人の財産管理などを支援する「成年後見制度」について、申し立てた親族の経済負担を軽くする制度を今月7日に始める。
具体的には、申し立ての手続きを弁護士や司法書士に代行してもらう場合、その手数料負担などは認知症患者ら被後見人の財産を充てられず、制度利用の壁となっていたという。そこで市社会福祉協議会の「あかし後見基金」を使い、手数料を助成する。予算は200万円で、約20件の利用を見込む。